孫子の兵法について学ぼう - 始計篇
さあ、水曜日だ。
水曜日は「孫子の兵法」について書いていく。
…少し書き進めてみて思ったが、このシリーズはかなりボクの思考のバイアスがかかったことを書きそうな気がしている。ご専門の方から見ると「オマエなに言ってんの?」という内容になるかもしれないが、温かい目で読んでいただけると幸いだ。
前回は、孫子とはどんな書物なのかということを書いた。
孫子は全13編で構成されているのだが、それを順番に紐解いていくのが、体系立てて理解を進めるのに良いと思っている。では、行ってみよう。
1. 始計篇 - どのように勝算を割り出すか
「兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道なり。察せざるべからず。」
- 戦争は国の重大事であり、国民の生死や国家の存亡がかかっている。なので慎重に対処しなければならない。
冒頭からナンだが。
ここで孫武が言っていることは「自分からケンカを売るヤツにロクなヤツはいない」ということだと思っている。争いが大きくなればなるほどコストがかかるし、チームメンバーの間に不安が広がる。現代風に言うなら「後先考えずに勝負に打って出るようなことをすんな」ということになろうか。
勝てる戦いの5つの条件
孫武はこう続けている。
「一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法。」
- 勝てる戦いは、道、天、地、将、法が揃っているときだけだ。
現代風に変換するならば、道、天、地、将、法、はそれぞれ以下のように定義することができるだろう。
道: 大義名分、ビジョン、目的、など
天: 大義を達成するために使うことができる時間
地: 大義を達成するために超えなければならないハードルの理解
将: リーダーが持ち合わせている技量や知識
法: チーム編成や職責分担とそれに合わせたルール
リーダーの5つの資質
そして、孫武は「将」(リーダー)が持っていなければならない5つの条件を定義している。
「将とは、智、信、仁、勇、厳なり。」
- 将は、智、信、仁、勇、厳の5つの資質を有していなければならない。
同じく、こちらも現代風に変換してみよう。
智: 勝算の有無を判断できること
信: 約束を守ること
仁: 思いやりがあること
勇: 決断力があること
厳: 行動を律することができること
ここまでは割と普遍的なことが書いてある印象だが、一度襟を正してみよう。今の日本に、道、天、地、将、法、智、信、仁、勇、厳の全てが揃っている中小の会社がどのくらいあるだろうか。
弱者の戦略
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