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【日本の夏】もうすぐお盆だからホラー映画の話をしよう【ホラーの夏】

やあ、みんな!
毎日毎日僕らは鉄板のような暑さの太陽光にさらされて嫌になっちゃうね!!!!!(泳げたいやきくんみたいな言い方)

さて、もうすぐお盆ということで。
お盆といえばホラー!!
「怖い話で涼しくなる」という日本特有のこの文化、本当に素晴らしい。
最高。
今回はそんなオカルトや怪談が大好物な私がホラー映画を紹介します。
お盆休みに見てみんなでゾッとしよう!!!!!


■地獄の警備員 ★★★☆☆(星3.5)

・あらすじ

主人公・秋子は、美術館の学芸員をやっていた経験を活かして、一流企業の絵画取引部門・12課で働くことになる。初出勤日、会社の入り口で警備員・間宮に顔写真の提示を求められ、用意してきた自分の写真を提出する秋子。
警備員・間宮は、同僚の警備員・白井に借金をしており、返済できずに頭を抱えていた。その話を新人警備員の富士丸が静かに聞いているのだが、そんな富士丸の手には間宮が回収した秋子の顔写真が握られていた。
富士丸は元力士で、殺人を犯して逮捕されたが精神鑑定によって無罪となり、社会復帰としてこの会社の警備員になっていたのだった。
次の日、警備員の控室のロッカーから白井の死体が発見され…。


・松重豊が富士丸を怪演する人怖ホラー

「CURE」「回路」などを手掛ける巨匠・黒澤清監督の作品である本作。
不気味な警備員・富士丸を「孤独のグルメ」の主演でお馴染みの松重豊が演じている。
「世にも奇妙な物語」の「懲役30日」の刑務官役に匹敵するような怪演っぷりで、めちゃくちゃ気味が悪い。
この映画は俗に言う超常現象系ではなく、人間が怖い、通称・人怖(ヒトコワ)の部類に入る。
結局生きている人間が一番怖い。

・黒澤清が得意な、じわじわと迫ってくる恐怖

黒澤清監督作品はチープな「怪異がどーーーん!!」みたいな演出はなく、じわじわと恐怖が迫ってきて、徐々に追い詰められるような、絶妙に気分が悪くなるような演出が多い。本作はそれを存分に楽しめるが、この演出は苦手な人はめちゃくちゃ苦手だと思う。怖いもん。

以前テレビで不定期放送されていた「学校の怪談」シリーズにも黒澤監督は時々参加していたのだが、黒澤監督の作品はめちゃくちゃガチで、一応子どもも見られるようにしていたのであろうシリーズが途端に大人でも怖い仕上がりになっていたのをよく覚えている。
「学校の怪談G」にて監督した「木霊」のラストシーンは最高に気味悪くて、今でも忘れられない。また、「学校の怪談 物の怪スペシャル」「花子さん」もめちゃくちゃ怖かった。トラウマもんよ。
「学校の怪談G」あたりから、制作サイドもあきらかにガチな方向にシフトしており、この「学校の怪談G」には「呪怨」シリーズの清水崇監督も参加している。ちなみに清水監督はこの「学校の怪談G」にて、呪怨のプロトタイプと思しき作品に伽倻子と俊雄を出演させている。
この「学校の怪談」シリーズについても今度書こうかな。


■来る ★★★★☆(星4)

・あらすじ

会社では良き夫・良き父親として認知されている会社員、田原。
しかし実態は育児などせず、妻に寄り添うこともない、なのに「自分は良いパパだ」とブログで猛アピールする承認欲求の塊のような男だった。
ある日を境にそんな田原の周りで怪奇現象が頻発するようになる。それによって田原にある記憶が蘇る。
「ぼぎわんが来る」
田原は幼少期、赤い靴の女の子に「お前は嘘つきだから、ぼぎわんが連れ去りに来る」と言われたことを思い出し、恐怖する。
友人のつてでオカルトに詳しいルポライター・野崎と知り合い、さらにその繋がりで比嘉真琴と出会い、その結果、真琴の姉で日本最強といわれる霊能力者・比嘉琴子と出会う。とてつもない妖力を感じ取った琴子は自分ひとりでは対処できないと判断し、日本全国から除霊師たちを召集。”アレ”との全面対決に挑むのだった。


・除霊アヴェンジャーズ、アッセンブル!!

