ものづくり夫婦世界一周紀

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ノート

文明の狭間を食べるために。 《夫婦世界一周紀31日目》

スマートフォンは世界に変えた。それはもう劇的に、だ。僕たちの暮らしのような生活+αのものとは違い、発展途上国にもたらされたスマホの影響たるや、想像を絶している。

トゥヴァでもスリランカでもそうだ。少し前までは本当の手付かずだった世界にもスマホは入り込んだ。マサイ族がiPadを使いこなす時代だ。僕たちがこのタイミングで世界を巡ることは、世界一周以上に意味があることなのかもしれない。

この宿に延泊

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ビーサンへのこだわり 《夫婦世界一周紀30日目》

この日も女の子と遊んだけれど、ちょっと違う話をしようと思う。

僕の小学校の決まりは一年を通して半ズボン。90年代後半はまだブリーフパンツと見まごうようなズボンを穿いていた時代だ。冬は膝小僧にあかぎれが出来たし、暖房なしのホールで行われる礼拝は厳かだった。寒すぎて頭が働かないのだ。数年後に半ズボンって言っていいの?と思うような長丈の半ズボンが登場し、恨めしく思ったものだ。

別に抗体がついていた訳

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無垢のきもちをどう受け止めるか 《夫婦世界一周紀29日目》

まっすぐな眼差しを正面から受け止めきれないのは、自分がそれだけおじさんになったってことなんでしょうか。快晴のお日様のように輝いて、地球の始まりのように弾けている。年のまだいかない子供が持っている強烈な生の力たるや…すっかりひるんでいます。

僕は末っ子だからほとんど赤ちゃんを見たことがない。だから3歳くらいの子供と一緒にこうやって接するのは、ひょっとしたら人生で初めてかもしれなかった。赤ちゃんとの

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宿選びはレビューにあらず。 《夫婦世界一周紀28日目》

小鳥のさえずりで目を覚ます。木漏れ日が乾いた地面をゆらゆら照らしていて、その場所はリスの遊び場だった。ロシアで見たのとは違って、小さくて細長いリスが楽しそうにヤシの木をのぼったり、飛び降りたり。宿主の家族の家にはおばさんとおじいさんが住んでいて、ご飯の余りを庭の真ん中にある餌箱にお供えしていた。小鳥やリスの憩いの場所になっている。

幅広い布で作られたウッドチェアに腰を下ろし、バナナを食べながら小

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シーギリヤもヌワラエリヤもやめにした 《夫婦世界一周紀27日目》

スリランカ観光で一番有名な場所と言えば世界遺産のシーギリヤロックだろう。でも僕たちは28日間も滞在しながらスリランカの世界遺産には行かなかった。元々の計画ではキャンディは通過点で、そこから広がる観光地に足を伸ばそうと思っていたのに、紅茶で有名なヌワラエリヤにも行かなかったし、そもそもキャンデイ滞在中町から一歩も出なかった。

怖い生き物にも、絶え間なく響くクラクションにも、都会に住むスリランカの人

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クモが嫌いな人は読まないでください。 《夫婦世界一周紀26日目》

ずっと根に持っていることがある。西伊豆のキャンプ場で過ごす家族キャンプが小学生の時の一番の楽しみだった。関東圏では随一の透明度を誇り、ボラやベラ、キンセンカニなどがわしゃわしゃいる海で過ごす三日間の為に一年を生きていた。冬でも春でも気持ちはいつもあの海にあった。

でも、そのキャンプ場が僕に一生のトラウマを植えつけた。

海辺のトイレというのは常に潮風に吹かれる場所だからか、生き物がこぞってトイレ

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その男、スレイシュにつき 《夫婦世界一周紀25日目》

「キャンディに来たというのにおまえたちは観光の一つもしないのか?信じられない。よし、明日は俺が連れて行ってやるよ。」

宿主兼スリランカ警察のスレイシュが僕の肩をもみもみ、そう提案してきた。距離感の縮め方も、いきりたった肩も、高圧的なその大きな身長も全部気に食わなかったけれど、まあこういうのも旅の醍醐味だろうと納得して(というより無理やり押し通されて)スレイシュオリジナルツアーに参加することになっ

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スリランカレーを定義するのは難しい 《夫婦世界一周紀24日目》

日本ではスリランカカレーが次に来る!とか、もう来てる!とか騒がしいが、僕はスリランカに行くまで一度もスリランカカレーを食べたことは無かった。美味しんぼで予習していたはずだが、全然覚えていない。(めんどくさいので、スリランカレーと呼ぶことにする。たった一文字だけど)

近くのお母さんが寄り合って作るようなほったて小屋が、人生初のスリランカレー。最初にカレーを出された時、ぽかんとしてしまった。パラパラ

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スリランカの緑を歩くのをやめた。 《夫婦世界一周紀23日目》

歩こう歩こう わたしは元気 歩くの大好き どんどん行こう 

となりのトトロの舞台は地元だ。さつきとめいちゃんが歩いた場所みたいなところは今でもしっかり残っている。長野や新潟のような強烈な緑の深さとも、雪国秋田ような厳しい強さとも、沖縄の自由奔放さとも違う、埼玉に広がるうっそうとした緑。とおり雨が降って苔むした緑を見るとほっとする。危ないものはスズメバチとヤマカガシくらいで、危険な目に合うことはな

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スリランカの道徳は路線バスでまなべる 《夫婦世界一周紀22日目》

道徳教育は机上ではなく路線バスで学んだと思う。小学生の頃は毎日バス通学だった。乗り遅れたのにわざわざドアを開けてもらった時には優しさを学んだし、しっかり追いつけたのにドアを開けてくれず「バスはもう出発しちゃったんだよ」と言ってきた運転手さんには世間の厳しさを学んだ。

顔なじみになって運転中ずっと会話していた運転手さんもいたし、乗り過ごしてべそをかいていたら「お代はいいから」とぐるっと一周するまで

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