見出し画像

アドラー心理学について学ぼう - ④自由とは何か

さあ、木曜日だ。
木曜日は「アドラー心理学」について書く日だ。
先週は「なぜ人間関係がうまくいかないのか」という記事を書いたが、今日はちょっと耳の痛い話を書く。アドラー心理学は基本的に多くの人にとって耳の痛い心理学なのだ。


不自由な生き方

人は誰もが自分自身の人生を生きている。
自分の人生を他人に代わってもらうことはできないし、ましてや誰か他人に代わってその人の人生を歩むこともできない。他人の視線を気にして、他人の期待を満たすことを中心に考えてしまうと、自分に嘘をつきながら生きていくことになる。

承認欲求に振り回される人

人は誰もが承認欲求を持っている。
承認欲求とは、他者から認められたい、尊敬されたいという欲求のことを指す。

たとえば、SNSでフォロワーの多い人は尊敬され「いいね!」がたくさん付く。それによって承認欲求が満たされるが、一方でフォロワーが少ないことで悩む人も多い。

いろんな人がいろんなことを言う。
「毎日コンテンツをアップするのだ」
「バズるにはHARMのコンテンツだ」
「1分以上の動画にしろ」
「サムネイルが命だ」
「最初の2秒で惹き付けろ」

それは、直接会ったこともない「誰か」に気に入られようとしていることだ。もっと言うと、SNSの裏で動いているアルゴリズムに気に入られようとしているとも言える。

会社の中で出世したい人もいる。
これもまた承認欲求だ。会社の中で認められたいもんね。

上司はこう言うだろう。
「ランクアップするために、こういう資格を取った方がいい」
「社内人脈を作るために、積極的にイベントに参加しよう」
「君のスキルアップのために、この仕事を引き受けて欲しいんだ」

果たして、それは自分のやりたいことだろうか?
メンタルをやられる人の多くが、この部分に振り回されている。

課題を分離すること

承認欲求を満たそうとすると不自由を強いられることになる。
誰かの顔色を窺って、誰かの期待を満たすように生きること、それは自分に嘘をつき、周囲の人にも嘘をつき続ける生き方だ。人は本来もっと自由に生きるべきなのだ。

アドラー心理学では、目の前に「課題」があったとき「それは誰の課題なのか」という観点で考えを進めていく。誰の課題なのか=結果を引き受けるのは誰か?ということだ。

例えば、先に出した例でいうと、
SNSでコンテンツを毎日アップするかどうかは本人の自由であり、自分がそうしたいのであればそうすればよく、アルゴリズムに気に入られるためにやるべきではないし、自分の発信したい内容で発信すればいいのだ。
また、まだ見たことのない世界を見たいという意欲から新しいポジションを模索するのはその人の自由だが、同期が出世していくのに置いていかれたくないという理由だけで、ランクアップのための資格を取るべきではない。

結果を引き受けるのは自分だ。
書きたくもないコンテンツを書くために悩んでストレスを抱えるのも、受けたくもない資格試験を受けるために疲弊するのも自分だ。自分がやりたいのであればやればいいが、そうでないならやらなければいい。そこに他人を介入させてはいけない。

自分が結果を負わなければならないものは「自分の課題」、自分が結果を負う必要がないものは「他人の課題」。それを明確にすることが「課題の分離」だ。

人間関係の課題

さて、お話は前回書いた「人間関係の課題」に戻る。
一旦、これを思い返しておいていただきたい。

人間関係の課題は、仕事関係→交友関係→愛情関係と、関係性が深くなるに連れて影響度が大きくなる。そして、これらの人間関係の課題も、自分の課題なのか、他人の課題なのかを分離させて考えなければならない。

自由とは何なのか

自由とは組織やコミュニティから独立することではない。
「②人生は他人との競争ではない」の回でも書いたが、人間は他人から切り離された状態で生きることはできない。

では「自由」とは何だろう…

自由とは、自分の生き方を貫くことだ。
そのためには、目の前にある課題が「誰の課題なのか」を明確にし、「自分の課題(自分が結果を負わなければならないもの)」だけを選び取って、「他人の課題(自分が結果を負う必要がないもの)」は切り捨てなければならない。

そこに、他人からの評価を持ち込んではいけないのだ。
他人から承認されない(かもしれない)ことを、必要以上に恐れてはいけないのだ。


次回は、自分と他人の立場を入れ替えて考えてみたいと思う。
気になる方は、来週もお読みいただけるとありがたい。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最後まで読んでくださってありがとうございます。

これまで書いた記事をサイトマップに一覧にしています。
ぜひ、ご覧ください。
<<科学的に考える人>>


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?