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【イギリス留学】新型コロナウイルスとフレーミング効果?

前にもちらっと書きましたが、最近行動経済学が流行っていますよね。行動経済学の中にフレーミング効果というのがあるのですが、御存知でしょうか💡

<フレーミング効果の有名な実験:アジアの疾病問題>

行動経済学者のカーネマンとトヴェルスキーが学生に対して「600人が死亡すると予想されるアジア病の流行に備え、以下の2つの対策が考えられている。どちらを選択するか?」という調査をしました。

対策A:200人が助かる。
対策B:1/3の確率で600人が助かるが、2/3の確率で誰も助からない。

これに対する学生の回答は、対策Aが72%、対策Bが28%だったとのこと。

ところが、選択肢を以下の様に変えると…

対策C:400人が亡くなる。
対策D:1/3の確率で誰も死なないが、2/3の確率で600人全員が亡くなる。

これに対する学生の回答は、対策Cが22%、対策Dが78%だったそうです。もうお気づきかと思いますが、同じこと(A=C, B=D)を言っているのに伝え方が異なるだけで結果が変わってくるんですね。

新型コロナウイルスの報道を見ていて、何かフレーミング効果みたいだな、とちょっと前に考えていました。「感染者の8割が無症状か軽症」と言われるのと、「感染者の2割が入院の必要がある」というのだと、受け取る印象や次に起こすアクションが変わってきそうですよね。

あと、行動経済学ではないのですが、私の修論のテーマは精緻化見込みモデルというものを使おうと考えています。何かややこしい名前なのですが、ざっくり言うと、人は自分に関係があると認識していることや、判断が十分にできる状態だと、メッセージの内容によって自分の態度を決めるのですが、自分にあまり関係がないことや、判断が十分にできない状態だと、メッセージの内容よりも周辺の手がかりによって自分の態度を決めるというものです。

うーん、分かりにくいですね。例えば、急いでお買い物を済ませなくてはいけない(色々と吟味をしたりする時間がない)お母さんが、今日はサラダを作ろう!と思ってドレッシングを買いに来たとして…どのドレッシングが良いか分からないけど、「あ、このドレッシングは料理家の〇〇さんがテレビでおススメしていたものだわ(=周辺の手がかり)…専門家が勧めるなら間違いないに決まってる」と言って特定のドレッシングを買ったりすることがあるということです。反対にもしこのお母さんに十分に吟味をする時間があったら、原材料とか、味とか(=内容)でドレッシングを選ぶかもしれないですね。

新型コロナウイルスも、色々と情報が氾濫しているし、そもそも素人には難し過ぎることが多過ぎてよく分からん。そんなときに、信頼している専門家の人が何かを言うと、その人の言うことを知らず知らずに支持していたりしている(逆もまた然りって感じもしますが…)。

何が言いたいかというと、消費者行動論の勉強はやっぱり面白いなあということです(超手前味噌)。もちろん世の中の事象は全て理論で説明できる訳ではないけれど、自分の行動や心理が解明されるだけで「ああ当然のことなんだな」と安心したり、客観的に自分の行動を見ることができたり。そんないいこともある気がします🤗

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