見出し画像

世界中の女性に幸あれ!

「三つ編み(レティシア・コロンバニ)」を読んだ。

心を揺さぶられた。胸が苦しくなり、最後に胸が熱くなった。読み終わるのが寂しくて、ずっと三人の冒険を読み続けたかった。

乳がんと戦うサラ(カナダ)、家業の倒産の危機と戦うジュリア(イタリア)、貧しさと差別と闘うスミタ(インド)。3人ともものすごく強い女性だ。こんな形で三人の運命がつながっていくとは。

インドの、カーストにすら属さない「不可触民」のことを初めて知り、頭から離れなくなった。素手で汲み取りをするなんて、本当にあることなんだろうか。女性だから、夫が先に亡くなったから、というだけで殺されるなんて本当なんだろうか。女だからというだけで、いつ死んでもおかしくない世界がこの世にあるなんて。

「ネズミに生まれ変わりたい」「牛に生まれ変わりたい」「生まれてこなければよかった」インドの不可触民や寡婦の言葉に胸が詰まった。私も「親にこんなに毎日激しい叱責を受けるぐらいなら、小石になって誰からも目を向けられずに生きていきたい」などと小さい時には考えていたものだが、この人たちの苦労は私の比ではない。

ジェンダーギャップ指数のめちゃめちゃ低い日本でも、命の危機にさらされされることなく、女としてのほほんと暮らしている自分はどれほど恵まれているかを思い知らされた。

時代が進んで、世界中のどの地域でも女性の地位が男性と平等になり、すべての女性が当たり前に生きられる世界になってほしいと強く願う。シーク教が男女平等のとても進んだ素敵な考え方をしていることも初めて知った。

3人に幸あれ。世界じゅうの女性に幸あれ。特にスミタと娘には生き延びて幸せになってほしいと思った。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?