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うろうろと庭を歩いていたら、柿が一つ地面に落ちていた。

大抵は熟して落ちたものが多く、割れて虫も付いて食べられるものは殆ど無いけれど、その柿は硬さもちょうど良くとても綺麗。食べごろの状態だった。

こういうのをまさに天の恵みというんだろうか。

私たちは、育った食物は収穫する。

場合によっては早めに大地から抜き取り、枝からはもぎとる。

なんて思いながら、落ちた柿の木を見上げて他にも食べられそうな柿を探した。

熟した柿が全て落ちるわけでもなく、枝にくっついたまま、熟れた実に虫たちがたかっているのも幾つかはある。

その木の枝にも、だいぶ熟した柿の実から甘そうな液が出て固まっていて、うわー、、と見ていたら、その一つ奥の柿に何か懐かしいモノが止まっていることに気がついた。

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なんと、クワガタだった。

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久しぶり〜!!

わたしはここ数年全く見かけていなかった。

去年母が「クワガタがさっきそこに居たわ〜」と言っていたのは憶えていて、私も会いたいよーと思ってはいたけれど、

昔、家を建て替える際に蜜が良く出る大木を切ってしまってから、見かけることも無くなってしまい、大人になって関心も薄まってしまったし、家を出ていた期間も多く、今みたいに庭をうろつくこともあまり無かった。

久しぶりのご対面が、柿を求めるという同じ食いしんぼうだったのだから笑う。

「そりゃおいしいもんね」

我が家には南側に4、5本、西と北側にも数本古い柿の木があるが、ほとんどが胡麻ガキといって、ゴマの様に黒い点々が詰まっている硬めの甘い柿である。関東に多い甘百目(あまひゃくめ)と言うらしい。

美味しく食べられるまでには、ボトボト落ちて臭うし大変なんだけれど、

たくさんの鳥たちが楽しみに食べにくるし、私たちもあやかれるので、やっぱり上を見上げてはワクワクしながらもぎとってしまうのである。

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落ちていてくれてありがとう、と写真を撮っていたら目の前の網戸に思わぬ訪問者がいた。

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キリギリス、かな。

触覚長いね。


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