振動くんの独り言

設備の振動問題を解決する自称プロです。振動の事だけに限らず、長年培った技術や知識を投稿…

振動くんの独り言

設備の振動問題を解決する自称プロです。振動の事だけに限らず、長年培った技術や知識を投稿して行きたいと思っています。皆さまからのコメントをお待ちしております。

マガジン

  • 振動の基礎から応用まで

    振動についての基礎知識や現場での対策方法を増やそうと思っている方、振動の計測と解析をこれから始められる方、既に現場において振動の計測と解決策に取り組まれている方、その他振動全般の問題解決に対して興味を持たれている方のために現場で役立ちそうな記事をまとめて行きたいと思っています。

最近の記事

【振動】振動の測定方法について

皆さん、こんにちは。振動くんの独り言の投稿です。 振動測定を始められる方のために、測定前の一般的な注意事項をまとめてみましたので参考にして下さい。 回転する機器等は、その物体に触れる事で振動を感じることができますが、その振動がその物体にとって問題であるのか、問題でなのかの判断は殆どわかりません。そこで、計測器を用いて振動を測定し、振動値を定量して行きます。この時に使用されるのが振動計です。 振動値の良否はISO振動評価基準の投稿を参照して下さい。 1.振動を測る前に決め

    • 【規格】ISO振動評価基準

      ISOはInternational Organization for Standardizationの略で、国際標準化機構と呼ばれ、国際的な標準である国際規格を策定するための非政府組織の事です。 ISO規格、ISO 10816-3 : 2009に回転機械におけるコンディションの総合判定に使用する絶対判定値の記載があり、速度のrms値(速度の実効値)を総合判定に使用する様に記載がなされています。その概要を図1に示します。 振動シビアリティ回転機器の振動に対する耐久性(耐久指標

      有料
      100
      • 【解析】モーダル解析(事例2)

         皆さんこんにちは。振動くんの独り言の投稿です。 本日も前回に続きましてモーダル解析について記載したいと思います。 構造物の弱い部分を可視化させることができる(XYテーブルの事例) XYテーブルとは、平面上でX方向とY方向の2つの方向に移動し、任意の位置に目的物を運ぶ装置のことをいいます。例えば、プリント基板上に抵抗やコンデンサ、トランス、ダイオード等の部品をすばやく運び、マウントする際に使われるのがXYテーブルです。  この装置は、自分の位置を決めるためにレーザー等の位

        • 【解析】モーダル解析について

           皆さんこんにちは。振動くんの独り言の投稿です。 本日は、設備や機械などの異常状態を解析し、その内容を報告する際に添付されるビデオクリップ(Aviファイル)について記載したいと思います。 モーダル解析の例 まずは下の動画をご覧下さい。  動画は、ある設備内に設置された重要機器が、他の機器の振動の影響をうけて誤動作するという状況下で、誤動作を引き起こす振動源を特定するために行った解析事例です。  設備内では多くの機械が動いているため、特定するためには、広範囲で床と機械の振

        【振動】振動の測定方法について

        マガジン

        • 振動の基礎から応用まで
          5本
          ¥500

        記事

          【解析】転がり軸受けの診断法について

           皆さんこんにちは。振動くんの独り言の投稿です。 本日は、転がり軸受けの良否の判定方法について投稿したいと思います。  前回の投稿で、軸受けには大別して「転がり軸受」と「すべり軸受」の2種類があることをお知らせしています。詳細は以下を参照して下さい。  本日は、転がり軸受けの良否診断方法について記載したいと思います。 通常の教育課程では教えてもらえない事が盛りだくさん掲載されていますのでぜひ覗いてみて下さい。 1、ベアリングの劣化要因について 転がり軸受けには、ベアリン

          有料
          100

          【解析】転がり軸受けの診断法について

          【振動】便利な換算方法

           皆さんこんにちは。振動くんの独り言の投稿です。 本日は、振動の測定パラメータである加速度、速度、変位の変換方法について記載したいと思います。 振動は目に見えなくても、グラフ上で換算ができる 振動は一見、目に見えないので難しいと感じている方が多いようですが、実はそんなに難しく感じる必要はなく、1つの測定パラメータ(例えば「加速度」)とその周波数が解かっていれば、他の測定パラメータである「速度」と「変位」は計算で求めることが出来ます。 振動諸元換算表(トリパタイトグラフ)の

          有料
          100

          【振動】便利な換算方法

          【振動】振動を測る場所と測る方法(つづき)

           皆さんこんにちは。振動くんの独り言の投稿です。 以前に投稿しました【振動を測る場所と測る方法について】のつづきで、特に大規模な生産ラインで使用される機械の振動測定方法についてを投稿したいと思います。  【振動を測る場所と測る方法について】は以下を参照して下さい。 機械の状態監視方法には、オンライン、オフライン及び端子BOX方式等がある発電所や大きな工場においては、その機械の重要度に応じて、①オンラインによる状態監視、②オフラインによる状態監視および③端子BOXによる状態

          【振動】振動を測る場所と測る方法(つづき)

