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ステロイドパルス入院十日目 ~退院→外界へ、難病申請、シャバは刺激が多いぜ

9月1日、夜も明けやらぬ5時ごろ 廊下から聞こえるTVの音で目が覚めました。

どうやら隣の爺様の部屋かららしい。
そういや昨夜「明日は朝5時半ごろから点滴しますねー」となかなか酷なことを看護師さんが言ってたのが聞こえたっけ。
点滴するのにBGMはいらないだろーよー。

結局 入院中毎晩1時ごろに尿意で目が覚めてトイレへ行くサイクルは変わらなかったので、微妙に寝不足感。
ステロイド点滴の高揚感で退院等々の諸事を乗り切るしかありません。

今日は私も朝食前から点滴の予定。
チューブつないだままご飯食べるのも絵的にイヤなのでとっとと入れて欲しいんだけど、
なかなか看護師さんが来ない。

向かいの処置室から
「抜いたら危ないですよー」「あー、ちょちょちょッ待ってッ」と聞こえるのは、
先日夜中に搬入された叫ぶ患者さんがまた近隣の部屋に舞い戻ってきている模様。
今日は叫んでいませんでしたが、
入れられている点滴が嫌だと訴えているらしき声が聞こえます。
隣の部屋の爺様といい叫ぶ患者さんといい 今朝の当番の看護師さんは当たり日だなァ。

なんて考えてたら6時半、反時計回りにスライドさせるような揺れッ!
地震までしゃしゃり出てくるとは、あぁもうなんて退院日だ。

6時40分、検診。血圧89-131、体温36.6℃、血糖98、体重48.4kg。
お待ちかね 最後のステロイド点滴スタート。
点滴液、落ちるの今回遅いような?

TVの地震情報を眺めながら待ちますが、いつもは8時に来る朝食まで今日は遅れ気味。
1時間半たっても半分近く残ってる点滴が終わってからじゃあるまいなと思ってたら 30分遅れで来た来た、最後の病院食です。

低蛋白ご飯130g、白菜の味噌汁、厚焼き卵、フラワーサラダ、味付けのり、カロリーミックス
(574kcal、たんぱく質9.0g、脂質9.8g、塩分1.54g)

この10日間 命をつないでくれた食事を代表して(チューブがつながったままの)手を合わせます。
ご馳走様でした!

食事が終わっても点滴が終わりません。
スピード調整のダイヤルに手を伸ばしたくなる衝動と闘いつつ 点滴ポールをゴロゴロ転がしながら部屋の片付けを開始。
とはいえチューブがつながったままなので着替えもままならず。
前回の腎生検のときは全て片付けが終わって30分以上放置されたので
今回もそう慌てることはないだろうという目論見です。

薬剤師さんが来て退院後の薬について説明。
毎週水曜日のアレンドロン錠の飲み忘れとタイミングを誤らないようにしなくては。

9時半すぎ、ようやく点滴終わり。
チューブと残留針から自由になって 着替えと外界に出るために簡単な顔とヘアメイク。
とはいえメガネとマスクでほとんど顔は隠れてるんですが。

さぁ片付いた、と思う間もなく看護師さんの忘れ物チェック。
そしてすかさず事務スタッフさんから居酒屋の勘定書きのような合計金額のお渡し。
「あとは清算して終わりでーす」

えッ、今日は先生来ないのッ?!
入院中のお礼とか最後に確認しときたかったアルコールの問題とかあったんだけど…
こっちから召喚要求できるもんでもなし、ま いっか と病室を後にします。
眺めのいい部屋で良かったなぁ。

トートバッグ2つと差し入れの本・雑誌を入れたビニール袋、手回品の小バッグを抱えてスタッフステーションに声掛けし 清算窓口へ。
大荷物抱えて財布を開けたくなかったので ソファで旦那の到着を待ちます。
私と同じく退院していく様子の人 これから入院生活に入るらしい人が行き来します。
荷物をキャリーバッグに詰める海外旅行スタイルもアリだなァ。

旦那が到着したので荷物番を申しつけ、ATMでおろしたお金で清算。
139,880円也。ォォウ10日分の個室代は莫大ナリィ…。
TVカードの清算も忘れず済ませます。1000円くらい返ってきてウレシイ。

病院の玄関を出ます。ふわっと吹いてきた風に…蒸し暑さがナイ。
入院している間に夏が終わっていました。

駐車場まで歩く足取りがふわふわして心もとない感じです。
ステロイドと退院の高揚感のせいか 車のシートに座っても動悸が収まりません。
手がカッカして熱を持ってる感覚も これまでより強くあります。
やはりベッド上で安静にしている状況とは違うのね。

このまま自宅に直行して猫がちゅん。を覚えているか確認したいところですが、
その前にやらねばならぬことが。
平日しか開いてないお役所で難病申請を済ませておかなくてはいけません。
病院でもらった臨床調査個人票と健康保険証、印鑑を握りしめて区役所へと向かいます。
ぅわ、よりによって色んな手続きが集中しそうな9月1日だよ。
時間がかかるかもしれないからポケGOでもやってて と旦那に言って まずは総合案内へ。

特定疾患医療受給者証の申請をしたいんですが、と伝えると保健福祉課へ案内されました。
窓口で再度要件を伝えると 係員さんが申請書を探しにしばし離席。
あんまり登場回数の多い書類じゃないんだろうなぁ。
手続きどうするんだっけ、臨床調査個人票ある?みたいなやりとりを向こうの方でしています。

