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やっと『21 Lessons』読めた

2019年の本をなんでいまさらって?
文庫本が出たんです、去年11月に。
単行本の半額以下!🤣待ってました!
そう。わたしはケチ臭い。

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あとは・・
ホモ・デウスがでてからけっこうすぐ出たので、“ホモ・デウス疲れ”でとても読めなかった。

でも、コロナ前の出版だが、彼の考察はコロナ騒動のホモサピエンスの受け止め方にもめちゃめちゃ当てはまり、後回しにして良かった。

はっきり言って、彼の文章は大嫌いである。

箇条書きしなさい、結論から書きなさい、主語を書きなさい、といった誰かが常識として広げたマナーの類いを真っ向から完全否定し、難解な比喩皮肉を挟みながら(しかもネチネチと)、
次の「。」が出てくるまで呼吸を止めたら死ねそうなほど一文が長いのだ。
それはこの人間社会があまりにも絶望的であること、平和な未来を描くならAIではなくむしろチンパンジーたちに委ねたほうがいいだろうと言いきるほどに、人間にしかない叡知、思考と感情を神が期待したようには使えなかったのであろう人類に落胆しているかのよう。

だが、「大嫌い」なんだが「とてつもない調査力とつきつめることへの執念に対する絶大な信頼とリスペクト」をしているため、
イヤイヤでも読んでいる🤣

めっちゃ時間がかかるがほとんどのページがためになる、特異な歴史学者、哲学者さんだ。

フルネーム、ユヴァル・ノア・ハラリ。
ほんとに現代のノアかもしれん。
歳はわたしの四つ下。

よくぞそこまで調べたなとか、、
事実はそうだったのか、、とか、
さまざまな人間が作っってきた、生命としてさほど根拠もない概念や道徳心といった虚構への怒り、憎悪さえ感じるほどの執着ぶりが爽快にすら感じるのは、彼がゲイで、ずっと悩みながら生きてきたことも無関係ではないだろう、と、(この三大著書を読んできたことで)同情すら沸いてきた。

その、緻密な調査、裏付けを持って、怒りと愛が入り交じったような筆先で綴られる文章は、
なにもオブラートに包まず、様々なハンディキャップにも配慮せず、もちろん、体勢や権力にも忖度せず、ストレートにズバズバと物を言うのでとても魅力的だ。

そんな彼だから、ダボス会議(世界経済フォーラム)にも呼ばれるし、
イスラエルのネタニアフの晩餐会にも招待される。(が、晩餐会、得るものがあると思ったが全く期待はずれだった!とか、書いちゃう🤣)

たとえば。
わたしが彼の気持ちを翻訳すると、こんなかんじに聞こえる。

「フェイクニュース?はぁ?
だからなんなの。そもそもみなさん、どこの宗教か知らんが、一神教だとか、あり得ないこと信じてるよね。人間が書いた、真実かもわからない、誰も検証してない教典とか神話とかを、その国の社会の道徳、倫理観すべてに反映させちゃってるじゃんね。
情報って、必ず誰かがコントロールするために発するから、あったことだけを告げるニュースではなく、誰かの考え、感情が乗ったとたん、
それはどこからがフェイクニュースかなどと、誰が切り分け出きるんだ?」

とか。

「あまりにも複雑な世界の道徳的問題を理解しようと心から望んでも無理っす。
わたしたちの思考は納得を求めるから、答えのない複雑な状態そのままを受け止めきれない。だからシンプル化しようとする。
・局所的な問題で自分には、世界には関係ないとするか、
・胸に迫る人間ドラマとして映画のような物語にして受け止めるか、
・なんでもかんでも、時には天災すらも、一部の大富豪、秘密結社など支配層による陰謀論と決めつけるか
だけでしょ。
貴方だけが真実を知ったフリをしても、ほとんどの人は調べようともしないし、調べきれないし、心さえ納得できれば真実などどうでもいいという人ばかりなんだから。」

的な。

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そしてとにかく、時間がない!を、連呼する。

「問いに答えようとするのは、あまりにも野心的に思えるかもしれないが、(我々)ホモ・サピエンスは待っていられない。哲学も宗教も科学も、揃って時間切れになりつつある」

「哲学者というのは恐ろしく辛抱強いものだが、それに比べると技術力はずっと気が短く、投資家はいちばん性急だ。もしあなたが、生命を設計する力をどう使うべきかわからなかったとしても、答えを思い付くまで、市場の需要と供給の原理は1000年も待っていてはくれない」

「本書は、人々が好きなことを考え、望むどおりに表現することが、依然として比較的自由にできる時代にだけ書きえた点は、心に留めておいてほしい」

「あと数年あるいは数十年は、私たちはまだ選択の余地が残されている。努力をすれば、私たちは自分がほんとうは何者なのかを、依然としてじっくり吟味することができる。だが、この機会を活用したければ、今すぐそうするしかないのだ。」

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これほど多角的に科学的に分析したハラリ氏が行き着いた、解決策?打開策?はなんだと思いますか?

