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資金調達を終えたSprocketのこれから ~CEO編~

2021年8月18日(水)、コーポレートサイトにて発表いたしました「資金調達の実施」を受けて、代表の深田さんにインタビューを行いました。創業から今まで、そしてこれからの意気込みを聞いています。早速ご覧ください。

Q1. まずは資金調達お疲れさまでした。目標に対しての達成度や満足度など、率直な感想をお聞かせください。

深田)
毎度のことですが、僕らのようなスタートアップにとって、資金調達をするタイミングというのは率直に言ってお金の残りを気にしながら行わざるを得ないタイミングです。無事乗り切れて本当に良かったです(笑)。

今回は結果として、当初想定していた金額以上に集めることが出来ました。これはいい意味で投資家さんから期待を頂けたということだと思いますし、僕らがこれまでやってきたことが評価を頂けたということは改めて事業への自信にもなりました。

また、既存の投資家さんにも今回いろいろな側面でご支援を頂いたことも感謝に堪えません。バイネームで挙げてしまいますが特にクロステック安岡さんには最初から最後まで手厚いサポートを頂きました。様々な方に支えられての調達活動だったと思います。

Q2.この後で「ここから先の展望」を大いに語っていただきたいのですが、資金調達に至る「これまでの事業フェーズの位置づけ」を簡単にお聞かせください。

深田)
振り返ってみると、「プロダクト」のスコープを一般的になSaaSの事業より広く捉えてきたことが良くも悪くも僕らの特徴でありオリジナリティだと思います。特にマーケティング領域においては、ソフトウェアとしてのプロダクトを提供し、お客さんがそれを使いだしても、その時点ではまだ価値が提供できていないことがほとんどです。

例えば経理系領域など、プロダクト利用と価値提供が非常に近い種類のSaaSがあります。僕らの領域は、Sprocketを使ってWeb接客シナリオを開始したとしても、A/Bテストしてみると結果が出ていない、ということはザラにあります。

ツールの使い方を熟知していることと、ツールを使って価値が生み出されているということのあいだに距離があるのが僕らの領域の特徴だと考えてきたので、僕らはプロダクトのスコープは「カスタマーサクセス」も含め、「価値が生み出されるところまで」をカバーするべきだというスタンスをずっと崩さずにやってきました。

その分時間はかかってしまったかもしれませんが、価値提供にまで安定して持っていける状態を作り上げ、お客様にもそれを実感いただけるようになってきた。今回の調達で評価いただいたのも、そのあたりかと思います。

Q3.そして「これからの展望」です。事業拡大に伴って、プロダクトやサービスをどのように成長させていくのか、成長させていきたいのか、わかりやすくイメージをお聞かせください。

深田)
社内的にはSprocketのSSS(トリプルS)と呼んでいるのですが、
 カスタマーサクセス業務を通じてツール利用から価値提供までの距離を短くするワザを発掘する
 発掘したワザをモデル化し、再現性のあるプロセスとして使えるようにする
 それをプロダクト化し、再利用性・効率性を高め、新たなワザを発掘できる余力を作る。→①に戻る

というサイクルを回し続けてきたこと、回し続けることが僕らの強み・オリジナリティの源泉だと考えています。今後のプロダクトやサービスの成長も基本的にはこのサイクルのなかから生み出されていくものがベースになっていきます。

詳細の説明はまだ出来ませんが、このSSSを回し続けることで、Sprocketプラットフォームに蓄積された行動データの読み解きをどのようにするべきかという知見はいろいろな形で溜まってきています。社内ツールとして様々なデータ分析ができるものがあり、プロダクト化が待たれています。僕らの独自性として「データから概要を掴む」ような視点でデータ分析の手法が磨かれていっており、これまでの分析ツールとは毛色の違うものを出していけるのではないかと考えています。