やっと出てきた「特定医療費(指定難病)支給認定申請書」に記入・捺印。
一緒に所得課税証明書と住民票の申請書、保険者への適用区分照会のための同意書にも記入・捺印。
市民課関係の書類もこちらの窓口に持ってきてもらったので助かります。
ただでさえこーゆー間違っちゃいけない書類の記入でミスを犯しがちな性格の上に
今日はステロイド点滴と退院のバタバタが重なってるので、しつこいほど確認しながら書き進めていきます。
保険証のコピーを取られて提出。

所得課税証明書と住民票の申請書を持って市民課窓口へ。さすがに発行まではワンストップ窓口では無理なのね。
幸い市民課も空いていて すぐ書類をゲットできました。300円×2通。

ゲットした書類を持って 最初の保健福祉課へ。
提出してものの5分くらいで「平成28年9月1日 指定難病の申請を受け付けました」という用紙を受け取りました。
これで申請作業は終了。
これから福岡県庁で審査があって、スムーズにいけば11月末頃に受給者証が郵送されてくるそうです。
受給者証発行までの払い戻し方法も記載されていました。払い戻し金入金まで6カ月かー、気の長い話だなー。

何枚もの書類に住所・氏名・生年月日の記入、捺印をしまくったものの 全体でかかった時間は30分くらい。
思ったより早かったです。
ホントこの制度についてブログに書いていてくれたセンパイ、マジサンクスです。

区役所を出たとこで 職場に退院の報告。
大丈夫?「ステロイド点滴したばかりで胸がトキめいてますが大丈夫です」

猫に会いたい気持ちを抑えつつ 最寄りのショッピングモールへ。
職場への退院挨拶のお菓子と相棒さんへのお礼の品を購入。

前回も思ったんだけど、
観光地にある「◯◯へ行ってきました」とプリントしてるクッキーみたいに「退院してきました」「入院中ご迷惑おかけしました」とプリントしたクッキーをどこかネット販売してくれたらイイのに。
仕方ないので病院を連想させる白っぽいパッケージのお菓子を買いました。

ついでに薬を入れるポーチを新調。
おチビさんのプレドニンも一日6錠×30日分、朝のバクタ配合錠、夜のランソプラゾール、毎週水曜日のアレンドロン錠(パッケージでかい)となるとかなりの嵩になります。毎回手にとるものなので 気に入ったデザインのものだと気分も良いってもンです。
メッシュで視認性が良く 薬がピッタリ収まるサイズのポーチがセールになってたのでホクホクとお買い上げ。

さて いよいよ猫とご対面。
10日も不在だとすっかり忘れてて 宅急便の人に対してみたいに逃げちゃうんじゃない?などと話しつつ、
ちゅん。だけで部屋に乗り込んでみます。
…フツーに「ニャーン」と出迎えてくれましたね。
過剰でもなく そっけなくもなく。
天晴れな平常心。
人間もかくありたいものです。

久々の足の匂いだニャーン。

荷物を置いて 部屋着に着替えて、まずは祝杯(←酒飲み夫婦なんですスミマセン)。
だって最後 先生に確認しようとしたけど居なかったんだもん、
と言い訳をツマミにしたせいか 愛してやまないハートランドビールが何だか苦いです。
舌の付け根に苦味の巣があって それがビール全体に広がるような。
ステロイドの影響でしょうか。それでも飲んじゃうんだけど。
合間に塩分の少なそうな豆菓子をつまみました。

苦い祝杯を空けて 簡単に荷物をバラし、さて一息 と座布団に寝転がりますが、
なんてこと 動悸が収まりません。
横になってるのに 階段を登ってるときのごとく心臓が頑張っています。
10日ぶりのアルコールのせいかもしれませんが。

加えて ゆっくりしたいのに 頭に次々とやらなきゃいけない事が浮かんできます。
床に落ちてる猫の抜け毛が気になってコロコロかけたり あっちの荷物をこっちに持ってきたり、
アレもしなきゃ コレもしなきゃという考えが脅迫的に頭に湧いてきて 片付けばかりしています。

これはステロイドの亢進作用だ、間違いない。
入院中は刺激のない病室にいたから気にならなかったけど、
雑多な自宅では色んなことが気になって仕方ないんだ。

あまり動き回っては疲れて明日からの仕事に差し障るかもしれません。
スマホゲームなど始めて強制的に身体をじっとさせる作戦に出ますが あまり集中できない。
まぁ 今日は常人の100倍のステロイド点滴だったから 多少の興奮は仕方ない、
明日からはプレドニン錠剤だから いくらか落ち着くかもしれないし と理性の手綱の先で暴れたがる身体を静観することにします。
おかげで10日ぶりの湯船もあまりゆっくり堪能できませんでした。動悸が気になるんですよねー。

風呂上がり、化粧水を叩く手の感覚が なんだかフワフワします。
顔が…昼間より浮腫んでる?
アルコールを飲んで湯船につかったせいで血行促進されているのかも知れませんが 顔の表面の血管が何やら活動的になっているのを感じます。
来るか…ついに来るのか ムーンフェイスッ。
薬の作用だからリンパ腺のマッサージなんかしたって仕方ない、
明日 鏡の前に立つ瞬間を怖楽しみにしつつマスクを装着してベッドに入ります。

意識の上層は亢進して覚醒しているんだけど 根底の方で眠りを求めているような 奇妙な感覚です。
それでも明日のために眠らねば。
身体は久々の活動で疲れているはずだ。

明日から復帰する仕事のことや ステロイドを服用しながらの生活、制限色々の食事のことなど 頭ぐるぐるのまま、
今日はこれでおしまい。

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