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子供向け、女性向けの映画ではない。マリオ超えた世界的有名な人形の実写化「バービー」

日本人にとって、子供時代にバービー人形で遊んだ人ってどれくらいいるのだろうか。

自分は男性で、女性の兄弟もいなかったのでバービー人形にはまるで縁がない、だがしかし実写化の映画はむちゃくちゃ興味があった。
しかもグレタ・ガーウィグが監督、主演がマーゴットロビーとこれは見るしかないと期待MAX!!
だがしかし、公開前には公式アカウントがちょっと軽薄な動きをしてしまったせいで残念な盛り上がりを見せてしまった作品でもある。
多少影響があるのか、文化の違いなのか、アメリカでは大ヒットしているが日本ではまだまだ苦戦している印象が強い。

まず、映画をあまり見ない人であれば、本作「バービー」は女の子向け、子供向けの映画と想像し、おそらくわざわざ映画館まで見に行かないと思うけど、それは勿体ない!!!

なんてたって、監督は田舎の家庭で育った若い女性が、イケてる環境を目指しながら大切なものに気付きながら成長する「レディ・バード」や4人姉妹
の感動的な家族関係や女性として生きる中で幸せとはを考えさせられる「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」を制作された俳優、脚本家、監督のグレタ・ガーウィグ。

監督としては3作目となるのが、「バービー」である。
ちなみにこのバービーは主演のマーゴットロビーが話をグレタ・ガーウィグに持ってきたのが始まりだったとか。

「レディ・バード」では、クリスティンが自らを「レディバード」と名乗り、地味な友人よりもイケてるクラスメイト、田舎ではなく都会の大学など自らの少し背伸びした空間を目指す。
「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」では、結婚や出産など姉妹がする中で物書きを目指す女性を描くなど、グレタ・ガーウィグは常に主人公の女性が自分の置かれている環境などに不満をもち、何かになろうと目指しながら大切なものに気付く物語を描く傾向があると思う。
しかし、その描き方が非常に繊細で、性別や年齢など関係なく心ささる内容となっている。

本作「バービー」でもその描き方は変わらない。
ファッション人形として存在するバービーとその世界バービーランドは完璧な世界であったが、ある人間界の出来事をきっかけに完璧な世界は崩れていく。
何でもなれるといバービーが目指すものとは、一体とはって話なんやけど、これが良くできている。
主人公の描き方は言うまでもなく素晴らしいが、パートナーの「ケン」の扱われ方も興味深かった。
「ケン」の価値はバービーとセットだからこそなりたつ、まさに脇役。
女性の描き方だけでなく、主人公に対する脇役の存在など非常に考えさせられるテーマを含みながら、バービーの華やかさやおしゃれさ、人形としてのユニークさなど大人から子供まで楽しめる作品になっていると思う。

男性は楽しめないっとか、説教くさいという評価も耳にするが、個人的にはそんなことはない。多様性だ、女性が活躍する世界だといいながらも現実はは容易に変わらない、そんな中をキチンと描き、エンタメとしても楽しめる。
これぞ映画のあるべき姿の一つであるとも思う。

最後にバービーが目指すものは一体なになのか、ぜひ見てほしいと思う。

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