Looking Back

IT系に長く勤めているのに意外だと思われるかもしれないけれど、私はガジェット系を新しくするのにとても抵抗がある。

だから今回のiPhoneの発売も、いつものようにスルーするつもりでいた。
でも諸事情あり、このたび私の愛用機は義母に渡ることになった。
さて、そうなると、新しいものを買わなければ。

というわけで、生まれて初めて予約開始日に、時間を待ち構えて予約するということをしてみた。
それがまもなく、届く。

私が新しいIT機器に変えるのを億劫がる要因の大半を占めているのが、”移行が面倒くさい” だ。
色んなもののバックアップを取って、アプリから一旦ログアウトして・・・と、何かを忘れたら一気に後戻り出来なくなる緊張感がとっても嫌なのだ。

今回はとにかく時間が無い上に、データ移管したらすぐに人に渡さなければならない(手元に置いてゆっくり後でやろう、は出来ない)ので、予約が完了してからここ数日、アプリごと消えたら困るものを少しずつ見返してはクラウドに念の為放り込んだりして、作業をしながら自分の書いたものなど振り返っていた。


ついでにこのnoteも、消えるわけではないので見返す必要もないのだけれど、何となく流れで読み返してみた。
1年前の今頃どんなことを考えていたのか、読み返しては振り返り、自分の進歩のなさに苦笑する。

ポジティブな見方をすれば、”ブレていない”。
ネガティブな見方をすれば、”成長していない”。

ついでにメールやSMSなどもひっくり返して読んでみたけれど、なんだか全然変わっていない。
昨年の方が今よりも肩に力が入っていて、”頑張ってます、私”感が強かったように思うけれど、一生懸命言葉を紡いでは想いや主張を伝えようとしていたかな、とも思う。
真っ直ぐに生きたい自分の性格と、心のキャパシティ...それを少し逸脱するような感情や、収まりきらない色々な想いを持て余して、立ち止まることも多かった。

仕事は楽しかったけれど、一方で自分の力不足も感じたし、時々不甲斐なさに落ち込んだりもした。
アイリッシュバーで泣いていた昨年の今頃、雨上がりに輝いていた月と、金木犀の香り。
仕事が変わっても、時々未熟な自分が顔を出す。

いつまで経っても、大人になりきれない。
振り返ってみると、いつもどこかで自分が戸惑ったり、立ち尽くしたりしていて、ちょっと胸の奥がきしんだりもする。
でも少しだけ...ほんの少しだけ前に進めたかな、と思うのは、手に入れた何かを失う怖さを、克服できたことかもしれない。

本当は、失うものなんて何もなくて。
失ったように見えるものも、まだ手の中にきちんと存在しているのだということ。
角度を変えれば見えなくなったりもするけれど、別な角度から見つめ直せば以前よりも輝きを増していることだって、時にはあるのだと気づけたこと。

時は待ってくれない。
でも、時がゆっくりと解決してくれることもあるのだと、自分の身をもって感じることも出来た。

見えない明日を憂うより、今日、いまここで見えている景色を大切に。
そんな風に思えるようになった。
それだけでも、十分。
欲張らず、焦らず、一歩ずつ。

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