佐藤そら
2021.5/11スタート。『文字だけの君』の、その後のストーリー。 “鋤柄直樹(仮)“にいつか逢えると信じ、探し続ける中条かなえ。かなえは、寿司屋『おあいそ』に通い詰めていた。そこで出会ったのは…!?もう、ラーメン屋と寿司屋の往復が止まらない。見えない奇妙なラブ!?コメディ!
2020.9/11〜スタート。好きなのは顔?性格?一体、人は人の何を見て、その人を愛するのだろうか。愛されない。愛すことができない。毎週金曜日、中条かなえは、ラーメン屋『ことだま』へ向かった…
#文字だけの君 に登場する怪人エモーションの日常だ!人間の生態を調べる実験を繰り返し、今日も名もなき感情を知るのだ。2020.10/6から始めようじゃないか。人間からの需要がないだと?そんな言葉は受け付けないぞ!
2020.4/26〜9/7まで。ノンフィクション×フィクションな自己紹介物語。無職、無住居、大ピンチの南雲あかりは、片想いの相手に紹介されて『たまひらハイツ』へ!愛する人が隣の部屋に!?けども、そのアパートは引っ越し初日からとんでもなくって??住人達が、毎日その時の心情を語る、シナリオ語り編。
季節は冬を越え、春を迎えていた。 お見合いをしたのは、もう一年以上も前のことだ。 わたしは今、“一人暮らし”をしている。 妹のひとみは、結婚して家を出て行ったからだ。 昔ノートに書いた、わたしが『大人になったらやってみたいこと』。 “お酒を飲む”以外が、やっと叶ったとも言える。 “25歳までに結婚”は、もう一生叶わない。 婚活も、もうほったらかし。自由に生きることに決めたのだ。 分かったことがある。 一人は誰にも気を使わなくていいということだ。 わーー!一人暮らし最高!!
わたしはもっと、できる人間だと思っていた。 平均より上の人間だと自分のことを信じていたかった。 気付いた時には、わたしの人生は赤点だった。 社会人になって、分かったことがある。わたしは、使えない、ゴミ同然の人間だった……。 働き方改革、パワハラ、セクハラなどが取り上げられる近頃の社会の中で、わたし春日部梓は、いわゆる“ブラック企業”と呼ばれる某企業で日々をあがいていた。 そもそも、週5で働いた疲れが、2日で補えるはずがないというのに、サービス残業に休日出勤、明日休みなのかは
久々に更新しました。 『華の高校デビュー』
俺の名前は、蒲谷タケル。 常に“ドラマチックな人生”を生きている人間だと自負している。 限られた人間しか経験することができない、転校して来てクラスのみんなの前で自己紹介というドラマすぎる小学校生活も経験済みだ! しかし、どうやら俺はその“転校生”という肩書きを活かすことができず、小学校生活はあっけなく終わってしまった。 そして可もなく不可もなく、静かに中学校生活を終えた。 だが、俺には、起死回生の一手があった。 小学生の頃はその重要さに、さほど気付いていなかったが、俺には
日曜日、かなえは外にいた。 そして突然、雨が降り出した。 「えっ、雨!?今日そんな予報じゃなかったはずなのに!!」 あいにく傘を持っていなかった。 傘を買おうと、コンビニを探した。 ふと、後ろを誰かが駆けて行く気配を感じ、慌てて振り返った。 雨降る街中を、ずぶ濡れで駆けて行く男の後ろ姿がそこにはあった。 男はスーパーのビニール袋を頭上に広げ、小走りでどこかへと走って行く。 ビニールで隠れているため、顔や年齢は推測できなかった。 「鋤柄さん……」 かなえは慌てて、男の
金曜日、かなえは、あの店へと向かった。 しばらく歩いていると、一軒の店が見えてくる。 店の戸には、のれんがかけられており、そこには『おあいそ』とある。 奇妙な寿司屋は、今日も同じ場所に存在していた。 かなえは、店の戸を開けた。 数人の男性客が黙々と回転寿司を食べている。かなえに目を向ける者はおらず、店内は異様な空気が漂い静まり返っていた。 奥では店主らしき人物が寿司を握っている手が見える。 かなえは店内を見回したが、まだ小鯖の姿はなかった。 かなえは、あいているカウンター席
月曜日、オフィスに行くと桃華がうなだれていた。 「!?」 「あ、かなえ先輩。おはようございます。ちょっと、聞いてくださいよぉー」 「何?どうした?」 「わたし、あっさり振られました」 「振られた!?」 「はい。次、会う約束したって言ったじゃないですか、大河原さんと」 「うん」 「日曜日、大河原さんに会って言われたんです。鋤園さんを受け入れられないかもしれないって」 「!!」 「あの時は、鋤園さんに逢えた喜びで舞い上がってたけど、冷静になって考えたら、こんな
