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味噌煮込みうどん(映画「護られなかった者たちへ」)

(なるべくネタバレしないように配慮していますけれどちょっとだけネタバレあり)

冬になると出てくるカボチャと味噌のハーモニー。味噌煮込みうどんでございます。ほうとうではなく、うどんを入れるためにこのような外見になりますが、その美味なこと。美味しいしあったまるしで、普通の煮込みうどん(めんつゆ味)と交互に登場します。

そこは被災地における、一戸建て。避難所から身を寄せて、食卓を囲んでうどんを食べる、おばあちゃんと子どもと若者の3人。赤の他人なのに、家族のようにお互いを拠り所にして過ごすシーンが出てくる映画、「護られなかった者たちへ」です。

若者は利根クン(演:佐藤健氏)。児童養護施設で生まれ育った天涯孤独な若者でした。子どもは「かんちゃん」といって、このコがこのお話のキーマンとなっていきます。おばあちゃんはけいさん(演:倍賞美津子氏)。

話は連続餓死殺人事件を追う刑事、笘篠(演:阿部寛氏)の過去と現在も入り混じって、この3人の過去と背負っている思いとが交錯してゆきます。あまりネタバレちゃいけませんが、見せる見せる。久しぶりにすさまじい映画を見ました。

名優が揃ったな、と思います。非言語の立ち居振る舞いがどの俳優さんも素晴らしく、特に佐藤健氏はこんなスゴイ俳優さんだったのかと驚愕。「いぬやしき」のときも凄みがありましたけれど、今回は少しPTSDみたいなものを抱えつつ、不条理に対峙しながらも必死に希望という蜘蛛の糸を探すかのように、崖を素手で登るように生きてゆく青年でした。

阿部寛氏も凄かった。武骨でアウトローに見えつつも中身は誰よりも優しい。そんな、演じるのが難しいキャラクターだったと思います。

そしてこの映画を見てみようかなと思ったきっかけが、とあるようつべの動画なのでした。有隣堂しか知らない世界でブッコローが密着した原作者さんです。中山七里氏のすさまじい1日の執筆定点カメラ動画。

引用:有隣堂しか知らない世界
【どんだけ稼いでるの?】職業作家の1日ルーティン ~有隣堂しか知らない世界067~

作家の先生ってめっちゃ凄い。Kindle本書いていても「作家」とは名乗らない自分でいようと思った理由のひとつとなった動画でございました。

(ブルーレイ)

(原作)


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