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死ぬことばかり考えてしまうのはきっと生きることに真面目すぎるから


それもまた、彼女の人生。


わたしには、それを選択しろとも、選択するな、とも言えない。


言えるとしたら、それは自分が思う以上にハードルが高いから、すんなり人生を進みたかったら、出来れば選択しない方がいいよ、という事と、自分の能力を過信しない方がいい、ということ。



どうも、娘は履き違えている。

何を履き違えているか、というと、自分の感情はコントロールできるが、他人のそれはコントロール不能だよ、ということ。

他人をコントロールする前に、気に入らないことがあると不機嫌になり、家族に当たるという癖に気付いて、直した方がいいよ、と言いたいのである。


彼女、というのはわたしの二十代の娘のこと。ビューティの専門学校に通いながら、会社に行っていた時、同じ会社に勤務する先輩に恋をして、速攻一緒に暮らして、速攻子供を作り、速攻結婚した。


何をそんなに急ぐのかわたしには理解出来なかったけれども、わたしが夫と激しくやり合っている中育って来たので

寂しい思いをして来たんだろうと思う。だから、唐突に子供ができて結婚すると言われても、別に動じなかったし、好きにしなさい。と言った。

今は、お互い夢中になっているけど、夢から覚めて、現実に気づき、もっと考えてから結婚すれば良かったと後悔する日が必ず来ると言うのは、経験則上、分かりきっていた。

それでも、失敗してみたいということなのだろうから、失敗するのを見越して結婚に承諾したわけである。


子供が生まれ、子育てに必死になっていた数年間は、離婚の気配はなかった。


しかし、昨今のコロナ禍で、娘がはからずしも会社で感染者と濃厚接触して、陽性反応が出て、入院した頃から、不満の種が爆破したらしい。

旦那さんが、自分が退院して家に帰って来ても何もしてくれない。自分のことを心配してくれない。自分に愛情表現してくれなくなった。


それが理由で離婚したいと言う。

「お金を貯めて離婚するの」と言うので、

「そうなんですか。それもいいでしょう。いっそのこと、2人の子供達は、旦那さんに全部親権預けて、真っさらな独身になってから、改めて恋愛してみてはどうですかね?」


過激な提案。

「そんなことできるわけない。子供はわたしが育てるよ」と反論。

「そうじゃないんだよ。そう言うことがいいたいわけじゃないの。離婚するのって結婚するよりも、 ハードル高いし、無益な努力してるような気になるし、あまりいいとは言えないから、そのくらいの覚悟が出来ているなら、いいんじゃないの?という例え話をしたわけよ」

ちょっと試してみて、躊躇ったようなので、これは本気じゃないなと感じたわたし。

「人間なんて、気が変わる生き物だから、今は離婚したいくらい相手が嫌いという感情だけ、受け止めておくね。

自分の人生は自分で作るものだから、自分の好きなようにしたらいいよ。その前に気分転換してみたら、またいい解決方法が見つかるんじゃない?」

そう言って、わたしは一時撤退することにした。


他人の気分に振り回されないスキルをわたしもちょっとは学んだらしい。

全ては繋がっている。わたしはわたしの魂の成長をしながら、娘をじっくり見守ろう。

きっと、歳を重ねるってそう言うことなんだな、と感じる昨今である。




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