金曜日がやって来た。 かなえは、先週の鋤柄への問いの答えを知るために、あの店へと向かった。 しばらく歩いていると、一軒の店が見えてくる。 店の戸には、のれんがかけられており、そこには『おあいそ』とある。 奇妙な寿司屋は、今日も同じ場所に存在していた。 かなえは、店の戸を開けた。 数人の男性客が黙々と回転寿司を食べている。かなえに目を向ける者はおらず、店内は異様な空気が漂い静まり返っていた。 奥では店主らしき人物が寿司を握っている手が見える。 かなえは店内を見回したが、まだ小
カオス鋤園さん問題から、一夜明けたオフィス。 かなえは、桃華に聞きたいことがあり過ぎた。 「お疲れ様でーす」 「ちょっと、なんであんな大嘘ついたのよ!」 「えっ?何がですか?」 「いや、昨日の!!」 「あぁ、大河原さんのことですか?まぁ、タイプだったんで」 「はっ??」 「え、かなえ先輩って、別にあの人とはなんでもないんですよね?ただの知人なんですよね?」 「そ、そうだけど?」 「なら、関係なくないですか?」 「か、関係ない!?」 「それか、好きなんです
また火曜日は巡って来た。 かなえの足は、あの店に向いていた。 暗闇の中に、明かりがついた一軒の店が見えてくる。 店の戸には、のれんがかけられており、そこには『ことだま』とある。 奇妙なラーメン屋は、今日も同じ場所に存在していた。 かなえは、店の戸を開けた。 数人の男性客が黙々とラーメンを食べている。かなえに目を向ける者はおらず、店内は異様な空気が漂い静まり返っていた。 店内には一台のテレビがあり、テレビの横には一冊のノートとボールペンが置かれていた。 奥では店主らしき人物
金曜日がやって来た。完全に疲れた。 でも、あのノートを見ずにはいられない。 わたしは何故、こんなにも系列店を掛け持ちしているのか。 しばらく歩いていると、一軒の店が見えてくる。 店の戸には、のれんがかけられており、そこには『おあいそ』とある。 奇妙な寿司屋は、今日も同じ場所に存在していた。 かなえは、店の戸を開けた。 数人の男性客が黙々と回転寿司を食べている。かなえに目を向ける者はおらず、店内は異様な空気が漂い静まり返っていた。 奥では店主らしき人物が寿司を握っている手が
火曜日、仕事終わりのオフィス。 かなえのもとに、新入社員の塚本桃華がやって来た。 「かなえ先輩って、美味しいラーメン屋知ってますよね?」 「え!?」 「美智子先輩が言ってましたよ。かなえ先輩はラーメン女子って」 「あぁ……。それは、まぁ、主に去年のことで……」 「かなえ先輩は、ラーメン屋に通いすぎて婚期逃したって言ってました」 「逃したことになってるのね……。まぁ、そうかもしれないけど」 「わたしも、ラーメン好きなんですよ!」 「そうなんだ……」 「ってか、
まだ、『ことだま』での出来事が頭から離れないでいる。 しかし、今日わたしには行かないといけない場所がある。 金曜日の夜が来た。確かめなくては…… しばらく歩いていると、一軒の店が見えてくる。 店の戸には、のれんがかけられており、そこには『おあいそ』とある。 奇妙な寿司屋は、今日も同じ場所に存在していた。 かなえは、店の戸を開けた。 数人の男性客が黙々と回転寿司を食べている。かなえに目を向ける者はおらず、店内は異様な空気が漂い静まり返っていた。 奥では店主らしき人物が寿司を
火曜日がやって来た。 今日は、“文字だけの君”が来ると言った日だ。 わたしは会う気はない。 でももし、これが万が一、鋤柄さんだったらと思うと気が気でならない。 筆跡が違うから、そんなはずはない。 だけど、鋤柄さんもこの店に来ているかもしれないとなった以上、行く以外の選択肢はなかった。 それに、やはり“文字だけの君”が誰なのか見たいという気持ちも捨てきれなかった。 暗闇の中に、明かりがついた一軒の店が見えてくる。 店の戸には、のれんがかけられており、そこには『ことだま』とある
金曜日、かなえは、気になり過ぎてあの店へと向かっていた。 しばらく歩いていると、一軒の店が見えてくる。 店の戸には、のれんがかけられており、そこには『おあいそ』とある。 奇妙な寿司屋は、今日も同じ場所に存在していた。 かなえは、店の戸を開けた。 数人の男性客が黙々と回転寿司を食べている。かなえに目を向ける者はおらず、店内は異様な空気が漂い静まり返っていた。 奥では店主らしき人物が寿司を握っている手が見える。 かなえは、あいているカウンター席に座った。 今日も、回転レーンに乗
火曜日がやって来た。 かなえの足は、あの店に向いていた。 鋤柄さんの件で舞い上がっていたが、わたしには鋤園さんの件があった。 暗闇の中に、明かりがついた一軒の店が見えてくる。 店の戸には、のれんがかけられており、そこには『ことだま』とある。 奇妙なラーメン屋は、今日も同じ場所に存在していた。 かなえは、店の戸を開けた。 数人の男性客が黙々とラーメンを食べている。かなえに目を向ける者はおらず、店内は異様な空気が漂い静まり返っていた。 店内には一台のテレビがあり、テレビの横に