見出し画像

好きに理由はいらないのだ

カメラの軽さは正義。
ずっとそう思っていて、今回富士フイルムのX-T10からアップグレードするにあたってミラーレスのフルサイズ機を探していた。
今度は絶対フルサイズ。ただし、軽いものに限る、と。

ネットで調べても結局は実機に触れて相性をみることが一番なので、何度もヨドバシへ足を運び軽さや持ちやすさ、シャッターの感触、ISO感度などの設定のしやすさをしつこく確かめた。

富士フイルムはフルサイズ機がないので今回は対象から外していて、他のどのメーカーもしっくりこないのは使い慣れていないから当然で、そこはこれから慣れていこうという前向きな気持ちは十分あった。

どれも皆とても良い機種だ。
だけど、なんだろう。触れていて心がときめかない。

ただそんな中でもニコンのZ5が感触がよかったので、店員さんと話しながら機能をじっくり確かめて半ば心は決まったようなつもりで店を後にした。

が、翌日、持ち前の腱鞘炎が再発したのだ・・・。

これ、ダメってことじゃん?

あーぁ、振り出しかぁ…と諦め半分の気持ちを引きずりながらなんとなくFUJIFILMの売り場をうろうろし始めたらそこにはX-T4が。

あぁ~、カッコいいなぁー。
やっぱりフジ好きだなーって思ってしまった。

そしてついつい長居をし、T4の魅力に取りつかれた私がいた。

いや、でも、今回はフルサイズ探してるんだからね!フジは対象外だからね!と気持ちを振り切ろうとしたのだが、どうにも後ろ髪引かれて仕方がない。

フルサイズよりセンサーの小さいAPS-Cだし、すごく軽いわけでもない。
頭では絶対ナシなのに、諦められない恋のようだった。


それなら何を最優先にし、何を諦めるか決めなければならない。

そこで大好きなプロカメラマンのYoutube動画で、カメラの選び方の動画を見始めた。
その人が大切にしているのは

「テンションが上がるかどうか」

これがすごく大事だと言っていた。

彼はNikon派らしいのだが、足りない部分があってもなお、このカメラが自分の気持ちを上げてくれる。
だからあなたがそのカメラを持っていて、楽しく撮れることが大事。
そういう「感覚」を大切にしてください、ということだった。

これ。これですよ。

そうなの、そうだった。

機能は申し分ない。フルサイズなのに驚くほど安くて軽くて画質も良くて最高じゃん!っていうのもあった。
なのに、私の心がOKを出してくれなかったんだ。

そんなことに気づいたら、最優先の条件だったフルサイズを諦めることにした。

ただ、軽さを考えたらT4よりもT3のほうが軽くて手の負担が少ない。
それで今さらながら旧機種のT3を購入した、という経緯だった。

それでも今まで使っていたX-T10からすると随分重い感じはあるのだが、持っていてキュンとする。
これは本人にしかわからない感覚だろう。
これから相棒として宜しくねって言いたくなるような気持ち。
ちょっと気持ち悪いかもだけど、そんな気分にさせてくれる素敵なカメラなのだ。


誰かにとっての「いい」が自分にとっていいかどうかはわからない。

だから常に自分に聞く。

小さなことから始めてそれを何年も続けてきた今、結局それが正解だとわかる。
たくさん失敗してきたけれど、答えは自分にしかわからないのだ。

新しいカメラを買ってすぐに体調を崩したのでまだ全然使っておらず、この選択が正しかったかどうかはわからない。

それでも正直な気持ちで購入できたから、これでよかったと思える。
最重要条件のフルサイズを諦めたのに、清々しい気分だ。


日差しが春めいてきて、お散歩スナップが楽しそうな時期になってきた。
さて、どこへ行こうか。
X-T3との初めてのデートの場所を、いま楽しみに考えている。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?