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平和ボケで何が悪い!60歳が、露天ぶろで考えるべき未来について!

年間、120万人のお客様をゆぶねで癒してきました。のんびりと、露天風呂につかっているお客さまを見ていると、みなさん平和な時間を満喫しているようです。

ところで、昨今我が国は平和ボケをした国といわれていますが、本当にそうなのだろうか?おふろ屋の立場から、そのことについて検証してみます。

本記事が、あなたにとっても平和とは何かを考えていただける一助となれば嬉しいです。


日本人は、平和に対して軽率なのか?

平和なこの国で暮らしている、日本人はそのことにありがたさを感じているかといえば、どうやらそうではないように感じるのです。

お客さんを見ていると、見知らぬどうしが、はだかで湯ぶねにつかる平和は当たり前であると思っている節がある。

大抵の人が多分そうなんだろうな!

そして、討論番組なんかでは、学識者だとか、コメンテーターなる人たちが、こういった日本人を、平和ボケをしていると危機感を煽る。

この国は、ディズニーランド化しているおめでたい国だ!と力説する政治家もいるくらいだ!

彼らから言わせれば、僕は平和ボケした人たちに、平和ボケを満喫できる場所を提供している人なのだろう。

この議論がなされるたびに、「メキシコの漁師とM B Aホルダーのビジネスマン」の話を思い出す。

「メキシコの漁師とM B Aホルダーのビジネスマン」


メキシコの田舎の漁師まち。海岸に小さなボートが停泊していた。地元のメキシコ人の漁師が小さな網に魚をとってきたばかりだった。魚はどれも、活きがよく、とてもおいしそうなものばかりだ。

たまたま、この町を旅行していたアメリカ人が、この場面に遭遇した。彼はハーバード大学でMBAを取得したビジネスマンだった。

彼は漁師が釣ってきた魚を見て、この漁師にたずねた。
「すばらしい魚だね。これだけの獲物をとるにはずいぶん時間がかかるでしょう?」

すると漁師は
「時間はそんなにかからないよ」と答えた。

旅行者が
「だったら、もっと漁をしたら、もっと魚が獲れるだろうね。」と言うと、

漁師は、
「自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だ!」
と言った。

旅行者はたずねた
「それじゃあ、あまった時間はいったい何をしているの?」

漁師は答えた、
「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子どもと遊んで、女房と昼休憩を楽しむ。 夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって、だいたい、これで一日がすぎてゆくね」

すると旅行者は漁師に向かってこう言った、
「ぼくは、ハーバードでMBAを取得したのだけど、きみにアドバイスしよう。きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。 あまった魚は売ろうよ。利益が出たら、大きな漁船を買う。そうすると漁獲高は上がり、儲けはさらに増えるよ。」

さらに、旅人はつづけた、
「儲けたお金を貯めて、漁船をさらに増やしていくんだ。やがて大漁船団ができるだろう。そうなれば、仲介人に魚を卸す商売はやめだ!自前の水産品加工工場を建てて、獲ってきた魚を加工して販売する、そんな商売に切り替えるんだ」

旅人は、興奮気味にこの話を締めくくった、
「その頃にはきみはこのちっぽけなまちを出て、メキシコシティに引っ越しているだろう。それどころか、ロサンゼルス、ニューヨークへと進出しているかもしれない。そうなると、きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとっているだろう」

漁師は尋ねた。
「それはすごいな!そうなるまでにどれくらいの時間がかかるだろうか?」

旅人は答える
「20年、いやおそらく25年でそこまでいくと思うな」

漁師は旅人の目をまっすぐに見て訊ねた
「そうなったら、どうなるの?」

旅人は、待ってましたとばかりに満面の笑みで答えた
「どうなるの? そう、それは本当にすごいことになるよ。今度は、君の会社の株を売却して、きみは億万長者になるのさ」

ドヤ顔の旅人に、漁師はさらに訊ねる
「それで?」

漁師の質問をややいぶかしげに感じながら旅人は答えた、
「それでっ・・・?そうだな、そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に別荘を購入するのさ。日が高くなるまでゆっくり寝て、 日中は釣りをしたり、孫たちと遊んだり、奥さんと昼間時間はゆっくり過ごせばいい。さらに、夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって過ごすんだ。 どうだい。すばらしいだろう」

結構有名な話なので、ご存知の方も多いと思う。

この話に照らし合わせてみると、日本の「平和ボケ」問題は本当に良くないことなのだろうか?