政治家までもを顧客に持ち、警察すらも動かすことができるほどの霊能力の持ち主・琴子。そんな琴子でさえ「一人では勝てない」と思うほどの強敵は、姿を見せぬ”アレ”。”アレ”とは田原が幼少期に少女に言われた「ぼぎわん」であり、ぼぎわんとは、ブギーマンのことである。ブギーマンは色んな土地の民間伝承に登場する正体不明の怪物で、これといった特定の姿を持たない。ゆえに”アレ”は姿を見せないのである。
そんな”アレ”を倒すため、琴子は「使えるものは何でも使う」の精神で宗教や信仰を一切無視して「本物の能力がある除霊師」を全国各地から召集する。
神道の神官、巫女、ユタ、僧侶、果てはゴーストバスターズのような科学者までもが琴子のもとに集められる。完全に除霊アヴェンジャーズである。
あらゆる宗教や信仰の壁を超え、琴子のもとに除霊師たちが集まるシーンは圧巻。個人的には神官4人組が好きなのだが、どうやら映画のオリジナルキャラクターらしい。


・グロが苦手な人は注意

もうとにかく”アレ”にこてんぱんにやられるので、まあまあ心が重くなる話ではあるが、妻夫木聡の演じる田原に関してはあまりにもクズなので視聴者の中で田原へのヘイトが溜まり、田原が痛い目にあうシーンに関しては「ざまぁ見ろ」と思う人も多いと思われる。それくらいクズ。
ただ、怪奇現象が始まってからはグロテスクのオンパレードなので、耐性がない方はかなり見るのがしんどいと思われる。
間違っても食事中には絶対に見ないように。

また、子どもが結構つらい目に合うシーンもあるため、小さなお子さんを育てる親御さんや、妊活中の方にはあまり積極的にはおすすめしないかも。


■残穢 ★★★★★(星5)

いやー、私この映画すごい好きなんですよ。以前も書いたんだけどちょっと改めて書いてみます。

・あらすじ

ある日、作家の〈私〉のもとにある女性から手紙が届く。ホラー作品も執筆する〈私〉のもとには、たびたびこうして読者からの心霊体験や不思議な体験、果てはそれに関する相談が持ちかけられている。
この手紙を送ってきた読者の女性は、「引っ越してきたマンションの部屋がおかしいのです」と言う。
なんでも謎の物音から始まり、ついに妙なものを見たという。
〈私〉はこの話と共通する話が、別の読者からの手紙にも記されていたことを思い出し、この奇妙な一致を発端として、怪談作家の平岡らと共にこの一連の怪奇現象の調査を開始する。

・安っぽい展開もなく、”怖い”と”びっくり”の混同もない、素晴らしい演出

この映画は「ほんとにあった!呪いのビデオ」でお馴染みの中村義洋監督の作品なのだが、ホラー映画にありがちな「なんかよくわからないけど関係者が全滅する」とか「なんかよくわかんないんだけど理不尽に登場人物たちが次々呪われる」みたいな安っぽい展開がないのが素晴らしい
もうね、ほんとに多いのよ、「理由の説明とか何もなく、ただ登場人物が呪われて終了します!!」みたいなしょうもない脚本の映画。
でもこの映画はちゃんと「なぜこうなのか」を調査していくのでとても面白い。
実際、私のようなオカルト好きや怪談作家というのは、古地図まで引っ張り出してきて怪異の原因を突き止めようとする人が多いんですけど笑、この映画の〈私〉もちゃんと原因を探るんですよね。
「怪異の発端がどこかにあるだろ!!」というその好奇心というか執念は、怪談好きは「わかるわ〜〜〜」と思うはず。

この映画、脚本が鈴木謙一さんなのだが、「仄暗い水の底から」「アヒルと鴨のコインロッカー」「ゴールデンスランバー」などの脚本も手掛けており、中村義洋監督とも何度もタッグを組んでいる。そりゃあ面白いわけだわ。

振り向いたら幽霊がバーーーーン!!!!!みたいな、死ぬほどしょうもないことやってくるホラー映画って多いじゃん。
でもこの映画はそれがない。私は”怖い”というのと”びっくり”を混同しているホラーがめっっっっちゃ嫌いなのだが、この映画はちゃんとそこをわかっている。しょうもないびっくりとかなしで、ずっとジメジメしたジャパニーズ・ホラー特有の空気感を維持している。最高。

・実在の人物の登場によりリアルさが増す世界観

この映画、「『超』怖い話」シリーズの平山夢明や、「忌談」シリーズの福澤徹三が登場人物として作中に出てくるのだが、実在の作家が出てくることでホラーファンは嬉しいし、作品自体にちょっとモキュメンタリーっぽいリアルさが出るので面白い。
平山夢明は映画の中では好奇心から〈私〉と共に一連の事件を調査する作家・平岡芳明として登場し、福澤徹三は心霊マニア・三澤徹三として登場している。

この「残穢」のスピンオフというか、関連作品の「鬼談百景」も面白いので是非。


また、「どんでん返し系映画」も大好物な私ですが、先述の「アヒルと鴨のコインロッカー」も面白いのでおすすめ!


