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「方舟」夕木春央

こんなミステリー読んだことがない。

張り詰めた空気が文字から肌へピリピリ伝わってくる。

衝撃の結末、凄まじい読後感。

忘れられない一冊となった。


「このミステリーがすごい!」など、数々の部門でノミネートされた本書。

世間を賑わせた注目作品。

ミステリーを読みたい気分になり、読んでみたらもう、すごい。

語彙力失うすごさ。


あらすじ

主人公はかつて大学のサークルで仲の良かった6人の男女と従兄弟を加えた7人で、メンバーの叔父が所有する別荘に泊まっていた。

そんな時、別荘の近くの地下建築へ向かうことになる。

道なき道を進むため、到着した頃には夕方となっていた。

仕方なく地下建築で一晩過ごすことになる。

サークルメンバーの7人の他、なんと遭難していた家族が加わり10人で過ごすことに。

不気味な雰囲気の地下建築、早く出たいなと思いながらも夜を過ごしていると予期せぬ地震が発生する。

地震により出入り口を塞がれた。

その上、地下からは水が浸水してきており、1週間ほどで地下建築全体が沈んでしまう。

ただでさえ、パニックになる状況。

その上、この状況下でなんと殺人事件が起きる。

閉鎖された空間での殺人事件、どんどん競り上がってくる水。

唯一の脱出方法は誰か1人を犠牲にすること。

それは殺人犯であるべきだが、誰だかわからない。

切羽詰まり心理的にも追い詰められる9人。


感想

とにかくスリルがすごい。

危機感迫る描写、息遣いが聞こえてくる感じ。

極限まで追い詰められた登場人物の感情の起伏など、人間の限界が見えた。

ラストシーンのどんでん返しは忘れられない。

本を読まない人にもこの感覚を味わってほしい。

映画化されないかな…


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