HRマーケティングで大切なことは、すべて前職が教えてくれた。

あっという間に2018年もおしまいですね。

「平成最後の〇〇」という言葉を到るところで浴びせられているので「平成最後の年末」と言われても、特段感慨深くなることはないですが、一年って本当にあっという間だなぁ、今年もいろんなことがあったなぁ、ということを心から感じています。

さて、リクルートキャリア時代のチームメイトであり、今は同じWeWork京橋で働くゆーぞーさん@ベルフェイスが人事Advent Calendar2018なるものを企画されていたので、僕もその末席に加えていただきました!

今年一年を振り返って、僕個人の人事にまつわる取り組みの中で一番印象的だったのは「HRマーケティング」に関する取り組みでしょうか。

ナイルでWebマーケターとして活躍された後、その経験を活かしてゼロからコーポレートオウンドメディア「ナイルのかだん」を立ち上げたマリノ五木田梨絵さんが、HARESの第1号社員としてジョインしてくれたのも、HRマーケティングの活動がきっかけです。

「HR領域にこそ、マーケティング思考が必要」という発信に、思っていた以上の反響があったので、実践的に学ぶ「HRマーケティングゼミ」をはじめてみました。

ちょうど先週、HRマーケティングゼミの2期が終了しましたが、1期20名、2期21名で合計41名のHRコミュニティになっています。

「実践型」であることがポイントなので、講師のマリノさんがインプットしたHRマーケティングのフレームワークを活用して、HRの現場でガンガン改善して、アウトプットされているのがとても痛快ですし、1期の卒業生の有志の方が、週次ベースで「こんなこと取り組みました」と共有しあっていて、とても良い学び合いの場になっているなぁと感じます。

改めて「HR領域にこそ、マーケティング思考が必要だ」ということを確信することができました。

HRマーケティングの大切さは、リクルートで学んだ。

他方で、採用を含め、HR領域でマーケティング思考を当たり前に使いこなしてきた方からすると、「何をいまさら…」と感じられるかもしれません。

こちらは元リクルートコミュニケーションズで、今はLINE社で人事として活躍されている青田努さんのツイートですが、まさに仰る通りなのですよね。

「エンプロイーエンゲージメント」なんて言葉が生まれる前から、「心理学的経営」に取り組んできたのがリクルートだし、『企業への招待』(『リクルートブック』『リクナビ』の前身)を生み出し、求人広告にクリエイティブ・マーケティングの発想を持ち込んだのもリクルート。

「HR領域にこそ、マーケティング思考を」を、はるかに前から世の中に実装してきたのがリクルートなのですよね。

思えば、僕も人事(とりわけ採用)のイロハを学んだ前職リクルートエージェント/リクルートキャリアでは、徹底的にマーケティング思考を叩き込まれた記憶があります。

そのうちの一つが、HR NOTEの記事でもご紹介したTMPというフレームワーク。

Targeting:適切な採用ターゲットの設定
Messaging:ターゲットに刺さるメッセージ・ストーリーの作成
Processing:最適な採用プロセスの設計

の3つの頭文字を取ったものなのですが、採用を成功に導く上で、非常にわかりやすく、新人時代から徹底的にTMPを考え抜くことを、上司や教育担当から教わりました。

フレームワークは、フレームワークでしかない。

ただ、気をつけないといけないのが、「フレームワークは、あくまでフレームワークでしかない」ということです。

マーケティングって、フレームワークの宝庫だし、カタカナ・横文字がたくさん並んでいて、なんかカッコいいですよね(笑)

だからこそ、マーケティングのフレームワークを知っただけ、学んだだけで「わかった気にさせてしまう危険性」を孕んでいるのが、マーケティングの怖いところです。

マーケティングに限った話ではないですが、フレームワークは知っているだけでは何の意味もありませんし、使いこなせてはじめて意味のある「お道具」になります。

では、どうやったらTMPも含めた「お道具」が使いこなせるようになるのか?

それは非常にシンプルで「泥にまみれるしかない」ということです。

もう少し具体的に言うと「泥臭く現場を駆け回り、人の心が動く瞬間をできるだけ多く観察し、人の心に寄り添って徹底的に考え抜くこと」だと思っています。

マーケティングとは何か?には様々な定義がありますが、

人の心を動かして、両者の課題を解決するハッピーな意思決定を促し、
期待していた通り以上の価値を感じてもらうこと

だと、個人的には定義づけています。

まず第一歩として「人の心を動かす」ことが重要なのですが、そのためには「人の心が動くポイント」を知っていなくてはなりません。

採用シーンで適切なマーケティングができるかどうかは、採用したいと考えているターゲットとなる方々が、仕事をする上で大切にしていることは何か?働く中で感じている課題や、抱えている悩みは何か?についてのリアルな声にどれだけ真正面から向き合ってきたか?に大きく依存するなぁと。

・・・ということも、すべてリクルート時代に先輩から教わった話の受け売りなのですが、本当に恵まれた環境で育ったなぁ、と心から感謝しています。

最先端のトレンドをしっかりキャッチアップすることはもちろん大事ですが、必要以上にバズワードが飛び交いがちなHR業界だからこそ、それに振り回されるのではなく、日々の人事・採用の現場で「人」にきちんと向き合い、どうやったら目の前の人の課題を解決できるか?を考え抜くことに、頭と心のメモリを割き続けることを大切にしたいな、と思った次第です。

また年明けからHRマーケティングゼミの3期がはじまります。

そろそろ3期の募集がスタートする予定なので、ご興味ある方はこちらから事前登録をどうぞ。

また、HR VS. PRで『採用〇〇』について本音をぶつけ合う公開プロレスを来週下北沢B&Bでやるので、こちらもぜひ。

2018年も残すところあと30日!最後まで駆け抜けるぞ!

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