          【電気】日本の電気事情について

           皆さんこんにちは。振動くんの独り言の投稿です。 本日は日本の電気事情について記載したいと思います。 日本には2つの電源周波数がある 皆さんは既にご存知だと思いますが、日本には2つの電源周波数が存在しています。富士川より西側が60Hz、東側が50Hzになっています。 2つに分断された理由は、明治時代に導入された発電機の仕様に依存する 日本の電源周波数が大きく2つに分かれているのは、明治時代に発電所を建設する際に導入された発電機の電源仕様によるものです。西側の電力会社はアメ

          【電気】日本の電気事情について

          【振動】地震について

           皆さんこんにちは。振動くんの独り言の投稿です。 本日は地震について投稿していきたいと思います。  上の図は、過去世界で起きた地震の震央の図です。NASAのHPよりコピーさせて頂きました。地震の震央の分布にはっきりしたパターンがあるとのことです。 地震が起きるメカニズムについて 皆さんは地震がどの様なしくみで発生しているかはご存知と思いますが、学術的には「プレートテクトニクス」という理論で発生していると言われています。  この理論を簡単に説明すると、地球の表面は10数種

          【振動】地震について

          【解析】ウォーターフォールの説明

          皆さんこんにちは。振動くんの独り言の投稿です。 本日は、振動の解析方法の一つであるウォーターフォール(Waterfall)という解析方法を紹介したいと思います。 ウォーターフォールはカスケードとも呼ばれている  ウォーターフォールは「滝」という意味です。 なにが滝なのかピンとこないと思いますが、解析した結果の表示方法が滝の様に見えることからそう呼ばれています。 ウォーターフォール画像はこちら 上半分の画像が、「滝」や「カスケード」に似ているために呼ばれています。 ウォ

          【解析】ウォーターフォールの説明

          再生

          【振動】掃引試験時の掃引波形と応答波形

          ある機械(または製品)を作るとき、出来上がった機械がどの様な周波数で共振するのかを調べる試験が掃引試験です。共振点探査試験とも呼ばれています。この動画は過去に行った掃引試験で得られた試験体の共振波形を基に、共振が発生した箇所の周波数とその加速度レベル(変位レベルでも可)がどの様に変化して行くかを説明した動画です。参考になれば幸いです。

          【振動】掃引試験時の掃引波形と応答波形

          再生

          【休憩】電気と雷

           皆さんこんにちは。振動くんの独り言の投稿です。 本日は一休みして、雑学を投稿していきたいと思います。  最近は本当に雨が多いと思いませんか?  特に前線がぶつかり合う地方では「線状降水帯」と呼ばれる場所が発生していつまでも雨がやまない地域が出てきて、大きな被害が出ているところがあります。被害を受けられた方にはお悔やみを申し上げます。 雷といえば? さて、皆さんは「雷」といえば何を思い出しますか? 地震・雷・火事・親父・・怖いイメージの代表的なものですね。  ところが、

          【休憩】電気と雷

          【振動】固有振動数と共振周波数

          皆さんこんにちは。振動くんの独り言の投稿です。今日は固有振動数と共振周波数について記載して行きたいと思います。 固有振動数の意味 皆さんは固有振動数がどう言うものか既にお分かりかとは思いますが、簡単に説明しますと、その物体が持っている固有の振動数です。読んで字のごとくなのですが、具体的に説明して行きたいと思います。 物体には複数のモードがある 以前の投稿で、物体には複数のモード(振動モード)があるということを説明しました。  この中で一番振幅が大きくて、周波数が小さいも

          【振動】固有振動数と共振周波数

          【振動】データ取得と解析の流れ

           皆さんこんにちは。振動くんの独り言の投稿です。 今回は振動データの取得方法と解析の流れについて記載して行きます。後半は実機の高速ファンを用いた異常解析手順を動画付きで説明していますが、一部情報は有料となりますのでご了承の程お願い致します。 1. 振動データの取得と振動評価手順について まず大まかな流れをフローにしてみましたので参考にして下さい。 1.1 データの取得について 振動データを取得する前に準備するものとして、測る対象機器の選定、振動の種類(速度、変位、加速度等

          有料
          200

          【振動】データ取得と解析の流れ

          【振動】振動を測る場所と測る方法

           皆さんこんにちは。振動くんの独り言の投稿です。 本日はタイトルに記載しました、振動を測る場所と測る方法について投稿して行きたいと思います。 少し長くなるかも知れませんがお付合い下さい。 振動を測る場所はどこでもいいの? さて、皆さんが振動を測る場合、どこを測ればよいのか迷われる事があると思います。何処でも良いと思われている方は間違いですので改めて下さいね。 振動を測る場所としては、一応決められている場所があります。 一体誰がどのように決めている 設備で使用されている機

          【振動】振動を測る場所と測る方法

          【振動】時間領域と周波数領域

           皆さんこんにちは。振動くんの独り言の投稿です。 本日は先日投稿した内容を基に標題の時間領域と周波数領域について記載していきたいと思います。  先日振動波形は自由に作れるということを投稿しました。その時に出力したテキストデータが以下になります。 テキストデータを表示用に変換 テキストデータを表示用に変換した画面が以下の画面です。 この画面で左側の画面の波形を時間領域の振動波形と呼びます。右側の画面の波形を周波数領域の波形と呼びます。 時間領域波形と周波数領域波形で解るこ

          【振動】時間領域と周波数領域