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「子持ち様」に関する所感

どうも、それなニキです。

最近、noteのおすすめにやたらと「子持ち様」関連の話が出てくるようになったので、それについて軽く所感を書きたいと思います。
流行ってんのかは知らないけど…


観測範囲内の潮流とそれに対する感想

少なくとも私がnote内で探した限りは

・「子持ち様」という言葉がなくなるために
・「子持ち様」とかいうやつ

等々、「子持ち様」という表現について非常に否定的な意見がその大半を占めています。

これはnoteの投稿者クラスタの属性による偏りである可能性が高そうですが、まあyoutubeにも似たような問題提起をしている番組が多々見受けられることも鑑みると、世間一般の潮流としても同様の方向性だと考えてよさそうですね。

さて、私の生き方の指針的には
「ヨシ!世間の潮流と一緒になって『子持ち様』ミームを発信したやつをボコボコにしてやるぜ!そうして多数派に認めてもらうんだ!」
となるのが一応最適解ではありますが、いうてもここはnote。
リアルの人間関係は基本的に考慮しなくていいので、少し立ち止まって考えてみましょう。

(というか、この潮流自体についても結構疑念というか、考えるべきポイントが多くあるように感じられるというのも率直な感想だったりします。)

前提

前提として、私は今回の議論を「一会社の福祉問題」という論点にとどめるつもりはありません。
無論、「一会社の福祉問題」と考えるのであれば、
「それは独身者に対する補償をしない会社が悪い。以上。」
で終わる話だということは重々承知していますが、その上で、こうしてSNSなどで、ともすれば過剰に取り上げられることになったという現象の方に焦点を当てた話にしようと思います。

①結婚・子育てに関する認識の乖離

まずもって、こうした議論の背景事情の一つとして、結婚や子供を持つことに関する、既婚者層未婚(非婚)者層との間に重大な認識、というか思想上の齟齬があると私は考えています。

まずは既婚者層の認識ですが、結婚・子育ての社会的重要性を訴える主張が非常に多いことから鑑みるに、結婚・子育てに関して比較的保守的な傾向があるとは思われます。実際、少子高齢化社会における子供の重要性は非常に高まってきており、そうした背景から、未婚者もいずれ我々の子供の世話になるのだから、その負担はある程度負ってくれという主張がなされていると考えられます。
他方、未婚者に対する認識として、「自由選択の結果」という認識が非常に強固であるという点も特徴的です。すなわち「お前らは未婚・非婚を自ら背託したのだから、それ相応の責任・負担などは請け負うべきだ」といった話ですね。

一方の未婚(非婚)者層の認識についてですが、結婚・子育ての自由性に関する主張がそこそこ見受けられると感じます。すなわち、「昨今の自由化の流れにおいて、結婚・子育てをするか否かは自由であるべきで、またそれについて制約・差別的待遇などを受けるいわれはない」といった感じでしょうか。
また、結婚・子育てに伴うヒエラルキー的側面についても多く指摘があります。要するに、結婚の自由化、恋愛結婚至上主義化した現代において、そもそも結婚できるのは、それなりに異性に必要とされる人、すなわち男性なら十分に裕福で頼りがいがあり、女性なら若く見た目がいいなどといった素質(近年はさらにインフレしつつある)を持つ人だけであり、そうした恵まれた人々が、そうでない人々から金や時間を巻き上げようというのか、といった主張ですね。

正直私としてはどちらの言い分もそれなりに分かるのですが、それは置いておくとして、こうした認識のずれを抱え込んだ状態で今回の「子持ち様」議論を見ていくと、
既婚者は「社会的責任を果たす我々を非難するとは」
未婚者は「恵まれた上流階級が偉そうに」
といったいがみ合いになるのはあまりにも自然な結果といえるでしょう。

自由化リベラリズムに伴う「お互い様」状態の消失

こうした分断を生んだ近年の潮流の一つとして、結婚の自由化について言及しないわけにはいかないでしょう。
結婚・子育てをしないという選択をした、ないしさせられた人にとっては、子育て支援・優遇の理由として頻繁に用いられる「お互い様」という文言が部分的に成立しなくなっています。すなわち、確かに幼少期に子育てを「受ける」経験はあるにせよ、子育てを「行う」立場には立たないわけです。

結婚・子育てをするという選択をした、ないしできた人にとっては理解し難いかもしれませんが、こうした「お互い様」状態の消失というのは非常に致命的で、従来通り、子育てに対して理解を示し協力してくれる社会の形成が困難になります。

やはり誰も、自分を助けてくれない人を助ける気なんて起きないわけで。
その人が自分よりも恵まれていたり、社会的に評価されてなんていたらなおさらなわけです。

③現状の世論展開と今後について

現在の「子持ち様」議論においては、否定派が圧倒的多数に見える状態になっていますが、今後はどうなっていくでしょうか。

現状が維持される可能性を支持する理由としては、少子高齢化による子供の価値上昇(子供に価値なんて言葉使いたくないですけどね…)があるでしょう。
一方、未婚率(非婚率?)の上昇を鑑みると、現状の打破、すなわち「子持ち様」表現の肯定につながる可能性もあります。

個人的には後者っぽい気がしますが、どちらになるやら。

④結局お前はどこの立ち位置に立つんや

とか言われそうですが、ここまで(一方的に)ヒートアップしている以上、私としてはどちら側にもつかずに静観していたいというのが正直なところではあります()

ただ私自身、7割超が結婚できないクラスタ(発達障害)の人間であることを踏まえると、世間の潮流と比べて少し「子持ち様」表現に同情的な部分はあるとは思います。

率直に言えば、我々を既婚者クラスタから強力に排除しておきながら「お互い様」なんて言うのを見て少し頭に来るときもあるのが実情です。

とはいえ、子供を産み育てるのが社会的に重要なのもまた事実ですし、塾講師のアルバイトなどで子供たちとかかわっている身として、その幸せを願っている自分もいます。

うーん。
やっぱ自分の行動を自由自由と言って肯定してきた人々が、いざ自分がその代償を支払う番になって「責任」「社会的意義」などの言葉で他者を縛ろうとしているのが引っかかっているのかなぁ…

…いずれにせよ、この話題から既婚クラスタと未婚・非婚クラスタの認識的な分断が痛感されたので、やはり手を引く方がよさそうですね…

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