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海のそばにある花畑

パソコンを触ってる手を休めて、私の利き手ではない自分の左手を見つめた。

目的もなく指を少し動かしてその様子を眺めた。

「私の意思」で指が動いている。

何の目的もないはずなのに。なんで動くんやろうと思った。なめらかに動いた。

いつかこの動きも鈍くなって曖昧になって止まってしまう。

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電車に乗ってる時にやたらと日差しが眩しい時があった。

だから目を閉じた。

光が瞼を通りぬけて私の皮膚のオレンジ色を眼球が感じた。

そのまま続けて。

視覚を遮ったから他の感覚が強くなってくる。

自然と聴覚に集中する。

電車が動いて、揺れている音がする。

いいかんじ、と思ってさらに耳を澄ます。

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海のそばにある花畑に行った。

その場所を見た時に、

「私は海のそばにある花畑に行きたかった」と思った。

こんなに平凡な夢のような場所があるのかと思った。

想像もしたことがなかった。

でも私は海のそばにある花畑にずっと行きたかったのだと思った。

わずかに滞在をしてすぐに戻ろうとした。

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自分と向き合うことをしてこなかったように思う。

突き破りたいのに薄くて弾力のあるその薄い皮は突破できずにすぐに跳ね返ってくる。

針の先っこみたいな狭い範囲でその薄皮をつき破れればいい。

少しずつ逃げてきたことに向き合いたい。

私は知って、困って、知らないふりもして突破したい。

新しい私に会ってみたくなった。

全てが過去になっていく。

そのことに躊躇し涙を都度流す。

まだまだわかんないからもっと歩こう。

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お母さんと5日ほど二人で過ごした。

食べ物をたくさん作って残してくれて帰ってしまった。

朝に新宿で別れた。

夕方新宿に戻ってきた時には私は一人になっていた。

朝は一緒にいたのに。

今はもうその影はないからまた思い出を思い出して泣いてしまう。

弱いのか、なんだろうか。

安い甘いワインを飲んで酔いました。

2022年の2月の15日くらい


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