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かにあり

かにあり

ドッテテドッテテ、ドッテテド
獲物を担いだ男たち
ドッテテドッテテ、ドッテテド
行進しながら帰ってく

霧がぽしゃぽしゃ降る朝に出かけ
彗星がギーギーフーギーギーフー流れる夜に村に着く

月の明かりは、ツンツンツン
星の光の、ピッカリコ
青くぺかぺか光ったり消えたり

グララアガア、グララアガア
足を踏み鳴らす
地面の底から何かのんのんわくような響き
先頭の男が鈴をがらんがらんがらんがらんと振る

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ハロウィンの夜のMONSTER

令和X年 10月31日23:30。
いつもより人の多いスクランブル交差点を抜け警察と訳のわからない格好で奇声をあげる若者を横目に道玄坂を登って行く。待ち合わせの時間は特にないが、すでに仲間達が集まっているであろう店を人混みを抜けながら目指す。
わざわざこんな日に集まるなんて大学生とは面倒臭い。時間とお金を浪費して今を楽しむのもそろそろ終わりにしないといけないし、今日が最後だと自分に言い聞かせてみる

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『井の中の蛙』の後に続く言葉は何でしょうか?

『井の中の蛙』の後に続く言葉は何でしょうか?

『トッピングカップル』の新しい話

「さて、問題です!」
「またいきなり問題かよ?」
「『井の中の蛙』の後に続く言葉は何でしょうか?」
「あぁ、それかよ」
「わかった!?」
「そんなんわかるし!」
「それ嘘! 普通わかんないよ!」
「オレはわかるし!」
「何でわかるの?」
「おめぇの考えてることぐれぇ手に取るようにわかるってこと!」
「うそ~!」
「まずおめぇは今、オレが何もわかってないと思ってる

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これは誰も知らないこと

これは誰も知らないこと

人間たちはそれを作った。
どんどん気温が上がり生物が住むには耐えられない環境になったから。
定期的に日陰を作る人口の天体を。
それを宇宙に。

そして、皮肉なことに人間はそれが完成する前に滅んだ。
それは少しずつ少しずつ地球の周りを回りながら離れていく。
ゆっくりゆっくりと。

どれぐらいの時が過ぎたかはわからないが、再び人間が生まれ繁栄した。
空を廻るそれに神秘を感じ、たくさんの逸話を作った。

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トッピングカップル527-2

トッピングカップル527-2

「公ちゃん。ZARDの桜井さんが死んで13年だってね〜」
「あぁ、坂井さんな」
「え、桜井さんでしょ?」
「それはミスチルとかスピッツだろ!」
「あ、それそれ〜!」
「まぁ似てるけどな」

「あの曲いいよね!」
「どれだよ?」
「『勝ちなさい』ってやつ」
「『負けないで』な」
「あれ〜、ないな?」
「何がないんだよ?」
「アポーミュージックにZARDがないの〜!」
「んなわけねぇし!」
「ないの!

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トッピングカップル31

「平成終わっちゃうね。公ちゃん」
「あぁ、終わっちまうな。沙羅魅」
「今日何日?」
「30日」
「4月も早いね~」
「ってか、2019年が早ぇし!」
「そういえば、昨日が平成最後の日って言ってた人がいたよ~」
「いたな!」
「で、今日まだ平成だよね?」
「あたりめぇだろ」
「そうだよね! 平成は永久に不滅だもんね!」
「いやいや、不滅ではねぇし」
「そっか~」
「盛者必衰

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トッピングカップル 2019.4

トッピングカップル 2019.4

「あとちょっとで平成終わっちゃうね〜」
「そうだな〜」
「次何時代になるんだっけ〜?」
「そりゃ令和だろ」
「それそれ、れいわれいわ〜」
「おめぇちゃんとTwitterぐらいチャックしとけよな」
「うん。でさ、天皇死んじゃうんだね〜」
「いやいや、死なねぇし! おめぇいきなし不謹慎だな!」
「え! だって死んだら次の人になるんでしょ?」
「ちげぇし! 大きい声で変なこと言うなよな! みんなこっち見

