一見、優しく見える母
偶然、ある自閉症男児の家族の動画をみた。
男の子は、多分5歳ぐらい。
家族でのご飯中、男の子は、あれがほしい、これがしたいと大癇癪をおこし、文字通り暴れ回っている。
妹は負けじと、これは私の!ダメ!と、同じく暴れて号泣。
母親は「○○もしたかったね。ママが用意してなかったのが悪かったね、ごめんね。」と寄り添い続けてる。
父親は男の子の癇癪と娘の泣き声に疲れ切って、ただ黙って苛立ちを堪えている。
ただただカオスだった。
これが【自閉症児のいる日常】として発信されていた。
こういう動画を見るたびに、私にはいつも二つの顔が出てくる。
一つは、この現状を打破する案をいくつか知っている仕事の顔。
もう一つは、この現状を体験している母の顔。
実は、この板挟みが結構きつかったりする。
癇癪の意味・環境配慮・対応によって、この現状は確実に変わる事を知っている。
なのに、実行するのはかなり難しい。
こうしたら落ち着くと分かっているのに、私も何度もバーストを繰り返している。
知っている分かっているのにできない自分にため息がでる日だってある。
だから、この手の動画を見てる間は、「お前は育児を投げ出してる母親だ!」と言われ続けているような気持ちになりへこむこともしばしばだ。
ただ、かなり問題の多い動画でしたので、この【自閉症児のいる日常】を打破する案やあるべき状態を、自閉症児の母としてではなく、療育に携わるものとして次回から冷静にいくつか紹介したいと思う。
はじめに言っておく事としては、この家族の中でまだ行動として正しいのは、父親のみだという事だ。
動画の中の母親は、【一見、優しく見える母】だという事。
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