見出し画像

「アメリカ消防士の生活」凝った編集技術を見逃すな!

最近、映画の歴史について勉強しているのですが、度々でてくるポーター監督の作品「アメリカ消防士の生活」について少し書きたいと思います。この作品は特殊な編集技術が用いられていて、これが今後の映画にも影響が与えられているそうです。

作品概要

公開年:1903年
監督:エドウィン・S・ポーター
出演:アーサー・ライト、ビビアン・ヴォーン
内容:燃えさかる建物から女性と子供を救う消防夫の姿を描く。

エドウィン・S・ポーターについて

ポーターまでの映画は、「映写技術があって、画面に映し出された映像が動く」それだけが一つの興行となっており、物語などはなかったのです。先日記事に書いた「ラ・シオタ駅への列車の到着」なども物語りはないですよね。「画像が動く」それだけでよかった。しかしながら、ポーターの誕生によってそれが大きく覆されていくことになる。そう「物語性」を加えていくことになるのである。特に「大列車強盗」ではそれが如実に表れている。「大列車強盗」についてはまた別で記事書こうと思います。

特殊な編集技術

見ていただければわかると思うが、本作には特殊な編集技術が用いられている。最後の場面にて、建物中からの救助の場面の建物外からの救助の場面を時系列を無視して描いているんですね。クロスカッティング手法に近い形かと思います。この手法が決定的になるのが「大列車強盗」となります。また、序盤の方でワイプのような形で家族を思い浮かべる姿を描いているのを見ると、編集というものに力を入れていたことが分かります。

まとめ感想

今回は映画史に欠かせないエドウィン・S・ポーター作品について書きました。彼の物語性ある映画に衝撃を受けて出てきた監督があの「国民の創生」のD・W・グリフィスです。ポーターがいなければおそらく今の映画の形も変わっていたでしょうね。

この記事が参加している募集

私のイチオシ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?