■学校の怪談1〜4 ★★★★★(星5)

この「学校の怪談」シリーズは、正直脚本の面白さとかそんなことはどうでもよくて、もうめちゃくちゃ懐かしいし、幼少期の私の思い出が詰まりまくってるので星5です。贔屓しててすまん。
以下、超ざっくり紹介します。

・学校の怪談

夏休み目前の終業式の日の学校。小学校2年生の美夏は忘れ物を取りに学校に戻った際に不思議なサッカーボールを目にする。
この学校には旧校舎があり、そこにはおばけが出るともっぱら噂だった。ボールにつられた美夏はそのまま噂の旧校舎へ入ってしまう。
その後美夏を探しに来た姉・亜樹や、亜樹のクラスメートの研輔たちも旧校舎へ入ってしまう。
旧校舎で次々に怪異に襲われる生徒たち。亜樹たちと担任・小向先生は、無事に美夏を助け出し、この旧校舎から脱出できるか!?


・学校の怪談2

ある小学校の隣のお寺。そこには塾の合宿でやってきた都会っ子たちと、地元の子どもたちが集まって、肝試しの余興に和尚から怪談話を聞かされていた。「30年前の4月4日4時44分。南小学校で、事件があった。それからというもの、4月4日4時44分には、誰もあの学校には近寄らないんだ」。
肝試しが始まる直前、塾の講師が寺泥棒と遭遇したことで事態は一変、肝試しは中止になるが、それを知らない準備役の生徒たちと、すでに肝試しに出発してしまった生徒たちは学校にいた。
そんな折、塾の生徒・憲のスニーカーが時計台の歯車に挟まり、時計の針は4時44分で止まってしまう。まるで封印が解かれたかのように、学校にはおばけたちが溢れ出す。彼らは無事に帰ることができるのか!?


・学校の怪談3

槙町小学校には、「タイチの亡霊」の噂があった。なんでも運動会の二人三脚で転んでしまうと、タイチに目をつけられて鏡の中に引きずり込まれるという。
運動会の後の夜の学校に、タイチの噂に興味津々の良、繭子、茜、真琴が忍び込むが、運動会の二人三脚で転んでしまった繭子が鏡の中へ吸い込まれてしまう。助けようとした良と、茜、真琴、八橋先生、挙句の果てには良の母の再婚相手の連れ子である悟と柚香まで学校に来てしまい、全員鏡の中へ入ってしまう。すべてがあべこべの鏡の世界で、彼らはおばけたちの魔の手をかいくぐり、元の世界へ戻れるか!?


・学校の怪談4

夏休みに海辺の街へやってきた、恒と弥恵の兄妹。ところが彼らがやってきた日に限って街は大型台風に見舞われてしまう。そんな二人に従姉妹は「嵐の日には、海から死んだ人の霊が戻って来るんだよ」と言う。
次の日から、街に異変が起こった。子どもたちが次々と消えていくのだ。
やがて恒も「古い木造校舎で、知らない子たちと延々とかくれんぼをする」という夢を見るようになり、おかしな行動をとりはじめる。そしてとうとう、恒は弥恵の前から姿を消してしまい…。


・子どもから大人まで楽しめるホラー

1〜4まで、基本的に子ども向けに作られているためコメディ要素も多く、子どもでも楽しめるため、ファミリー向け。
幼稚園児だったころからオカルトや怪談が大好物だった私はこのシリーズが大好きだった。
が、1に登場する口裂け女なんかは造形が結構すごくて、まあまあ怖い。ちゃんと怖い部分は怖く作ってあるところにこだわりを感じる。
みんな大好き・前田亜季は2と3に出演。

4だけちょっと他と雰囲気が違い、1〜3は妖怪や有名な怪異がメインとして登場するのに対し、4のメインは幽霊で、一気に怪談色が強くなった。

注意点がひとつあり、4には物語の都合上、津波のシーンが描かれる。
センシティブな人は4は見ない方がいいかもしれません。


さて、長くなったので今回はここまでにしておきます。
次は洋画ホラーについて書こうかな。
みなさん、おすすめのホラーあったら教えてください。
「このホラー映画について書いて!」とかもあればコメント欄に是非。

サポートなんてしていただいた日には狂喜します。 その喜びを肴にして酒を飲みます。 もちろんサポートしていただいた方からのリクエストは優先的に記事にします。