見出し画像

[Netflix] メイドの手帖

Netflixで好きな作品。
もう5回は見ている。

主人公が小さな娘のために
DVのパートナーから逃げて、
毒親フレーバー満載の母親の呪縛とも対峙して、
悪戦苦闘しながら自分の価値を見出して自立していく。

初見では作中のパートナーや母親にイライラした。
でも、よくよく見ているとみんな悪いけど、
みんな悪くない。
それぞれがそれぞれのできる限りで踏ん張っているのだ。
ただ、空回りしている。
良くしたい、良くなりたいと願いながらもがいている。
精一杯なのだ。

好きなエピソードの一つにDVシェルター内の服屋さんのエピソードがある。
DVを受けて身一つでシェルターに逃げ込んだ女性たちのための服屋。
寄附で賄われていて、子供服もある。
主人公は最初にその服屋を訪れた時には服さえ選べなかった。
でも色々ともがくうちに
自分の好きな色を思い出して服を選べるようになる。
すなわち自分自身を取り戻したということだ。

また、そのシェルターで印象的だったエピソードに
「DV被害者の出戻り」がある。
DVから逃げてシェルターに入っても、また元の加害者の元に
戻ってしまうというのだ。
そしてまたシェルターに逃げて…を何度か繰り返す。

これには心当たりがある。
もう10年ほど前に私もDV被害者の女性を
私の一人暮らしの住まいにかくまったことがある。
でも、彼女は1週間ほど私の家で過ごした後
結局元の場所に帰って行った。

この主人公も一度は元のDVパートナーの元に戻る。
でもなんとか自分を奮い立たせて、
自立して生活を立て直す。

色々な壁にぶつかって、それでも立ち上がる主人公を
つい奥歯に力を入れてギリギリとしながら応援してしまう。

それぞれの人物描写が丁寧で優しさに溢れている。
みんな不器用で、もがいている。

静かに力強い作品だと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?