ソラカナ

主に物語や実話を書きます! 趣味は絵を描くことと文を書くことです。 投稿は不定期です。…

ソラカナ

主に物語や実話を書きます! 趣味は絵を描くことと文を書くことです。 投稿は不定期です。絵も出してます

最近の記事

未来の夢ロボット

目の前には大きなお皿があって、よく雑誌とかで載るようなお洒落なオムライスがあった。そのオムライスは先程私が一口頂戴したせいかAppleのりんごマークみたいに齧られている感じになっていた。友達も、どうやら同じものを頼んだようで、スプーンを器用に使ってオムライスを切っては中心に向けるように掬って食べるを繰り返していた。その様子を見てると、なんだかいつも思っている疑問を誰かに話したくなって、思い切って目の前にいる友達に話した。 「オムライスってさ、他の料理と違う独特な食べ方するでし

    • 昼空の星

       「地下なのに最上階にいるみたいな気分にな れるの」 この辺りの光を全部集めたような、そんな目で遠くを見る友達は、まるでパレードや手の込んだイルミネーションを見ている人そのもののようだった。 「星でも見えるの?」 友達の目線を追うように前を見ると、友達の目を輝かせる標的を見つけてはっとする。 「まあ、言ってみたらわかるよ。楽しみはネタ バレしたら面白くないからね。」 風に撫でられて体をフィギュアスケートの選手のように綺麗に煌びやかに回転する、おそらくカラス避けとされた5枚のC

      • あなたに言いたいことがある。

        たいしたことないこと、本当にどうということもないこと。そんなことを言ってしまったら君が僕の話を最後まで聞いてくれる気がしなかった。だからと言って、「大ニュースです!」と明るく君の気を引くほどの話ではない。ただ、君がちゃんと受け止めてくれるだろうか少し不安になる自分がいた。でも、出来るだけ早く伝えた方がいい話だろうからこのバスを降りたらと決めた。 「サクくん着いたよ。」 「うん。」 彼女は2人分のお金を運賃箱に出して慣れない足取りで少し高いハイヒールをコツコツと鳴らして外に降り

        • 明日世界が終わるとしたら

          「明日世界が終わるなら、どうする?」 そう、友達に言われた。そんな質問に答えるネタは探しても近くに見当たらないので友達に聞き返した。 「◯◯ちゃんは?」 友達は考えているのか少し下に視線を下げて私の机の傷にピントを合わせた。5秒程経ってから今度は私に視線を向ける。 「そうだね、私は助かる方法を考えるかな。」 助かる方法か、と私も明日世界が終わるならどうするか考えてみた。 「私は、いつも通り過ごすかも。」 かっこよくなければ、面白味もない平凡な答えに、友達は不思議そうに目配せを

        未来の夢ロボット

          カラス理論

          気温が30度を超えたせいもあって、先程降り終わった雨の名残が大きく湯気になって地面を這いつくばるように移動していた。バス停でただ待っているだけなのに、100メートル走を全力疾走してきた時と同じような汗をかく。セーラー服の襟のところを少し引っ張って汗よ乾けと手を前後しながら冷たい風を一枚服の下の肌着とベタベタの身体に送る。数人の微かな囁き声が聞こえて、ちらりとそこに目をやった。なんだか自分の悪口を言われているような気がしてサッと目を空に移す。ツバメが一羽、二羽としばらくの間停ま

          カラス理論

          暮れ泥む

           パタポトポトパタ…。急に降り出した雨がやけに大きく聞こえて、窓を閉め忘れた事に気づいた。今日が休みのせいもあって、畳の上にねっ転がっている体はいつもよりも重くて、手を窓の方にいっぱいに伸ばそうにもあと少しで届かず、諦めて重い体を起き上がらせる。四つん這いになってご丁寧に鍵まで閉めると、ハイハイ歩きでさっきまで座っていた緑色のクッションの乗っかる椅子にどかんと座った。 「ギャッッ」 誤って尻尾の先を下敷きにしてしまって、今年で歳を越されてしまう猫に怒られた。腕に軽く引っ掻き傷

          暮れ泥む

          僕のプロテクター

          はっはぁっはっゲホッゲホ。 大きく息を吸い込んだら、熱い熱気が入り込んできて、思わず咳き込んだ。青と赤どちらを選ぼうか迷っている優柔不断な信号を無視した子ども達が、私を追い越していく。   ー期待なんかするからいけないんだよー 今朝、電話越しに友人から放たれた冷めた言葉。たまたま上手く出来た化粧顔も、涙で泥を塗りたくられたようなみっともない顔になっていた。  生徒が死んだ。自分の持っているクラスの子達の一人で、少し厚い黒縁メガネをかけた、焦茶色の柔らかくて軽そうな髪を持つ、優

          僕のプロテクター

          ヒーロー

          ヒーロー

          もしも私が

          「人生の番に会ったことある?」 なんとなく、父に聞いてみた。人生の番とは、人生を良い方向へ大きく変えてくれた恩人のことらしい。父は少し考えてから「あるよ、たくさん。」と答えた。そういえば、父は友達がたくさんいたなと思う。それはきっと、いろんな人とすぐに向き合える父の性格からなんだろうなと思った。そしてまず、誰かと向き合わないと人生の番には会えないだろう。  「走れメロス」のメロスとセリヌンティウスのように、お互い秘密を持たないで、嘘をつかない中を誰かと勝ち取るのは難しい。だか

          もしも私が

          ガンジス川の奥

          いつまでこのなんとなくな日々は続くのだろう? なんて、そんな言葉が頭の中を駆け巡る。目に浮かぶのは、過去の事。楽しい思い出、失敗した思い出。過去ばかりに縋ってるだけで、私はもう人生に詰んでしまっているのかもしれない。  そんな時、テレビで何か無いかと番組を探っていると、たまたまインドについて放送されている番組があった。それは食べ歩き、インドの紹介といったもので、いつもなら、そういうのはすぐ飛ばして終わりだけれど、何故か目を引かれた。   中でも死体や灰が流れる中、体を洗った

          ガンジス川の奥

          ちょっとした幸せ

          ちょっとした幸せ

          スキのお礼と一緒にイラストをつけました〜! イラストは4種類あるのでスキする時にお楽しみください✨

          スキのお礼と一緒にイラストをつけました〜! イラストは4種類あるのでスキする時にお楽しみください✨

          私にとっての本当の友達

           「本当の友達って何?」 一番最近に読んだ本にそんな言葉が書かれてあって、それで最近、自分なりに考える事がよくある。  一般的には、自分の思った事をはっきり言える人、信頼できる人、相談できる人、自分の存在を否定しない人、何があっても裏切らない人の事を言うらしい。そんな非現実的な人は少ないと思う。近くに居なくてもおかしくないくらい。  それと、昔「友達があんまりいない」と従姉妹に相談した事を思い出す。すると従姉妹は、「多人数で無理して合わせるより、少人数で本当の友達といる方がよ

          私にとっての本当の友達

          朝の準備

          朝の準備