これまで10カ国あまりを旅してきた。所得が高い国もあれば低い国もあったし、寒い国も暑い国もあった。なんだかいつも人が怒っているなあと思う国もあるし、温厚に思える国もあった。

しかし、この世界のどこにでも天国など存在しない。どの国にも問題はあって、たとえそれが表面化していなくても、絶妙なバランスで成り立っているだけなのだ。だから旅に現実逃避を求めたところで、お金を使い続ける存在であればその問題に気付くことが遅くなりはしても、永遠に問題の起きない場所なんてない。それは頭でわかっているのと肌で分かっているのは全然違う、世界旅行をしたことでようやく身に沁みたことの一つだと思う。

ニウエはタックスヘイブンだという。所得税も消費税も学校も無料。国にいるほとんどの人は公務員で、その給料はニュージーランドから支払われているのだとか。現地の人は笑って言っていたが、僕やフウロには笑えなかった。自分がニュージーランド人だったら我々の血税はニウエの人たちを遊ばせる為じゃない！ときっと怒るはずだ。