SF読書交換日記 第0回

この春以来、本についてだれかと直接話す機会がまったく失われてしまった。多忙な中でも合間を縫うように読書はしているが、他人と読書体験を共有する楽しさを覚えた身にはどこか物足りない。

それじゃあ互いの交流を促すようなことを企画しようということで考えついたのが、このSF読書交換日記だった。

ルールは簡単、前の人が指定したSF作品を読み、感想を書いて次の人と課題作を指定すること。なお、円滑化のため、以下のレギュレーションを制定した。

SF読書交換日記:レギュレーション
・課題作は中短編小説・評論・漫画に限る。
・推薦者がSFだと思うものなら上記の範囲でなんでもよし。
・自分が読んでない作品を課題作として他人に指定してもよし。
・次回の担当者と課題作はここに載るまで口外禁止。
・参加者内で調達出来ないレアすぎる作品は禁止。
・担当者に過度の出費を強いる課題指定は禁止。

......身も蓋もないことを言えば、円城塔・田辺青蛙『読書で離婚を考えた。』にSF縛りと短編縛りを加えた企画をやろうということだ。

現時点での参加者は下村本淵壁石の3名。今後参加者が追加されていくかもしれない。

とりあえず、SF読み2人(下村・壁石)とSF初心者(本淵)がどのように読むのか、どんな作品を勧め合うのかということを観察する楽しさを、自分たち自身が楽しみながら提供出来ればと思う。展開によってはSFを読みはじめる指針になるかもしれないし、あるいはゲテモノキワモノを投げつけ合う地獄絵図になるかもしれない。


さて、この第0回を担当した下村から、次の担当者と課題作を指定しようと思う。課題作は星新一「処刑」(新潮文庫『ようこそ地球さん』)、担当者は本淵。「処刑」は日本SFの最高傑作であり、私が最も好きな日本SF短編であり、そして私がSF初心者に作品を勧めるとき必ず最初に勧める作品である。SF読むならまずはこれから、感想を楽しみに待ってます。ただし、くれぐれも無理はしない方向でよろしく。

(下村思游)


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