よくあるアクセス解析ツールなどでもそうですが、オンライン上の行動はかなり詳細に収集することが出来てしまいます。それをそのまま集計したり数値化・可視化すると「どのページが何回見られたか」「直帰率は何%か」「あるユーザーはどんなふうにうごいたか」など、ディテールは非常によくわかります。

ただ一方で、「だいたいどんなユーザーがいて、どんなふうに行動してるの?」というような概要を掴むような把握の仕方はなかなか難しい。ディテールが見えても施策のアイデアにはなかなかつながらないという課題がずっとあるなと思っていました。

僕らは自分たちのカスタマーサクセス業務を通じて、施策対象のユーザーが一定規模がないと十分な結果が得られないということが痛いほどよくわかっています。必然的に「そこそこの数のユーザーが困っていることはなにか」を見つけるにはどうすればいいか、を試行錯誤することになります。その結果がこうした「概要把握分析」ともいえるアウトプットを生み出すことにつながっています。

こうしたタネをどんどんプロダクトとしてアウトプットしていきたいですね。

もう少し先の未来としては、僕ら自身はコンバージョンの最適化を通じてユーザー体験の最適化をデータを通じて行ってきている、ということがキモになると考えています。DX、と言われだしてしばらく経ちますが、企業がDXを一定実践し、デジタルやデータの活用ができる土台ができてくれば来るほど、データを使った仮説検証のサイクルを定常的に回していくことで改善を繰り返すという能力が当たり前のように必要になってくるはずです。

そんな未来においては、現在僕らがやっていることを世の中の企業に横展開させて頂くことで、より幅広く貢献ができるようになるのではないかと考えています。

さらに先の未来としては、日本古来のおもてなしが教えてくれるような主客一体型・世界観共鳴型の関係性が・・・とお話を続けたいのですが、長くなるので一旦止めておきます(笑)。 ぜひ直接お会いした際にご質問下さい!

Q4.Sprocketが「これまで大切にしてきたこと」、事業や会社が大きく成長しようと「これからも守り続けていきたいこと」を教えてください。

深田)
そもそも創業以前から「人間ってなんだろう?どういうときにものを買いたくなるのか・今日は買わずに帰ろうと思うのか、サービスを長く使おうと思うのか・止めようと思うのか?」といったことにずっと関心がありました。2010年頃にゲーミフィケーションというコンセプトに興味を持ったのも同じ文脈です。人間心理を理解する、ということはずっと変わらない僕らの基本的な関心事になります。

さきほどカスタマーサクセス業務は、価値提供のために必須のピースだと思ってやっています、と言いました。そういうとかっこいいのですが、ひょっとすると本当は人間理解に興味があるからカスタマーサクセスのスコープを広くしてるんだ、のほうが正直な答えかもしれません(笑)。

カートで不安払拭してあげるとカート離脱が減るんだ!みたいな発見ができるのがこの事業の根本的に面白いところだと思いますし、その精神はずっと持ち続けたいですね。

競争戦略上もここは重要なところだと考えています。どうしてもデジタル上ではユーザーの顔が見えませんから、施策の結果から心情が読み解けたかを判断するしかありません。そうするとここはもうその試行錯誤を何回やってきたのか、ということになります。

1回の試行錯誤をするにも一定の時間がかかりますから、すでに3万回以上繰り返している僕らを追い抜かすことは、もはや他社には難しい水準にきていると思います。今後もこの強みを圧倒的なものにすべく、「世界一人間の心情をデータから読み解くための試行錯誤を繰り返す会社」であり続けたいですね。

Q5.一方で、これから事業や会社成長を加速させていく上で、「変えていきたいこと」、変わらなければいけないこと」はありますか。

深田)
これまではまだ人数も少なかったので、先ほどのトリプルSを実践するにもそれほど問題はおきませんでしたが、人数もこれから増えていくことを考えると、組織の仕組みとしてうまくまわしていくように色々な整理が必要だと考えています。

役割をうまく分担すること、暗黙的にやっていたこと形式化すること、直感を言語化すること、などをさらに進めていく必要があります。同時に新たな領域の人間理解ができるような取組も進めていく必要があります。対外的な発信もまだまだ弱い会社ですので、そこの強化も必要です。

