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「赤いモレスキンの女」他人の鞄の中身は興味深い

「赤いモレスキンの女(アントワーヌ・ローラン著)」を読んだ。※ネタばれです。

ある朝、書店主のローランは物がいっぱい詰まった女性もののハンドバッグを拾い、その落とし主を探し始める。

さすがフランス。とにかくお洒落なラブストーリーで、読み終わるのがもったいないぐらい、贅沢な読書時間が過ごせた。

女性のハンドバッグについて、世の男性は「なんだか触れてはいけない、近寄りがたいもの」という感覚を持っていると知って、とても面白かった。

女性同士でも、お互いのバッグの中を見たりはしないものだから、落とし主ロールのバッグの中身は私にとってとっても興味深かった。人がいつも持ち歩くものって、その人となりが出て面白いなぁ。

私も荷物の多い人で、流行りのミニバッグなどは夢のまた夢。困ったらどこでも何でも調達できる便利なキャッスレスの時代なのだから、なんとか荷物を減らそうと目下画策中だ。そんなだから、ローランが拾ったバッグの中から手帳やら香水やらサイコロやら「それ、いる?」というものが出てくるくだりになんだか共感を覚えて楽しかった。

ちなみに私が必ず持ち歩くのは、個人の長財布、家計の長財布、手ぬぐい、ティッシュ、スマホ、ガラケー、家の鍵、障害者手帳(公共交通機関に無料で乗せていただける)、マイバッグ、飴(低血糖症)、消毒用アルコール。これにマイボトルが加わることもある。手鏡、薬、ハンドクリーム、リップクリーム、お守りなどはまず使わないと判断して、最近バッグから出した。お財布のなかのカード類もかなり減らした。それでも荷物は多いと感じている。

さて、小説へ戻ろう。実際にこんなことがあったら(失くしたバッグの中身を吟味され、身元を突き止められる)これは相当に不気味なことで、落とし主と拾い主が恋に落ちることはほぼなさそうな気がするが、ここは素敵なおとぎ話ということで、ね♪

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