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伊坂幸太郎 マリアビートル(2010)

伊坂幸太郎作品って大抵読み終わってるんですけど、マリアビートルがハリウッドで映画化されるみたいなので久しぶりに読み直してみました。
特に公開日は決まってないようで、去年の11月ごろに撮影が始まってるぐらいしか分からないんですけどね。
あと個人的にブラッドピットが好きなので、出てる作品は見たいっていうのも。

そんな今回の作品なんですけど、あんまり語るとネタバレですしそんな大層なお話でもないので純粋にアクション映画でも見てるような気分で読めば良いと思います。
東北新幹線に乗り込んだ殺し屋達がすったもんだするのを眺めて最後は…ってだけなので。正直。
まあそれだとここで今回のnoteのお話が終わっちゃうので、ちょっと僕の好きな伊坂幸太郎作品の傾向についてでも。

ぱっと頭に浮かんだのを上げてみると、
①群像劇が多い(視点が変わる、時間軸が前後する)
②軽口・ウィットに富んだ冗談が多い
③伏線を張り巡らせるけど分かりやすいのが多い
④ファンサービスに近い、相互に繋がる作品
作品に関することと言えばこのくらいかなあ。
あとは作者ご本人が仙台在住で東北大学出身の縁なのか、舞台が仙台なのが結構多いってくらいですね。(出身は千葉県松戸)
とりあえず挙げたのを細かく説明してみますね。

①群像劇が多い(視点が変わる、時間軸が前後する)
()の文字通り、多数の人物が登場してそれぞれの視点・時間で物語が進行しているように見えて最終的には収束して絡み合っていく物語の構成のことですね。これが結構多くて、ひとつの特色になってます。
他の作品で例に挙げると、成田良悟先生の「バッカーノ!」「デュラララ‼︎」とか、洋画だとガイ・リッチー監督の「スナッチ」とか、邦画だと三谷幸喜監督の「THE 有頂天ホテル」とか、まあ挙げるとキリがないので僕の好きな作品をただ挙げてみたんですが。
で、じゃあそれの何が良いのか?って話になるんですけど、まあこれはどれだけ綺麗に、スッキリと、伏線を拾い上げて、色々な事柄を結論に持っていくことに尽きると思います。最後が面白ければ面白いほど作品としての面白さが高まるので。
あとは登場人物が多く、それぞれの視点で物語を構成する都合上キャラ1人1人に魅力が詰まっていることが多いです。みんな主人公って感じですね。
先に③を説明しちゃうんですけど、伏線が貼りやすい構成でもあります。人物Aの視点からだと分からないことが人物Bだと分かったり。伊坂幸太郎作品だと大抵分かりやすいけど縦横無尽に張り巡らすイメージですね。そして最後に回収していくと。
そんな構成なのでよくエンターテイメントと称されてます。大層なお題目で作品を作ってないかもしれないけど、軽い気持ちで読んで読後にはあースッキリしたって感じで読めるのが特徴かなあとは思ってます。
映画で言うとオーシャンズシリーズですね。ジョージクルーニーやらブラピやらマットデイモンやらが集まってただ馬鹿騒ぎするだけなんですけど、エンターテイメントとして頭空っぽにして見るにはちょうどいいみたいな。そんな複雑なこと求めてないよ、みたいな。
ただまあ、当然例外もあるので。青春漫画みたいな砂漠とか、星新一のショートショートのような世界観の夜の国のクーパーとか。地味に監視社会がテーマなことも多いのもポイントです。(ゴールデンスランバーとか)

自分でもつらつら書いてみただけなので読み返すのもつらいんですけど、とりあえず次行きます。

②に関してはまあ、そのまんまの意味ですね。はい。
こういうのって例えば例を挙げて面白いですよね!って言っても冷めるだけなんですよね。
結局こういうキャラクターがこういう状況でこういう発言をしてるから面白いってだけなので。一々説明するものじゃないというか。
ただ僕は「ロマンはどこだ」って台詞は大好きです、気になる方は陽気なギャングが地球を回すシリーズをぜひ!

というわけでぱぱっと④へ。
これはほとんどファンサービスですね。作品の中でちらっと名言はしないけどあの作品のあいつのことか!って触れたりします。
世界観が一緒ってことになるので超常的なSFチックな作品と普通の一般社会の作品がリンクするとなんかちょっと不思議な感じになりますね。
FFでいうFF12の1500年後がFFT、みたいなやつですね。分かる人だけ分かって。

勢いでばーと書きました。大したことを書いてるわけではないですけど、ここで1回まとめてみてもいいかなと。

あ、マリアビートルは前作にグラスホッパー、次作にAXと繋がる小説ではありますけど単体で読んでも面白いですしバッチリ理解出来ますよ、ぜひ。

おわり。

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