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この人と一緒にいるときの自分が好き

友達の惚気話を聞いていると、こんなセリフが飛び出すことがよくあった。

「この人と一緒にいるときの自分が好きなんだよね」

正直に言うと、私にはわからない感覚だった。相手との関係の話で、なぜ「自分が好き」という感情が出てくるのだろう?

逆もある。実は彼と一緒にいるときの自分が嫌いなんだ……というふうに。そうなんだねと聞いていたけど、心の底からの共感はできなかった。


つい最近、家で夕飯を食べているときに夫(先日結婚しました)が言った。「これ、韓国味噌入れてもおいしそうじゃない?」。

たしかにおいしそうだねと私は答える。夫が冷蔵庫から韓国味噌を取り出して手渡してくれたが、すでに自分の分に塩をかけすぎていたので、「私はいらない!」と明るく断った。

断ってから、これが自分の素の性格なのかもとふと考えた。いらないときは明るくきっぱり断るのが。

「この人は滅多なことじゃ自分から離れていかない。素の自分を受け入れてくれる」という心理的安全性があるから、きっと繕わず自然体でいられるのだ。


もし友達から手渡されていたとしたら、ありがとうと言っていったん受け取ったと思う。同僚でも同じだ。それはどこかで、嫌われたくないという不安があるから。

思えばたぶん、私は両親や親戚の前でもずっと素でいられなった。両親は傷つける言葉を投げかけてくるから、心を閉ざして感情を浮かべないようにしていた。大好きな祖父には心配をかけないように、楽しそうに無邪気そうに無意識に振る舞っていた。

機嫌によって怒鳴ったり叩いたり蹴ったりする親のもとで育ったから、幼稚園児のころから周りの顔色を伺う癖がつき、それが今までずっと抜けなかった。

みんなが言う「この人と一緒にいるときの自分が好き」というのは、素の自分でいられて楽しいし、素の自分でいられるほど安心を感じられる相手ということなのだ。たぶん。



……素の自分ってこんな感じだったんだ。こんなに楽なんだ。たしかに、私もこの自分が好きだ。



自分を偽って人から嫌われないようにがんばるより、素の自分のままでいながら相手に嫌な思いをさせないようにする。そんな考え方で、力を抜いて生きていこうと思った。


P.S.

韓国味噌ってなんだ?と地味に気になった方へ笑

日本の味噌と違って、ぐつぐつ沸騰させたほうがおいしいらしい。

このレシピ本を作ってみるのにはまっていて、韓国調味料をそろえました。

少し暗い話をしてしまったので、おいしい話で終わります🍚

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