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今までで一番楽しい1日になるはずの日に学校を休む娘。

金曜日はクラスのお楽しみ会と、卒業制作として学校の遊具にみんなでペンキ塗りをする、という日課の日だった。

前日の木曜日、どうしても朝から学校へ行きたいからと、久しぶりにお迎えをお友達にお願いして登校したぴぃ。

そして、珍しくおしゃれをして行きたいと自分で洋服を選び、髪型も指定してきた。

何があるのかはあえて言わないでおきたいみたいだったから、無理に聞かなかった。

帰ってきてからは、何も話すことなくゲームに夢中になっていた。

その日の夜、

ぴぃ「たぶん明日の日課はこれまでの学校生活の中で1番楽しい1日になると思う。でも休みたいって思ってる。もう疲れたから。」

私「疲れたんだね。月曜からずっと行ってたもんね、疲れるよね。」

ぴぃ「うん、疲れた。それに、毎日行く理由もなくなったし。」

私「理由があったから毎日行ってたんだね。」

ぴぃ「そう、それが今日で終わったから。ママには言えないけど、楽しみにしてて。」

私「達成したってことなんだね。おつかれさま。」

それと明日のことは別らしい。

でも、明日は楽しい日課の日と分かってても、休みたい気持ちが強いってことなんだな。

みんなとの最後のお楽しみ会。

みんなとの最後の共同作業。

それはぴぃにとってはそこまで特別なことではないんだな。

ふと私の中に寂しい気持ちがよぎる。

夜ご飯の時、ぴぃはまた言った。

ぴぃ「明日はやっぱり休みたい。」

それを聞いたパパは、「あとちょっとで終わるの分かってるよな?後悔しないようにな。」と言った。

あぁ、そんな言い方しないであげてよ…

明日行っても行かなくても、後悔してることなんてきっとたくさんあるよ。

なんだったら満足したことなんてほとんどないよ、きっと。

私たちの物差しで、ぴぃの思い出の重さを測っちゃいけないよ。

明日、ぴぃは今までで一番楽しい1日になることを知っている。

それでも今行きたくない、行くつもりはない、と思ってること。

その気持ちを受け止めようじゃないか。

と、パパに投げかける・・・はずが踏みとどまって自分に言い聞かせた。

そうだな、ぴぃは今、休みたいんだ。


おやすみと言って、それぞれの寝室へ。

すると少したって、ぴぃが部屋にきた。

ぴぃ「明日行くってなるかもしれないから、軍手出しといて。」

私「オッケー」

迷ってるんだな。でも何が迷わせているのかは分からない。

どっちにしろ、答えを出すのは明日のぴぃと思って、ベッドから起き上がり、軍手を探す。

そして、次の日の金曜日、ぴぃは学校を休む選択をした。

ぴぃが木曜までに何を達成していたのかも分からない。

でも私は、それを楽しみにしていいんだと思ったら、金曜に休むことなんてもうどうでもよかった。

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