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とある主婦のGood job days!~Vol.6~no music no rice🍚

ナチュマでいつも売上上位に入る人気の米がある。俵さんのお米だ。
こんなにもちもちですっきりして、元気になるけどちょっと懐かしいお米はどうやって作られるんですか?と聞いてみた。
つい先日新米を持って納品に来た時、ちょっとした新米セミナーをナチュマのスタッフの為に開いてくれたのだ。

無農薬で作る米は手間ヒマかかって大変な事は予想していたが、俵さんは大変な事ばかりではなく、米作りを楽しんでいるのが伝わってくる話を沢山してくれた。特に興味深かったのは農作業しているときは必ず片耳だけイヤホンをつけて音楽を聴きながら作業をするようにしていると教えてくれた事だ。大変失礼だが、田舎の頑固おやじのイメージを抱いていた俵さんからそんな言葉が出ると思わなかったので、新鮮な驚きだった。
特にQueenやABBA、シンディローパーにデビットボウイなどの80年代の洋楽、特にマイケル・ジャクソンを聴きながら農作業をする事が多いらしい。
「リズムがコメに表れるんだよ、作り手が感じる音楽のリズムや波動をコメが吸って美味しいコメになる」
ふむふむ。やはり一流の作り手は考え方や発言にオリジナリティがある。音楽が人生のリズムを作る話やリズムが人生を豊かにしてくれる、など、色々と俵さんの哲学を懐かしい曲の話を交えながら話してくれた。

確かに日ごろ聞いている音楽や音によりその人それぞれのリズムや波動が出て、その人の一部となりその人が触れるもの達にも影響を与えるのかもしれない。

まだ私が乙女のハナコだった頃、いつもスピッツの曲ばかり聞いていた。
特に「運命の人」という曲が大好きでよく聞いていた。
日常の些細な事でいい事も嫌な事も考えすぎる私にマサムネさまの透き通る声は神々しいまでに優しく、そして何ともファンタジーなメロディは現実に疲れた日々の心を浄化してくれていた。歌詞も今読み返してみてもどれも素晴らしく、ファンタジーの中にマサムネさま流の言葉で大切な事を教えてくれている。やはりマサムネさまは音楽の神様が日本に送ってくれた神の使いなのか?と私は曲を聞くたび感じている。

特に歌詞の中にある【余計な事はしすぎるほどいいよ】という歌詞の部分が大好きで、この部分をノートに書いたりしていた。
私の様な無駄な事に労力を使いがちな人間には応援ソングにも聞こえたのだ。
そしてこの曲を聞いている時ある運命的な出会いもした。
いつも通勤でバスを利用していたが同じバスに乗り合わせていたまるでマサムネさまとは真逆の、野山と大盛の定食が似合う、カントリーボーイと。
ある時、私がバスのシートにこの「運命の人」の歌詞を書いた小さなノートを落としてしまった。その男性は私がバスを降りて歩いていると汗をかきながら追いかけて来てくれて
「このノート、落とし物、ですよね?」
「あ、すみません」
いきなり田舎の男が追いかけてきたのだから私は驚いたが物言いがソフトだったので警戒しないですんだ。
「僕もスピッツ好きなんです、いつも聞いてますよね、運命の人」
「あ、はい‥‥」
MDウオークマンから音が漏れていたのだ。それを聴いて一緒にリズムを取っていたのかもしれない。それが今の旦那のトシオだ。
スピッツが好きな人に悪い人はいないという思い込みもあり、紆余曲折もあったがこの人と付き合う事になり結婚して今に至る。
こっぱずかしいが運命の人という曲で運命の出会いを果たしたのだ。
不覚にもコメの話からリズムになり最後には自分の赤裸々青春白書になってしまった。
でも俵さんが言うように音楽が作物だけでなく人生にリズムを与えるのは間違いないと思った。

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