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朝の通勤の地下鉄で

今朝の話。
最近は暑くなったり湿度が高くなったり、朝起きるのも身体がだるくなってくる。
これ以上遅い電車に乗ったら仕事に遅刻すると、小走りで地下鉄の駅に到着して、そのまま地下鉄に乗りこんだ。

今日も暑い…。
顔面からは汗が出ているのがわかる。
朝に急いで塗ってきた日焼け止めクリームが流れ落ちてしまうんじゃないか。
とりあえず職場に着いたら、洗面所に行って塗り直さなきゃいけないかなと考えながら、地下鉄に乗り込んで電車が走り出した。

あっちの隅っこのほうに移動しようかなと左肩にかけていたハンドバッグを持って移動しようとしたら、バッグが動かない。

「なんで…?どういうこと?」

恐る恐るバッグの方角を見たら、バッグの端が地下鉄のドアに挟まってしまっている。
次の駅で降りる予定だし、次の駅まで待っていたらドアが開いてバッグの端もドアから抜けるだろうから問題ないだろうと考えていたら…。

違った。

私の横に立っていた20代くらいのお兄さんがいたが、私のバッグの端がドアに挟まっているのに気づいてくださっていた。
お兄さんと私とで何とか自力でドアからバッグの端を抜こうと引っ張ったが、びくともしない。

とりあえず次の駅に着いたら、車掌さんに早く相談しないとと思ったが、私の声が喧騒にのまれて届かない。
しかも、次の駅で降りる予定だが、カバンの端が挟まってるのは開くドアとは反対側のドア。
多くの人に迷惑かけるし、非常にまずいどうしようと思っていたら、駅に到着すると、そのお兄さんが車掌さんのところにすぐ駆け寄ってくれた。

久しぶりに見ず知らずの他人の方からの親切を受けたようで、感謝の気持ちが溢れ出てくる。

すぐに車掌さんがドアを一時的に開ける特殊な器具をつかってくださり、無事にバッグの端をドアから外すことができた。
対応してくださった車掌さん、たまたま私の横にいてくれたうえに車掌さんを呼んでくれたお兄さんに深々と「ありがとうございました」と御礼を言い、周りに立っていた乗客の方々には「ご迷惑おかけしてすみませんでした」と深々とお詫びして、私は駅のホームへ降り立った。

私のバッグがどうなろうが、周りの乗客の方々には関係ないだろう。
見て見ぬふりをしている人もいたかもしれないと思うと切ないなと思うけど、朝の出勤時なんて仕事に遅刻しないようにと多くの人が時間に追われている。
みんな自分のことに精一杯で、誰かのことをかまっている場合じゃないという人も多いから、自分が困った時に誰かに助けを求めようにもなかなか声をかけにくい。

もし私が逆の立場だったら、このお兄さんみたいに動けるだろうか。
自分のことで精一杯だったら難しいかもしれない気がする。
心に余裕を持ってないと動けないような気もしてて、歳を重ねても心の余裕をもって生きていけるようになれたらいいなと思った。

お兄さんや車掌さんには、もう会えないかもしれないけども、ここで感謝を述べます。



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