21章の、「瞑想」だ。
※しかし世界はそれをマインドフルネスといういかにもうすっぺらい、ヨガ体操みたいなノリで受け止めてしまった🤣ヒデー

彼はとても謙虚だ。

親友のロンから勧められた瞑想会を、
ニューエイジのわけよわからん活動だと思い、もうこれ以上あたらしい神話とか神のメソッドをきかされるのはまっぴら御免だ、と断ったが、ロンの一年に及ぶしつこい勧誘で10日間のヴィッパーサナ瞑想講習にいった、と書いてある🤣

そして、わたしはヴィッパーサナしか知らんので、ほかにどんな瞑想があるのかもさっぱり知らんけど、瞑想!ヤベェ!
と、言っている。

ぶっちゃけ、この瞑想をやってなければ、
「サピエンス全史」も「ホモ・デウス」もこれも書けてない、と、言っている。

この本のゴール設定はわたしは感動した。
わたしのぼんやり描いている答えにフィットしたからだ。

瞑想?なぜ?もっと具体的な答えをくれよぉ、という人は・・ちょっと焦ったほうがいいのかもしれない。

なぜなら、ハラリ氏も書いているが、
今後ますますAIなどが進化し、私たちは学んだり考えたり、判断さえする必要がない時代に突入する。
コロナ劇場がたったに年で当たり前の日常になったように、
わたしたちは、誰かがきめたルール、AIが決めたアルゴリズムに従い、委ねるようになる。

その方が楽だから。

なので、アルゴリズムが私たちにとって変わり、私たちの心を決めるようになる前に、
自分の心を理解しておく必要がある、わけだ。

「自己観察は昔から難しかったが、時間と共にさらに難しくなっているかもしれない。
歴史が展開するにつれ、人間は自分自身についてますます複雑な物語を創り出し、そのせいで、私たちが本当は何者かを知るのもますます困難になった。」

今後の未来はさらにそうなるだろう。
テクノロジーのコンバージョン(融合)により、
人によっては完全に理解を越えたものがどんどん誕生するから。
(シンギュラリティはそのまたぜんぜん先のはなし)

現在、いまのテクノロジーの進化に方向性を与えるような偉大な道徳や倫理観、信仰などが皆無だ。の
寄りどころのない、欲のままのテクノロジーの進化した未来には、気色悪さを感じている。
ハラリ氏もそこに警笛を鳴らしているように受け止めた。

瞑想の目的は、
「自己観察し自分を理解すること」だとわたしは思う。
それが「悟り」と同じものかは知らんけど。

で、経験則からいうと、
それは髪を剃り法衣を着て得度せずとも、
山にこもって磐座の上で千日修行せずとも、
毎日二時間瞑想もどき体操せずとも、

たとえばわたしなら、

登山中の記憶がない時間だったり、
ボルダリング中の無重力の瞬間だったり、
逆立ちして観る宇宙だったり、
畑仕事の間の無心だったり、

注意深くそれを感じてさえいれば、
誰にでもある日常生活の中で、
誰にでもアクセスできるものだとおもう。

※注:これを、名のある僧侶や精神世界の先生様に「違う。瞑想とはかくかくしかじか・・」と言われても、わたしはその否定を無視するだろう。貴方は貴方で頑張りなさい、わたしに構ってる暇があったら、とアドバイスしながら。

自分の中の「思考」と「感情」を、
「本当の自分」でじっくり観察せよ、
世界を変えるには、自分を変えることがまず必要だ、全ての人がそれをすれば、
あたらしい地球はすぐにでも実現する、
と説かれた、
哲学者エックハルト・トールの、
「A NEW EARTH」が今こそ時代に合ってるかもな。

目次と本の紹介、貼っときます。
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『サピエンス全史』で人類の「過去」を、
『ホモ・デウス』で人類の「未来」を描き、
世界に衝撃をあたえた新たなる知の巨人が、
第3作『21 Lessons』では、ついに人類の「現在」を問う――。

いま、何が起きているのか―?
そして、あなたはどう生きるか―?

いまを生きる現代人に贈る必読の21章
1 幻滅――先送りにされた「歴史の終わり」
2 雇用――あなたが大人になったときには、仕事がないかもしれない
3 自由――ビッグデータがあなたを見守っている
4 平等――データを制する者が未来を制する
5 コミュニティ――人間には身体がある
6 文明――世界にはたった一つの文明しかない
7 ナショナリズム――グローバルな問題はグローバルな答えを必要とする
8 宗教――今や神は国家に仕える
9 移民――文化にも良し悪しがあるかもしれない
10 テロ――パニックを起こすな
11 戦争――人間の愚かさをけっして過小評価してはならない
12 謙虚さ――あなたは世界の中心ではない
13 神――神の名をみだりに唱えてはならない
14 世俗主義――自らの陰の面を認めよ
15 無知――あなたは自分で思っているほど多くを知らない
16 正義――私たちの正義感は時代後れかもしれない
17 ポスト・トゥルース――いつまでも消えないフェイクニュースもある
18 SF――未来は映画で目にするものとは違う
19 教育――変化だけが唯一不変
20 意味――人生は物語ではない
21 瞑想――ひたすら観察せよ

「私は、ハラリさんが書いたものすべての大ファンであり、この最新作も例外ではない。」
──ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)

「物語によって作られてきた人間の生きる意味を繊細に問い直し、AIにハックされつつある人間の処方箋を大胆に描く。」
──山極壽一(京都大学総長)

「過去(サピエンス)の智者から未来(ホモ・デウス)の預言者になった若き巨匠は、今あるがままの現実世界の人類をどのように理解し行動するのか、その力強い指針を示唆してくれる。」
──本村凌二(東京大学名誉教授)

問題の一部であり続けるのではなく、解決の一部でありたいと思っています。