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トッピングカップル727

「沙羅魅知ってるか?」
「知らな〜い!」
「だよな! スイカって普通種取って食うじゃん」
「うん。普通はね!」
「でもな、欧米では種取んねぇで食うらしいぜ!」
「へぇ、そうなんだ〜」
「それに種食うと盲腸になるって迷信らしいしぜ!」
「へぇ〜」
「おめぇ驚かねぇのか?」
「え、なんで? 沙羅魅前から種ごと食べてるでしょ?」
「おっ! 言われてみればそうだったな!」
「もう〜、公ちゃんだけに節穴ぁ〜

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トッピングカップル666666

「ねぇ公ちゃん!」
「なんだよ急に! 久しぶり過ぎてビックリしたじゃねぇかよ!」
「この前観たあの映画なんだっけ?」
「はぁ? どれだよ?」
「だからあれ!」
「だからあれってどれ!」
「だから! それがわからないから聞いてるの!」
「いやいや、こっちもそれがわかんねぇから聞いてんの!」
「なにそれ! 逆ギレめんど!」
「おめぇこそわけわかんねぇから面倒だし!」
「わかった! 公ちゃんとはもう口聞

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トッピングカップル10

トッピングカップル10

「え、ポリフェノールって石油からできてるの?」
「そうだぜ。ポリってつくのは全部石油だぜ」
「えっ、ポリ袋、ポリバケツ。本当だ!」
「ポリエステル、ポリカーボネートとかもな」
「すごい公ちゃん。さすが理系だね!」
「あとはポリプロピレン、ポリビニルピロリドンな」
「すご~い。そんなのもあるんだね。沙羅魅はもうそういうのが本当にあるのかないのかすらわかんないよ!」
「で、他におめぇポリでなんか思いつ

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トッピングカップル468-8588

「新幹線速いね〜」
「速ぇな〜」
「ほら公ちゃん、窓の外見てよ!」
「いやいや、見ても真っ暗じゃん」
「もう〜。さっきまで田んぼだったのに〜」
「トンネルはしょうがねぇだろ」

「てか、沙羅魅のウィザフォ圏外なんだけど〜」
「は? 繋がってるし」
「え〜、沙羅魅のウィーフィー繋がんないよ!」
「ワイファイな」
「なんで繋がんないの?」
「なんでって少し頭使えばわかるだろ」
「あ、トンネルだからか!

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トッピングカップル 電子書籍版リリースされました♪

トッピングカップル 電子書籍版リリースされました♪

みなさん。こんばんは。ゴールデンウィークいかがお過ごしですか?
今日はついに『トッピングカップル』の電子書籍版がリリースされたので、そのお知らせです♪

『トッピングカップル』紙の本との違い
電子書籍版の『トッピングカップル』は紙の本よりお安い税込767円となっております。
そして、ページ数というものがあるようでない関係で、あとがきのある文章がまったく違う一文になっています!

あと、本文にも少し

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トッピングカップル す

「ねぇ、公ちゃん。すうどんってお酢の味しないんだね~」
「は? 当たりめぇだろ。それっだったら名前『お酢うどん』だろ」
「え、じゃあ、すうどんってなんなわけ?」
「は? おめぇ見てわかんないのかよ?」
「え、見たらうどんだってわかるぐらいだけど?」
「マジかよおめぇ素人かよ。『すうどん』は『素うどん』つまり具が入ってねぇありのままの姿ってことだよ」
「え~、うそ~! これ店員さんがつまみ食いして具

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トッピングカップル110

「あれ~? おかしいな~?」
「ん、どうしたんだ?」
「おみそ汁が出てこないの」
「は?」
「ヤフーで『みそしる』の画像検索したら女の子しか出てこないの!」
「は? マルコメくんじゃなくて?」
「うん。ミランダカーですらないの!」
「そんならググればいいじゃん」
「え」
「Googleで調べねぇからいけねぇんじゃね?」
「そうなのかな~?」

「あれ~? おかしいな~?」
「ん、どうしたんだ?」

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