無条件の平和を所与のものとする現在は本当に危険なのだろうか?

緊張感を煽ったその先に目指すものとはどんな世界なのだろうか?

それは、今の「平和ボケ」と言われる世界じゃないのかな、ならば今のままでよくはないのだろうかとも思うのである。

本当の癒しは、緊張感から解放された時に感じる

では、僕は今の平和を当たり前のものとしてボケまくれ!と言いたいわけではない。

世界は現在193の国連の会員国と、国連のオブザーバー国である、パレスチナ、バチカンを含めて195カ国で構成されている。この中で、徴兵制度がある国は約60カ国。

徴兵制度のある国には、フィンランド、ノルウエー、スイスも含まれている。2024年度世界幸福度ランキングでフィンランドは1位、ノルウエーは7位、スイスは9位なのだ。(国連・持続可能な開発解決策ネットワーク)

これに対して、「平和ボケ」の我が国は50位、お隣の韓国は51位、ちなみに韓国には徴兵制がある。

また、国連には国として認められていない台湾は、常に中国からの脅威にさらされている。近年台湾は徴兵制から志願兵制への移行を進めており、職業軍人制度が主流となっているものの、現在でも短期間の軍事訓練が義務がある。

昨今の緊張感の中で徴兵制の再強化が議論されているようだが、先日そんな台湾を旅してきた。街は活気にあふれ、人々はみなほがらかで優しい人たちだった。

この国に60年生きて思うこと

「平和ボケ」と言われる国で60年間生きてきました。

そして、おふろ屋さんとして、多くの平和で、幸福そうな、ほっ!としたお客さんの顔を見てきたからこそ感じることがあります。

おふろにつかるお客さまの多くは、日頃の疲れを癒しにこられている。何の悩みもなく、悠々自適な人などほとんどいない。

懸命に生きているからこそ、疲れるし、そういった状態だからこと湯船につかることで大きな癒し効果を得ることができるだなってことを!

だから、この先も、この幸福で安心できる場所を守らなければならない!

そのためには、どうすべきかを真剣に考える必要があるのだと思うのです。

軍事費を増やせとか、徴兵制を考えろとか、そういったことが言いたいわけではない。

ただ、この平和を将来にわたってまもるにはどうすべきなのかということは僕たちひとりひとりの課題だと意識する。

世界幸福度ランキグ1位のフィンランドも、同じく7位のノルウェーも、徴兵制がある国です。

今年、ロシアの脅威に備えて、NATOの加盟が正式に認められました。そして、なんといっても両国は、日常的にサウナというおふろの文化を持っている!

60歳を超えて、鉄砲担いで戦場に赴くなんてまっぴらごめん、だからといって平和ボケした僕らのツケを若い人に押し付けるのは忍びない。

思いはただひとつ、いつまでものんびり露天風呂に浸かれる国でありたいってことだけです。


平和について関心を持つ、そこから始めるのでも良いのではないかな!答えのでない問題だけど、いっしょうけんめい考える。

そしたら、くたくたになるかもしれないけれど、おふろがそれを癒してくれるはずです。

最後に、お願いがあります。

しあわせな人生のレシピ、おふろでくつろぐ時間はそこに欠かせない素材です。あなたの人生を豊かにする、そんなおふろにまつわる話、人間模様をお伝えしています。よかったら、いいね💌、フォローおねがいします♨️


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