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恋をしようぜ

先日、良き友人であり、良き同僚であり、素晴らしいデザイナーの二人が
めでたく結婚式をあげた。
俺は当然出席し、当然泣いた。

本当に良い式だったんだけど、なにが良かったかっていえば、二人の絆が感じられたってとこだし、出席した人たちからの愛を感じたところ。
お互いが支え合ってるっていうのを肌で感じれた式。

心からおめでとう。

しかしなぁ、恋をするってのは、色々あるわけで、楽しいことばかりじゃぁないわけで。だけど、だからこそ大事なわけで。

親や家族、友達、ましてや学校なんかじゃ絶対に教えてくれない何かを教えてくれるのが「恋をする」ということ。

その先の絶頂があの結婚式の二人だったんだと思う。

だからこそ、少年よ。大志など抱かなくていいんだぜ。
恋をしようぜ、恋を。


——


少年「ねぇパパ、結婚式たのしかった?」

息子は6才。今年友人の結婚式に家族で参加したこともあって、
結婚式がなんたるや、ということは知っている。

「おお。楽しかったなぁ」

少年「ケーキ食べた?」

「食べたなぁ」

少年「いいなぁ」

そこ?まぁまだそんなもんだよな。
でも、もう6才。恋をしたっておかしくない。
というか、彼が好きな子なら、もう知っている。
自分で公言してるしな。

「おまえもさ、好きな子いるんだろ?」

息子「いるよ」

「A子ちゃんだろ?」

息子「そうだけど」

「どうなのよ」

息子「何が?」

「何が?っておまえ。どうなのよ、仲良くしてんのか?」

息子「仲良いよ」


ん〜まだ彼女とかいう歳でもないしな。
仲が良いのならそれでいいか。
これ以上聞くのは野暮ってもんだぜ。


息子「俺も結婚式したいなぁ」

!?

「したい?行きたいじゃなくて?」

息子「したい」


穏やかな朝を、一瞬にして不穏な空気100%へと変える。

ヤツの必殺技のひとつ。


「でもさ、相手がいないとできないんだぜ、結婚式ってのは」

息子「ママとやるよ」


おかしい。犯罪ではない(のか?)かもしれないが、
想像しただけでもヤバい。
新郎の親として、新婦の夫としての出席。
あかーん。


「いやママはダメだよ。」

息子「なんで?」

「だってママはパパのお嫁さんだろ?」

息子「えー」


えー、じゃねーから。


「おまえもさ、好きな人とやるんだよ」

息子「じゃママでいいじゃん」

「あーごめん、なんつうの?例えばA子ちゃんだよ。好きなんだろ?」

息子「好きだよ」

「じゃ、おまえは将来、A子ちゃんと結婚できるように頑張れよ」

息子「何を頑張んの?」

「そーなー。まずは、A子ちゃんが困ってたら助けてやれよ」

息子「いつも助けてもらってはいるけどね!」


お客さん、、そこカッコつけるとこじゃないですよー


「だめじゃねーかよ!おまえが助けるんだよ!!」

息子「どうやって?」

「そんなもんは自分で考えろよ!A子ちゃんを好きなのは、おまえだろ?」

息子「難しいよなぁ」

「そんなやつ、結婚式なんて一生できねーぞ」

息子「それはヤバいね」

(おまえは、最初からヤバイいよ)


でもね、好きになるってこともラヴなのかライクなのかってね。
そもそも子どもだから、わからないよね。
友達としてなのか、女性としてなのか。
彼が、恋に恋い焦がれ恋に泣くのは、もう少し先の話だろうな。
でも、いいと思うぜ。


息子「パパ!わかったよ!」


「おおおお!??なにが?」
(もう終わったんじゃねーの?この話し、、)

息子「A子ちゃんを助ける方法!」

「おお!そうか!よかったな!で?」

息子「あのさ、敵がせめてくるんだよね。俺たちの街に」

「敵、、、?」

息子「そうそう敵。で、やべーんだよ、危険。超危険」

「おおお、お落ち着けよ、、」

息子「そこでA子ちゃんも捕まっちゃうんだよ。敵に」

「はぁ。で?」

息子「そこで、俺が登場するわけ!!」

「はい」

息子「でさ!変身して戦ってA子ちゃんを守るってわけ!わかる!?」


わかるけど、わかんねーよ。でも面倒臭いからな、終わらせよう。。


「はい、わかります」

息子「オッケー!」

「はぁ、どうもです。」

「でもさぁ、問題があってさぁ」

「はぁ?」


息子「変身ベルトが、ねぇんだよなぁ〜」


ないね!ないよね!だから!??


息子「だからさ、パパ!変身ベルトをさ!買って・・」



恋をしろよ!恋を!







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