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【連載小説】上京日記#5

2週間のアメリカ留学も終盤に差し掛かっていた。
これまでの思い出が走馬灯のように次々と思い出される。

引っ込み思案な自分を変えたかった。
海外行ったら変わるかな。なんて思ったけど、
環境じゃなくて自分に原因があったんだな。

ルームメイトとは、寝食を共にして夜通し語り合った。
短い期間にもかかわらず、心を開けている自分に気付いた。

帰りの成田空港。
トイレや廊下でぶつかりそうになったときに「sorry」がとっさに出て、
自分の英語力のアップに驚き。

高2の夏休みが終わり、新学期が始まる。

「夏休み何しましたか?」
体育館で一人一人発言の場があった。
私は今までとは見違えるくらい、スピーチができるようになっていた。
他の子よりも長く時間をとってしまい、周りとの温度差を感じた。

2週間のアメリカ留学という、夢の時間は終わり、
それからは、今までと同じように友人のバンドの追っかけしたり、バイトに明け暮れたり、マンガや映画を見漁ったり。


「今日この後空いてる!?」
「う、うん・・・」
「じゃあさ、みんなでカラオケ行こうよ!」

・・・なんて、東京の高校が舞台のマンガのワンシーン。

(ああ、いいなあ。楽しそう。)
東京への憧れがいっそう強くなった。





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