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娘の本棚から「白雪姫」

大雨の被害、大きなものとなっていますね。
また週末にかけても雨が続くとのことで、被害の大きい地域の方々は身の安全を第一にお過ごしください。

今回は岐阜でも被害が大きいと聞いて思い出したのは、まだ下の子が生まれる前に出かけた飛騨高山の旅行のこと。どうしても行ってみたかったのは「飛騨絵本美術館ポレポレハウス」と「オークヴィレッジ」。
当時は夫が名古屋勤務だったため、夏の終わりに旅行へ出かけました。

飛騨絵本美術館ポレポレハウスは、邸宅の中に展示室と絵本の販売コーナーがある非常にコージーな場所でした。まだ小さな娘とお話をしながら館内をぐるっと回って、テラスでお茶をいただいたのを覚えています。

そこで購入したのが「白雪姫」。

高額ですが…廃盤なのでしょうか。
銅版画家の山本容子さんが絵を描かれています。

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お話の部分も手書きです。

銅版画の色彩が独特で目を引くばかりでなく、人の顔の表情もよく描かれていて、私自身は大好きなのですが、幼かった娘は絵や文字の雰囲気も相まって進んで手に取ろうとはしませんでしたね。

この白雪姫はグリムらしく、選んでいる言葉がちょっとだけ怖く、何かが起こりそうなドキドキした印象を与えてくれるので、幼稚園の年中長あたりで読むのが面白いかなと思います。
森の中で白雪姫が殺されそうになったところを、白いきつねがやってきて助けてくれる、というエピソードも他では見たことがなく新鮮です。

また、最後に結婚式のシーンが描かれ「めでたしめでたし」で終わるわけではなく、「一方その頃…」みたいな感じで毒リンゴを持ってきた継母が罰を受けるところまで描かれています。
娘は、白雪姫のお話をいくつか読んだ小学校低学年頃に改めてこの本を読み返して、「ほかの本と違う!」と気づいていました。

白雪姫はディズニーなどの影響もあって、お姫様の話の定番というイメージが強く、シンプルなストーリーに漫画っぽい絵で描かれた絵本も多いですね。
しかし、この本の筆者は、元々昔から口伝えで広まったと言われているこのお話の大量の資料を参考にして書いたそうです。考え抜かれたお話に雰囲気のある銅版画の絵が添えてあるこの絵本は、たまに読み返したくなるほどの癖の強さと濃厚さがありますよ。

山本容子さんは「ふしぎの国のアリス」の絵も描かれているようです。

ちなみに、飛騨高山旅行で立ち寄った、もう一軒のお店「オークヴィレッジ」は、飛騨の名産である木製の家具を作っている企業です。
近年は、木製のおもちゃも扱っていて、積み木やシロフォンが特に可愛いですよ!

音はきれいな音階になっているのに、それぞれの木の長さは同じというシロフォン。それぞれに木の名前が刻印されていて、色や木目の違いを感じることができます。

木をくりぬいて作ったマグカップは毎日愛用しています!キャンプにも持っていくくらいのお気に入りです。
漆の塗りなおしをしてくれるということだったので、お願いしたいなと思っているところです。

思い出いっぱいの飛騨高山ですが、雨の状況はどうなのでしょうか。
気温も湿度も高く、衛生的にも心配ですね。被害の大きな地域は、まずは天候の回復を、そして元通りの生活を願っています。



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