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イスラエルと法律(ベンチャー王国)

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イスラエルのビジネスと法について、調査をし記載しております。イスラエルについて少しでもご理解いただき、投資に対し前向きにご検討いただければ幸いです。 弁護士角田進二( http… もっと読む
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記事一覧

イスラエル法 シリーズ:序文 事業の立ち上げ

イスラエル法 シリーズ:序文 事業の立ち上げ

イスラエルは注目を浴びている経済圏で、投資の機会が多くある。世界経済フォーラムの2014年度国際競争力報告によると、イスラエルはイノベーションにおいて世界3位となっている。またイスラエルの工業大学であるテクニオン・イスラエル工科大学は、挑戦的な環境におけるイノベーションにおいて世界の大学の中で1位となっている。イスラエルは起業文化が栄えており、ハイテク企業の数がシリコンバレーに次いで世界2位となっ

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イスラエル法シリーズ: 入国管理制度

イスラエル法シリーズ: 入国管理制度

ここでは、イスラエルを訪問したり、繁栄する同国の経済システムの中で働いたりする日本人に関連がある、イスラエルの移民政策及び規則について言及する。

<<概要>>~*~*~*~*~*~*~*~*~
M&A後などに、B-1ビザ(後に説明あり)でイスラエルに行くステップ(通常型)は以下の通り。

<入国前>
① 労働許可を貰う
② 暫定ビザプロセス(雇用者側)→ここで暫定ビザと招へい状を貰う
③ 領事館

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イスラエル法シリーズ:労働法

イスラエル法シリーズ:労働法

イスラエルの労働法は、他諸国に見られるような一体化したものではなく、適用対象とするトピックごとに制定された個別の法律、裁判例、労働協約、拡張命令(エクステンションオーダー)によって定められている。特に労働時間、最低賃金、休暇資格などの問題が一般的に論議され、この分野には進歩が見られる。イスラエルの外国人労働者は、イスラエルの従業員に与えられた権利と利益を同等に享受する権利を持つことに留意すべきであ

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イスラエルと日本との投資協定

イスラエルと日本との投資協定

イスラエルに投資するのは、危険ではないかという、危惧がある方には一読していただきたいものは、イスラエル投資協定です。

効力発生は平成29年10月5日ですので、去年のことです。イスラエルは日本と投資協定を締結しております。とはいえ、大部分の投資家は、巨額投資家ではなく、そこそこの投資家なので、国家に対する仲裁申立て(24条)を検討することはないかもしれません。ICSID条約による仲裁は金額が高いこ

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イスラエル法シリーズ: 2 会社の合併および買収

イスラエル法シリーズ: 2 会社の合併および買収

1.概要前回までのイスラエル法シリーズではイスラエルで事業を行うにあたってその基本的な方法と手順に焦点を絞ってこれらの題材を扱ったが、今回、この第3部ではイスラエルの非公開企業に関するM&Aについて掘り下げた検討を行うものである。イスラエルはイノベーションが盛んなスタートアップの国で起業インフラが整っている。この国の発明家たちは商業面よりもむしろ技術的発展に重点を置いていることから、海外投資家にと

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イスラエル法シリーズ: 1会社法とコーポレートガバナンス

イスラエル法シリーズ: 1会社法とコーポレートガバナンス

会社法及びコーポレートガバナンス

イスラエル法シリーズの第1部では、イスラエルにおける事業体の種類や外国登記の選択肢について扱ったが、これに続く第2部では、会社法5759-1999(以下「同法」という)の下でのイスラエルのコーポレートガバナンスについてさらに詳しく扱いたい。

本稿では、役員の責務、任命及び解任の要件を含め、イスラエルの会社機関の機能についての概要を簡単に述べる。こうした規制は同

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