見出し画像

『ペットボトルの緑茶についてどう思う?』

こんにちは。名古屋で伊勢茶カフェの店長をしています、松本壮真です。

「13時までに毎日記事を投稿する」という課題を自分に課したわけですが、「13時まで」に固執するあまり雑になってしまっている気がしたので、いったん辞めてちゃんと記事を書く事に変更しました(『毎日』は継続します)。


さてさて今日は、「ペットボトルの緑茶」についてお話をしたいと思います。

お茶農家としてペットボトル緑茶があってよかった

僕は深緑茶房に入社する直近2年間は農業の学校に通っていました。入学前の面接で「お茶屋として、ペットボトルのお茶についてどう思う?」と聞かれた事があります。

その時に僕は、「ペットボトルのお茶がなかったら、もっと早くお茶業界は衰退していたと思う」と答えました。

色んな意見があるかと思いますが、ペットボトルのお茶が普及した事によって「お茶を飲む」という習慣が残ったのだと僕は思っています。


(今は違いますが)ペットボトル清涼飲料水の売上げランキングでは、茶系飲料(緑茶など)がずっと1位でした。他の先進国では、 軒並みミネラルウォーターが1位です。

それだけ、日本人の中に「お茶を飲む」という日常があったのだと思います。


品質の悪いものはティーバッグに?

長く長く、お茶屋さん(お茶農家・お茶の問屋さん)は「家に急須がある前提」で商品づくりをしてきました。つまり、茶葉で販売してきました。

『いやいや、ティーバッグがあるじゃないか』と思われるかもしれませんが、品質の良いお茶をティーバッグにする事は本当に稀で、ティーバッグには「お茶の木の枝の皮」や「製造過程で出る粉」などを使っていました。
※今でもその傾向は強いです

この事からも分かるように、茶葉以外の飲み方に非常に消極的だったのです。「品質の良いものは急須用/品質の悪いものはティーバッグ」という流れが主流のように思います。

「美味しいお茶を飲みたいけど家に急須はない」というお客さんには不親切だったかもしれないです。

今は昔と違って、美味しい飲み物がたくさんあります。そんな中で選んでもらうためには、飲み方も変えていく(新しい提案をしていく)必要があったように思います。


ペットボトル便利ですよね

そしてペットボトル。
めちゃくちゃ手軽です。蓋を開ければ飲めます。急須も要らないし、お湯も水も要らないし、洗い物も要らない。何よりコンビニで変えます。

ペットボトルの緑茶が出た当時は、お茶業界激震でした(たぶん)。

最近は味のクオリティーも上がってきました。
そりゃペットボトルを飲もうと思います。
僕も全然飲みます。入社してからはお店にいる時間が長いので、お店のお茶で水出しにする事が多くなってペットボトルのお茶を買わなくなりましたが、入社する前は何か飲み物を買う時はお茶か水でした。

余談ですが、「20年前に比べて、ペットボトル1本に必要な茶葉は1/20になった」という話を聞いた事があります。抽出技術が上がったんですね。
大企業だからとかそういう話ではなく、日々進化し続けるという姿勢は見習わないといけないと思います。


ペットボトル緑茶があったから残った習慣

僕は緑茶のペットボトルはアリ派です。むしろ「緑茶のペットボトルありがとう」と思っています。ペットボトルが無かったら、「ご飯の時はコーラかフルーツジュース」「おにぎりに合うのは紅茶」となっていたかもしれません(結構リアルに)。
※「おにぎり公式飲料は紅茶」みたいなCMも一時期ありましたね。ちなみに全然紅茶もおにぎりに合うと思います笑

習慣として「緑茶を飲む」というのが残ったのは、ペットボトルの功績が大きいと思っています。
お茶業界としてサボっていた「時代に合わせる」というのを、ペットボトルが担ってくれました。

飲み方や急須のデザイン(洋室に合わせづらい)、美味しいティーバッグ開発への消極さなどなど……怠ってきた課題は多いです。


最後に

何年か前から、日本茶が改めてフォーカスされる事が増えました。デザイナーさんが日本茶カフェを開いたり、全く違う分野からのお茶への参入が増えました。これも本当にありがたい事だと思っています。

何かと排他的に(「こんなの本当のお茶じゃない」的に)批判する人もいますが、僕はこういう方たちと切磋琢磨してきたいなぁと思っています。常に何かに挑戦する姿勢は美しく、新しいものを生み出そうとする意欲は素敵だなと思います。
深緑茶房は深緑茶房で、お茶農家として出来る事をやっていきたいと思っています。

ちなみに僕はペットボトル緑茶は『生茶』派です。一時期『生茶』が香料を使っていた事があってそれは美味しくなかったですが、今のは美味しいと思います。ステマでも何でもないです、「お茶屋さんはどのペットボトルを飲むんですか?」とたまに聞かれる事があるので笑
ちなみに、弊社会長は「お〜いお茶」派のようです。笑

それではここまでにします。
また明日。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?