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響-HIBIKI-を見てほしい

感想って言ってもcdbさんがこちらでだいたい言い尽くしてるんだけども、2回目見てみて自分も何か言いたいなと。

まずね、平手友梨奈がかっこいい。かわいい。眼鏡いい。予告編にもあったけど顔面に蹴り入れるシーンとかめちゃくちゃスッキリする。「ていうかなんでふみは殴らなかったの」

この映画は主人公鮎喰響という「天才」の物語ではあるものの、正直それを持ち上げるのは映画の宣伝会社と響の周りの人間だけだ。響自身は気にも留めない。小説が好きだから読む。そして書く。「賞なんて関係ないでしょ。リカの小説にも。私の小説にも。」

しかし「え? 私なんかやっちゃいました?」の無双ストーリーというわけでもない。

響の真っ直ぐさがひたすら眩しいのだが、その真っ直ぐさが様々なトラブルを引き起こす。端的に言えば空気が読めない。読まない。こうだと一度思ったら梃子でも動かない。前代未聞の小説を世に出す「天才」作家ではなく劇中では一貫して真っ直ぐさゆえに厄介なトラブルメーカーとして描かれている。

例えばこんなやり取りがある。

響「安心して。私は自分の責任は自分でとる」
ふみ「大人の世界はね、自分一人で責任を取れるなんてことはないの」

ここでは編集者であるふみが「大人の世界」の住人として「真っ直ぐな世界」の住人である響と相対する。

あなたも私もどちらかといえば「大人の世界」の住人であろう。しかし響というキャラはいつの日か私たちも属していただろう「真っ直ぐな世界」のことを思い出させてくれる。いつ、私は「大人の世界」に踏み入れたのだろう。

嫌な奴がいる。蹴り飛ばす。スッキリする。しかし響の入った作家の世界は「大人の世界」である。それだけでは片付かない。トラブルになる。

「大人の世界」と「真っ直ぐな世界」の対比がとても良い。響は真っ直ぐな世界の住人だ。リカは高校2年生にして大人の世界に生きている。編集長は完全に大人の世界。手のひらくるっくる。ふみは響といるときは大人の世界の象徴だが、完全に大人の世界の住人になりきれているわけではない。響の言動に「気づかされる」シーンが多い。ふみはおそらく一番視聴者の視点に近い。

作中で響は色んな人を救う。救うと言ってもその絶大な力を行使するわけではない。その真っ直ぐさをもってぶつかるのだ。そこでは「真っ直ぐな世界」が繰り広げられる。響とぶつかったあとは必ず、「真っ直ぐな世界」に思いを馳せる。そして明日から昨日までと違う一日が始まる。

そうして最後のセリフで私達は思い出すのだ。響が真っ直ぐなまま「大人の世界」を歩けたのは、彼女が「天才」だからであって、凡人の私たちは「大人の世界」に生きるほかないのだと。


予告編とアマゾンのリンク貼っておきますぜひみて欲しい。(アフィリエイトはありません)


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