三百九十七話 テストプレイヤー

「ごきげんよう」「神のご加護を…」

朝の清冽な空気の中、女子生徒の挨拶がこだまする…。

学校の校門をくぐると、そこは身も心も清らかな乙女の園…。

そう、ここは神田ミカエル女学院…。

中庭の大天使ミカエル像が、通う女子生徒たちを守護している…。

天界の大天使ミカエルは、ここに通う女子生徒たちを見て何を思うか…?

その御心は、まさに神のみぞ知るということなのだろう…。

ここに三年間通えば、お淑やかなお嬢様になって卒業できるという…。

制服は翻さないように、静かに歩き…。

清廉潔白で文部両道、それでいて純粋無垢な心を持った乙女たち…。

この学院には、そういった生徒しか存在しないのです…。

否、今日から新たに校門をくぐった、たった一人の生徒を除いて。

『小悪魔の休憩所』と言うお店で…。

二日間、バイトしていた私…。

そのお店は女の子がゴロゴロして…。

ミニスカートとかを穿いていて…。

スカートから下着が見えちゃったりして。

太ももとかもあらわになったりして。

薄手のシャツを着たら…。

透けて見えたりして。

そんな様子をじっくり眺めてる…。

女の子大好きな女性のお客様が…。

お金を支払ってもらうという…。

画期的な?レズのお姉様向けのお店だ。

私は働いている側なので…。

座って寛いでいるだけでお金がもらえる。

日給一万円以上ももらえる…。

とても夢のようなパラダイスなバイトだった。

マダムKという謎の女性の斡旋で…。

見つけたバイトであったが…。

働いているときに隣にいた…。

眠子さんという女の子と…。

お知り合いになった私…。

眠子さんは名前の通り…。

いつも眠そうで…。

私の膝枕でごろごろしてしまう。

髪の毛は茶色い癖っ毛で…。

もこもこもふもふしていて…。

思わず髪を撫でてしまう私…。

肌も真っ白で綺麗で…。

マショマロか雪見なお菓子のような…

触感がして。いけないと思ったが…。

色々なところを撫で回してしまうのであった。

そんな感じで2日間…。

バイトをしていたわけだけれど…。

バイトが終わったあとに…。

眠子さんのお家に誘われた…。

週末だしお泊まりしてほしいという。

私は迷ったけれど…。

眠子さんのお母さん…。

マダムKこと、真門圭子さんにも。

ぜひ泊まっていってと言われたので。

泊まることにしたのである…。

真門圭子さんと眠子さんは…。

親子だったのだ…。

眠子さんの家で…。

シチューをご馳走になっているときに。

真門圭子さんは七つの大罪の…。

強欲の魔王、マモン様だということを。

打ち明けられた…。

私はびっくりしてしまうのだけれど…。

そのあと、眠子さんとお風呂に入っていたら。

眠子さんも怠惰の魔王ベルフェゴールだと…。

正体を明かしたのであった…。

1日で2人の大魔王に会ってしまうとは…。

私もびっくり仰天なんだけれど…。

眠子さんは私のことを気に入ってくれて?

眠子さんのモノになってくれと言われる…。

私はモノじゃないし、困ってしまうのであった。

眠子さんは私が所有物にならないと…。

魔王のカードをくれないと言う…。

七つの大罪の魔王と絆を紡ぐと…。

キラキラな七色の魔王カードがゲットできるのだ。

私は七つの大罪の魔王と…。

契約をし直すためにここ魔都東京に来たのだ。

できれば魔王のカードは欲しい…。

でも、このまま眠子さんのモノになってしまっても?

いいのだろうか…?

そんな疑問が私の心に浮かんでくる…。

私は眠子さんに、貴方のモノにはなれない…。

そうストレートに伝えるのであった…。

眠子さんはそれでも私を抱きしめて…。

眠子のモノになれば毎日…。

こうしていいことしてあげる…。

そのまま流されてしまいそうになうけれど。

眠子さんがおじさんみたいなことを言うので。

笑ってしまってどうにかなるのであった…。

そんなイチャコラしていたおかげで…?

魔王のカードも無事ゲットできた…!

そのあと、私と眠子さんは…。

身体の色んなところを洗いっこして。

お風呂を出るのであった…。

お風呂を出たあと、マモン様が待ってて。

私たちのあとにお風呂に入るようだった。

私たちはルームウェアに着替えたあと…。

眠子さんの部屋に向かった…。

眠子さんはさっきのことなど忘れた様子で。

もうすでに眠そうな顔をしている…。

モコモコルームウェアを着ている眠子さん。

上着はファスナーになっていて…。

ファスナーはだいぶ開け放たれていて…。

眠子さんのたわわなお胸の谷間が見えている。

そんな姿でベッドでゴロゴロしている…。

私はじっくりそんな様子を見てしまうのであった。

「ねぇ?乃亜ちゃんアキバの看板見た?」

私の視線に気づいてない?眠子さん…。

聞かれた通り、アキバの看板は見た…。

今流行りのVRゲームの看板がいっぱいあったのだ。

「あの看板のゲームの原作、眠子書いたんだ〜」

眠子さんはそんなすごいことをさらりと言う…。

「ネット小説書いたら賞取っちゃって…」

眠子さんはイタズラしたみたいに…。

舌をチロリと出して、こちらを見つめてきた。

眠子さんの話によると…。

ネット小説で賞を取って…。

そのあと、漫画化とアニメ化もされて…。

それでゲーム化までされたという…。

眠子さんってすごい人なんだ…。

アニメとかゲームの原作者って…。

初めて会った…。

「それで今度ゲームの大型アップデートがあって」

眠子さんは上半身だけ起き上がって…。

私の方をじっと見つめてくる…。

「そのテストプレイヤーを探してるんだけど〜」

なんでそんなことを言って、私を見てくるの?

「乃亜ちゃんにお願いできないかな〜って?」

え?え?なんで私!?

ゲームなんてあんまりやったことないよ!?

それに脳内チップの手術してないと…。

最新VRゲームってできないのでは…!?

「それは大丈夫!今度のアプデでチップいらなくなった」

眠子さんには私の考えがわかってしまうらしい…。

「お給料もうちの倍払うから〜お願い!」

倍ってことは日給二万円以上ってこと!?

私の心はすぐに揺らいでしまうのだ…。

眠子さんが言うには…。

あんまりゲームをしたことない人の意見も…。

必要というか欲しいとゲーム会社の人に…。

言われたらしいのだ…。

特に、現役女子高生とか若い人で…。

ほとんどゲームしたことない人の…。

プレイ状況とか意見が欲しいんだって…。

若い人でゲームしない人って滅多にいないので。

探すのを苦労していた模様…。

本当に私みたいな初心者でもいいのかな?

脳内チップの手術がいらないなら安心だし。

ちょっとぐらいならやってもいいかな…?

そう思い始める私なのであった…。

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