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息子の絵本棚から「おむすびころりん」

以前の夫の赴任地だった名古屋に、絵本の専門書店がありました。
店員さんの知識も深く、娘を連れてよく通ったものです。

2018年に閉店となって、イベント等で活動されているようですね。

たくさんの絵本との出会いがあったのですが、私自身が気に入ってよく読み聞かせしていたのは「おむすびころりん」。

娘がストーリーのあるおはなしを理解できるようになった頃、日本の昔話も少しずつ揃えていこうと選んだ、はじめの一冊です。
他にも「かさじぞう」やら「いっすんぼうし」やらある中で、どうして「おむすびころりん」かというと、出てくる食べ物がおむすびという馴染みのあるものだという点と、「おむすびころりん すっとんとん」というリズムのある節が楽しく、初めての昔話にはぴったりだろうと思った、というのが理由です。

日本の昔話はメルヘンハウスの売り場でもコーナーができるほどで、「日本の民話」みたいなシリーズものになっていたり、人気の画家さんが描いていたり。「おむすびころりん」だけでもさまざまな絵本がありました。
そっちがその気なら〜と、こっちも腰を据えて片っ端から絵本を開いてみて(すみません)、絵がわかりやすく、「おむすびころりん すっとんとん」以外の部分も節になっていてリズムが取りやすそうな、この一冊を選びました。

おじいさんが可愛い。ものすごい「翁」感がありますね。

本気で選んだ甲斐がありまして、当時2、3歳だった本好きの娘はもとより、ブロック遊びの方が好きだった息子の方まで「すーっとんとーーん!」と盛り上がる一冊となったのでした。

ねずみさんたちの絵も可愛らしく、穴に落ちたおじいさんを歓迎するためのご馳走作りを頑張っている様子や、子ねずみたちがおじいさんのぞうりで遊ぶ様子が細かく描かれています。
よくよく見ると落とした手拭いをみんなが首や頭に身につけていて、「これ、おじいさんの手ぬぐいだね〜」とか、「パーティーのご飯作ってるね」とか、じっくり見るのも楽しめますよ。

ちなみに、お土産を持ち帰ったおじいさんとおばあさんが家で包みを開けて驚いているところを盗み見た隣のおじいさんは、ねずみの穴へ出かけていき、暗に土に埋まっちゃったような描かれ方がされています。ちょこっと怖い、それが昔話ですね。

そういえば、ちょっと怖いお話のこと、前にも書いたことがありました。

ちょっと怖い、でも読みたい。絵本って不思議。
最近はうちの子どもたちも絵本を読むことが少なくなってきました。でも年末や夏休みには綺麗に並べたり、「捨てるのだけは嫌!」と言っていたりするのを見ていると、心のよりどころになっているのかなと感じています。


記事を読んでいただき、ありがとうございます。