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人生は、「そのうちなんとかなるだろう」

Ken Sugiharaさんのnoteから、内田樹さんの「そのうちなんとかなるだろう」という本に導かれました。このタイトルの「ゆるさ」が「行き当たり場当たり」な私自身の生き方を肯定してくれるような気がしたからです。

著書はこちら:内田樹「そのうちなんとかなるだろう」株式会社マガジンハウス2019

内田樹氏はフランス文学者かつ武道家。この本は自叙伝です。東京出身の方ですが、現在は関西在住、しかも私と同じ阪神間にお住まいとか。ぐっと親近感を覚え、著書を読み始めました。

その中で「武運」について書かれていることに釘付けになりました。私自身は武道の経験がありませんが、本質的に「武運」のようなものに恵まれてきたようです。そして、そういうことが私にとって、とても自然な考え方だったと認識しました。

「武運」に恵まれるように「武道」の修行に励む。

「武運」とは何か。辞書では「戦いの勝ち負けの運命、また、武士・軍人の運命」という意味とありますが、そういうことではないようです。

まず、「武道」について。

「いるべきときに、いるべきところにいて、なすべきことをなす」ということが武道の目指すところです。でも、それは自分の「いるべきとき」「いるべきところ」「なすべきこと」は何だろうときょろきょろすることではありません。そこが難しい。それは自分で選ぶものではないからです。流れに任せて、ご縁をたどって生きていたら、気がついたら「いるべきところ」にいて、適切な機会に過たず(あやまたず)「なすべきこと」を果たしている。そういうことに、事後的に気がつく。内田樹. そのうちなんとかなるだろう 株式会社マガジンハウス 2019 238p 以下引用は同書より。)

なるほど、「稽古を積み、強い精神力と肉体を併せ持つ人になる」というようなことを目指すのでもないということか。私は、根本的に理解を誤っていたようです。

武運とは…

そして「必要なものは、探さなくても目の前にある。」と続きます。

喩えて言えば、大きな川に出て、さてどうやって渡ろうかなと思案していると、そこに渡し船が通りかかって、船頭さんが「乗らんかね」と声をかけてくれる。そして、川を渡り終わると、船はすっと消えてゆく。そういうことが人生の節目節目で連続して起こる。それが「武運」というものであって、それに恵まれるようになるために武道の修行をするのだ、と多田先生に教わりました。

さらに、武運の「勘所(かんどころ)」、大切なことについてのご自身の考え方を以下のように仰っています。

修行を積むと、「今、ここでだと、私だけができること、他ならぬ私が最もそれに適した仕事がある」ということがわかるようになる。その時に、ふっとそれが「自分が前からずっとしたいと願っていたこと」のように思えてくる。ここが武運の勘所です。(中略)僕たちが「天職」に出会うときのきっかけって、大体そういう感じなんじゃないかと思います。」

なるほど。だから「そのうちなんとかなるだろう」と内田先生はおっしゃるのか。武道に精進されているからこそ、事は「成す」のではなく、「成る」ということを知っておられるのだな、と思いました

これからも「行き当たり場当たり」で「そのうちなんとかなるだろう」な人生を・・・

自分のことを振り返ると、

◆どうしても行きたい大学だが、受験の合格は一か八か。担任に相談したら指定校推薦があると告げられ、中途半端な校内成績が功を奏して小論文だけで入学できた(私より良い成績の応募者は、その学力で行ける偏差値の高い大学の受験を促された)。

とか、

◆20代、恋人はできても「お嫁さん」候補にしてもらえず出会いと別れを繰り返していた。かと言って求められる「夫を支える妻」として生きていくことは選べず。30歳を過ぎて「独りでいいから自分の人生を生きよう!」と腹を括った途端、夫というパートナーに出会うやいなや同居生活が始まり、結婚に至った。

とか、

◆50歳を過ぎ、あれこれ理想を描いていたら、なかなか転職(無職でぶらぶらしていたので「復職」が適当か)を決められず。ハローワークで失業保険の認定最終回を迎えた時、個別相談窓口に出頭を命じられ、やむなく座ったその席で、願ったり叶ったりの条件の就職先を提示され、あっという間に採用された。

とか。

これらはほんの数例です。私は、目標や計画を立てて、努力して成功した事より、望んだことが不思議と上手くいった経験の方が圧倒的に多いのです。ですから、「私って、強運の持ち主では?」と思っていました。でも、実は、これこそが人生の摂理なのではないでしょうか

この本でさらにその確信を強めたワタクシ、これからも「行き当たり場当たり」な人生を送り続けることになるでしょう・・・。




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