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一度は生で見たい世界の美景~vol.14~

ポトマック河畔の桜(アメリカ)

 アメリカの首都・ワシントンのポトマック河畔に咲く美しい桜。明治時代、日米親善の証として当時の東京市長・尾崎行雄よりアメリカへ贈られました。
 ワシントンに桜を植えることを提案したのは、アメリカの紀行作家であり地理学者のエリザ・シドモアです。エリザはたびたび来日、その際に桜を愛する日本人の文化にとても感動し、1909年にタフト大統領夫人へ桜の植栽を提案したのでした。このことが日本総領事を経由して尾崎行雄の耳に入り、両国の友好親善を願って桜の寄贈をおこなうことになります。
 1910年、約2000本の苗木がワシントンに到着。しかし、病気や害虫の被害ですべて焼却処分されてしまいます。日本ではすぐに病気や害虫に強い苗木の生産を計画。まずは兵庫県で山桜の台木を用意、それを静岡県に運び、その後、東京・荒川堤の五色桜から採取した穂木を接ぎ木して育てました。明治45年(1912年)、そうして作られた苗木約3000本があらためてワシントンに送られました。
 昭和に入り、日米開戦という悲劇がありましたが、アメリカで長きにわたり愛されてきた日本の桜。今でも毎年春になるとポトマック河畔を美しく彩ります。来年こそはアメリカで花見をしたいものですね。

 早くコロナが終息し、世界中の人が笑顔になりますように。


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