僕らがやってきていることのうち、お客様にお伝えできていないことがたくさんあるのもとてももったいない・申し訳ない状態です。既存のお客様とのコミュニケーションのとり方ももっと幅を広げていかなければいけないと思っています。

やりたいことがまだまだたくさんありますので、採用もより強化して新しい方にもどんどん参画してきて頂きたいです。

Q6.最後に。事業成長に欠かせない要素は人材。今まさに採用を強化しているところですが、どんなマインドのメンバーに来て欲しいなど、これからジョインをするメンバーへの期待をお聞かせください。

深田)
改めて僕らのチャレンジを振り返ってみた時に、大きく3つのチャレンジをしていることに先日気づきました。そもそもやりたかった「人間理解をしていくことで、具体的に行動変容を生み出す事ができる」というチャレンジ。最近気づいたのが「SaaSのビジネスモデルにおいてカスタマーサクセスの位置づけを変える」というチャレンジ。実は創業からやっているのが「組織作りにおいて、仲間を信頼するという前提で設計する」というチャレンジです。

3つ目のチャレンジについては僕らの中でもどこまでその前提でやれるものなのか、という議論はずっとあります。今のところはまだ続けられると考えていますので、新しく入ってくれるメンバーにもそこを維持し続けることにも貢献してくれるといいなと思っています。

具体的には「大人である」「プロである」「事業成長にコミットする」ということをメンバーの前提として受け入れられること。あとは「自分の頭で考える」「声を上げる」「多様性を好む」「知恵を集約する」という行動を良しと出来ること。

note採用ブログを読んでいただいたり、実際に面談の過程で耳にされたりするなかでSprocketの「フラット性」や「自己責任度の高さ」についてお気づきの方も多いのではないかと思います。実際にかなりの程度そうだと思いますし、ひょっとすると多くの方にとっては想像以上にそうかもしれません。

ただ、物事にはなんでも良い面と悪い面があります。「フラットであり自己責任性が強い」ということは、逆に言うと「自分から率先して動けない場合にどうしてもパフォーマンスがでにくい」組織設計になっているということでもあります。

「自発性が大事!」という会社はヤマのようにあると思うのですが、普通は
 ●自発性は大事だけど、なくてもそんなに問題はない
 ●ありすぎると実は困る
みたいなことが同じくらいヤマのようにあるんだと思います。

当社の場合は
 ●自発性がないと評価をされにくい・パフォーマンスが出にくい
 ●あればあるほど活躍の機会が増す
というニュアンスです。

構造上、自分で考えて動けるかどうか、が根本的に問われることの多い組織なんだろうなと思います(「だろう」と僕が言うのも妙なんですが、組織というのもナマモノなので、意図通りに常になるわけではありませんので)。見ているとやはりそうなっているのかなと思いますので、年齢・経験というよりは自発性はかなり重要だと思います。

当社のnote採用ブログを開始して6ヵ月目、記事数にして24回目、これまで一度も深田さんが登場しなかった理由は、「調達で多忙をきわめていた」というのも事実ですが、この節目で登場した方がインパクトもあるだろうという打算もありました(笑)。

Sprocketは今回の大型の資金調達を経て、新たなステージに突入しております。「是非Sprocketで働いてみたい!」と思われた方は、まずはカジュアル面談という場から気軽にご参加いただくことも可能です。

ご応募お待ちしております!

※2021/8/19 追記
コーポレートサイトでもCEO深田とCTO中田の対談記事を掲載しております。ぜひご覧ください。
「やりたかったのは「人間理解」。Sprocketの7年間を振り返る」
https://www.sprocket.bz/blog/20210819.html

[コーポレートサイト]
https://www.sprocket.bz/
[採用情報]
https://www.sprocket.bz/company/recruit/
[技術ブログ]
https://medium.com/sprocket-inc

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