食の風景「寒い朝の卵とじ雑炊」
公園沿いの銀杏が一息に黄色く染まり、風が吹けばひらひら道へと舞い降ります。ビルの日陰は長く伸び、街にはイルミネーションが灯される季節がやって来ました。そろそろ冬の到来を感じています。
パジャマの袖で手を隠したくなるような冷たい空気に満ちた朝は、あったかくて、ほっとするような朝ごはんが食べたいと思います。
夕べ作った野菜スープを温め直して玉子とじにします。
溶き卵に塩と少々の水を加えておき、混ぜ合わせます。スープがぐつぐつ煮立ったら、そっと回し入れていきます。ふわふわの卵とじにするには、スープの火加減が大事です。強火でしっかりぐつぐつさせて下さい。
食べ切る量ならご飯も鍋へ入れて一緒に火にかけるのですが、作り置きスープなので温かいご飯を器へ先に盛っておきます。そこへ熱々のスープを注いで、具だくさんの雑炊、完成です。お好みで七味を振って、
「いただきます」
ひとりでもいいけれど、
二人で食べる熱々雑炊もいいですね。
体の中から温まったら、今日も一日顔を上げて頑張ります。ほら、日差しが出てきましたよ。気をつけて行ってらっしゃい。
「ごちそうさまでした」
文と料理と写真・いち
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