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羨望する南池袋公園

地域住民だけでなく遠方からも足を運ぶ人々で賑わう南池袋公園のこと。

2月の週末に訪れた公園内ではnest marche が開かれていて、想像以上に賑わっていた。少し温かくなったとはいえ、まだ寒いはずなのに、ここだけ気温が2〜3度高く感じる。

"賑わい"の定義は難しい。人がたくさん集まってさえいれば「賑わっている」とは言い切れない。イベントをしているからとも限らない。

この日の南池袋公園には、それぞれが、それぞれに幸せそうな顔で満たされていた。人の数だけ幸せがある、そう確信できるくらい子供も大人も、ファミリーもカップルも、みんな笑顔で楽しんでる。芝生に寝転んだり、芝生を囲む屋台で買ったり食べたり。クラフトビールや淹れたてコーヒーを飲んだり、出店者との会話を楽しんだり。みんな思い思いにこの空間を楽しんでいた。

そんな素敵なパブリックが生まれたことで周辺の地価はあがり、今度はブルーボトルコーヒーが隣に出店を決めたと言う。ラブホに囲まれ、以前はホームレスがいた公園が今やそこを目指して大勢が集まる場になっている。凄いことだ。

たとえば、我が家の近所の公園。(地下鉄駅の真上にある好立地だか、よくある普通の公園。)ここに南池袋公園のような賑わいをゼロからつくろうとしたら、どれだけの労力とエネルギーが必要だろうか。

まず、
・公園のありたい姿を構想
・運営体制づくり、協働する仲間集め
・芝生の利用許可と芝生メンテナンスの調整
・マルシェに出店してくれる近隣の店舗やクリエイターの誘致、出店管理
・公園管理団体や行政との調整、ネゴ
・地域コミュニティへの宣伝、広報
・公園の楽しみ方のアイデア創出
・フード出店の保健所など各種申請
・園内カフェや近隣との連携
・リピート足を運んでもらえる仕掛けづくり
・トラブル対応、対策
・会場装飾、演出

ざっと思い浮かべるだけでも、その仕事量にクラクラする。さらに運営を継続して周辺の価値まで上げるくらい成果を出すのは、そう簡単でないはず。そんな裏方の苦労を公園内では、いっさい見せないリーダーの青木純さんとnestの事務局メンバーたちが、なんとも魅力的な場をプロデュースし場をつくり続けているのだ。

青木純さんにあっては、ずっと笑顔でその芝生内にいて、コミュニティの仲間たちと過ごす時間を率先して楽しんでいた。脱帽する。

本人は、「凄くない。ダメだらけだけど、立ち止まっていられないからやるしかないんだ」と言うけれど、いや凄いことだ。心から「おめでとうございます!」「羨ましい!」と言いたい。

運営者としても利用者としても羨望の眼差しで南池袋公園を見渡したのち、ひとりの子育てパパとして家族と笑顔で満喫した。

#都市 #パブリック #南池袋公園 #urbanism

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