女性のための、絶望が極まる「毒のある本」3選
タイトルの「毒」は、薬にもなる、という意味です。
良薬は口に苦し、という通り
ちょっとヘビーな現実を突きつけられるので
人によっては「絶望」という副作用が出るでしょう。
一時「憤り」で発熱するかもしれませんが
数日経過すれば、「諦観」状態に落ち着くと思われます。
これから社会に出る女性には、ワクチン。
まさに今働いている女性には、鎮痛剤。
さんざん働いてきた女性には、放射線治療として・・・(私、今ココ)
はい、お薬3つ出しときまーす。
それでは1冊目、いってみよ~~!
①【男性の繊細で気高くてやさしい「お気持ち」を傷つけずに女性がひっそりと成功する方法】サラ・クーパー著
翻訳した渡辺由佳里さんのセンスが光る秀逸なタイトル。
はぁー、海の向こうも同じかぁ・・・
凹みます。笑いながら泣けます。
せめて日本だけだと言って欲しかった。
冒頭の画像は、この本の帯です。
根性が足りないとか、役立たずだとか、もっと努力しなくちゃと自分を責めた無駄な時間を返してくれ。
あぁ、あの時もあの状況も、こういう事だったのねと自分の無知とウブさが悔しくてならない。
もっと早くこの本に出逢っていたら(泣)
一見、ハウツー本やノウハウ本に見える体裁なのに、実は強烈な風刺だというのもウィットなジョークなのね。
男性が傷つかないようにオブラートに包む気遣い!さすが!!
理不尽な世の中を、それでも幸せ!と自分に言い聞かせて生きるしかない、不憫だけど強かな、私達のための1冊。そう解釈しました。
男尊社会をアホくさ!って嫌味と皮肉で、ユーモアと笑いで茶化したり誤魔化したり。深い深いため息を吐きながら。
そうでもしなきゃ、やってらんねーわ!な、タフさを学べます。
2冊目は、大真面目に「女性と政治」。
②【自民党の女性認識―「イエ中心主義」の政治指向】安藤優子 著
「男は外で働き、女は家を守る」
昭和時代によく聞かれたこのフレーズ。
実は自民党の作為的な刷り込みだった!という衝撃の事実を、安藤さんが論文としてまとめてます。
妻、母、介護というサポートとケアを女性の役割として定着させることで、国が担うべき福祉の負担を軽減した、という・・・
その結果、日本はいまや後進国まっしぐらですけどね。
あぁ、副反応でめまいが~~
少しヨコに反れますが---
数日前、氷河期世代で就職難に苦労した女性議員が、答弁中の野次で侮辱された件をXでつぶやいたことで話題になり、すごい反響を呼びました。
私も同じ時代の辛酸を舐めるひとりとして、リツイートを読みながら涙が滲みました。
そして政治の世界で女性が受ける差別、侮辱、ハラスメント・・・を考えたら吐き気がしました。その心労はいかばかりか。
時には「乙女のフリ」をしなければ、身を守れない世界だろうと想像します。
女性が輝く社会? どの口が言う??
無知は罪です。この本を読め!!
野次った議員、まずは政界から女性活躍のお手本を示してください。
てか、認知されてないだけで、女性はもうずーっと前から立派に活躍してますよね。
最後は、企業と組織に潜む闇を(たぶん)希望に変える1冊。
③【データが導く「失われた時代」からの脱出】長野智子 著
男性ばかりの同質性の高い組織より、女性が参画する多様な組織のほうが生産性が高く窮地に強い、という事実
企業の経営者と、組織の長に読んで欲しい。
以前勤めていた会社の、あの人に読んで欲しい。
あの部長と、あの次長と、あの課長に---
感情的とか、抽象的とか言われがちな女性の主張をデータ(数値)で根拠づけするあたり、男性優位社会の象徴、テレビ業界を生き抜いてきた方はさすがです。
以前から麓幸子さん(元日経ウーマン編集長)の著作で、幾度も取り上げられているテーマ「女性参画による効能」ですが、何故かあまり世間に浸透してない気がします。
自民党の陰謀?(笑)
よほど不都合な真実なんでしょうね。
政治、企業、教育、どの分野でも
女性参画が進むことが停滞(または衰退)する組織の現状打破に、一番効果的な手段であることが、データから証明されていると書かれています。
これ男女が逆でも、おそらく同じことだと思います。
本当はマイノリティ(LGBT)の方も含めた混合チームが理想ですけどね。
重要なのは、混合チームにしたら成果が上がりましたってこと。
それがかなり前から明確なデータとして証明されてるのに、多くの企業や組織がスルーしている。
見て見ぬふりする理由には、いろんな事情があるでしょう。
でもなんとなーく、「男のメンツ」とやらが、垣間見える気がしてしまう。
30年も無駄遣いして良い方向に変えられなかったんだから、もういい加減、現状維持の言い訳は辞めて、別の方法を試さなくては。
間に合うか、間に合わないかより
やれることは全部やる(by 石丸市長)の精神で-------。
残酷な現実に心が折れそうになる時、これらの毒を知っているか否かは大きいと思います。
とうてい納得できないし受け入れがたいけど、世の中これがデフォルトなんだと先に知っていれば、多少なりともダメージを小さくできる。
自分は非力だと責めたり悩んだりしなくて済みます。
女性も男性も、バグの多い社会システムの被害者です。
毒を以て毒を制す。
自分のレジリエンスを信じて、毒を薬に変えて生きられたら------。
長くなりましたが、読んでいただいてありがとうございます。
これらの本を読まれた方は、感想をコメントしていただけると嬉しいです。
なお処方されたお薬は、用法用量を守って正しく服用してください。
見に来てくださり、ありがとうございます。これも何かのご縁です。またお立ち寄りください。