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<ベンチャー経営者向け>人事の教科書(30分で学べる|テンプレ付)

人事は、経営インパクトが大きい。でも、世の中に体系的なセオリーは存在しない。だから、我流でやるしかないし、本や、ネットを調べても「良いフレームワーク」や「使える戦略・戦術」も、中々見つからない。

僕自身、同じような悩みがありました。人事のセオリーが体系的にまとめられてたら…もっと効率よくできたのに。そんな悩み、絶対ありますよね?

そこで、今回は、僕の経験からベンチャー経営者向け(10~50名規模向け)に、人事を『経営・マーケティング視点』で体系的に整理してみました。

※今回のNoteは「具体的なHOW」よりも「経営者が知るべき人事の全体像」の整理に重点を置いています。

※「人事経験のない方」「経営層じゃない方」が読んでも、ピンとこないかもしれないです。人事経験のある経営層は、参考になると思います。

補足:僕の紹介・実績

● 新規事業の立上で、年商10億規模の事業を複数創出(WEBメディア、広告事業など。0→1で立上)
● 医療系の事業で、年商100億規模の事業を創出(マーケティング責任者担当。1→10段階で参画)
● WEBマーケティングが一番得意ですが、それ以外にも人事、PR、ブランディング、会社立上、開発等、幅広く実績があり。

シンガポールで7年会社経営後、昨年、日本に帰国。現在は新規事業に奮闘中。「人事をマーケティング化」することにも興味があり、このアカウントでは、人事の発信をしていきます。

記事を読んだ人が学べること

  1. (ベンチャー経営者にとって重要な)人事の構造がわかる

  2. 人事の正しい目的がわかり、アウトプットの質が⤴⤴

  3. 人事の中長期戦略が立てれるようになる

そもそも「会社の役割」って何だっけ?

前提として、まず、そもそもの「会社の役割」を整理したい。ココを理解してないと、人事施策が、本質からずれるから。「会社の役割」は、以下2つ。

1.利益を伸ばすこと
2.世界が良くなるスピードを加速させること

前者は、シンプルに利益の話。後者は、社会貢献の話。

社会貢献というと、僕はしっくりこないので「世の中の改善スピードUP」と定義している。世界はどんどん便利になっていて、どんどんラクに楽しくなっていますよね?その改善スピードを、より加速化させることが本質的な会社の価値。こう考えると、しっくりくる。

つまり、会社の目的って、利益を伸ばすこと。そして、自分が情熱をもてる何かで、世の中が良くなるスピードを、何かしら加速させることだよねと。

「会社の役割」から逆算して考える「人事の本当の目的」

じゃあ、そこから逆算して考える「人事」の「本当の目的」は何なのか。

僕が考える人事の本当の目的は3つ。

能力・マインドが合う人材の
「採用」
「成果UP」
「勤続年数UP」

です。

つまり
「能力・マインドが合う」人材を集め、
「能力・マインドが合う」人材に、より成果を出してもらう。
そして、「能力・マインドが合う」人材に、できるだけ長く働いてもらう。

シンプルに整理すると、この3点のみ意識していればいい。

これが、(経営者が意識すべき)人事の三大目的

ココさえ意識していれば、会社の役割である「利益をつくること」「世の中の改善スピードUP」という大ゴールとズレが起きない。逆に、目的の捉え方をミスると、すべての人事施策のアウトプットが、本質からズレてしまう。

補足:目的を正しく把握すると、アウトプットが変わる

人事で行う各施策が、どの「目的」のために行っているのかを意識することが重要。なぜなら、アウトプットが変わるから。

目的を正しく設定できてないと、アウトプットの質が落ちる。その悪い例の代表が「新オフィスの移転」。そして「ミッションビジョンバリューの設定」。

この2つは、本来の目的とずれてやってる会社が多いなーと思う。

まず「新オフィスの移転」。例えば、能力・マインドが合う人材の「成果UP」を目的とするなら、「オシャレなオフィス」にするより「イス」に徹底投資したほうが集中力があがり、成果UPにつながる可能性は高い。また「集中力をUPさせる」アロマを流すのもいいかもしれない。

「採用率UP」を目的にオフィスを移転するなら、採用ターゲットのニーズを調べてそのニーズに合ったオフィスにするといい。

例えば「東大生」を、新卒の「第一優先ターゲット」に置くとしよう。その場合、東大のすぐ近くにオフィスを置き、インターン採用から採りにいく戦略にし「東大生が徒歩で通える」ことを第一優先にオフィスを決めるのも良いと思う。

上記のように目的の置き方で、アウトプットが大きく変わる。

なんとなく「社員の満足度UP」を目的と考え、なんとなく「オシャレ」なオフィスにすると最悪。アウトプットが本来やるべきことから、ずれてくる。ムダな費用もかさむ。

会社の役割から逆算する人事の三大目的はあくまで
「採用」
「成果UP」
「勤続年数UP」。

人事の施策を行う際に、上記目的を意識しアウトプットを考えると、本来のやるべきことから、ズレなくなる。

「ミッションビジョンバリュー」の設定も、上記のようなミスが起きてると思うが、長文になるので、別のNoteで話したいと思う。

補足:目的を正しく把握すると、会議も変わる

目的を正しく設定すると、会議も変わる。具体的には、こうなる。

・ミーティングの時間が、半分以下に!
・MTG参加者のアウトプットの質が上がる!

例えば「新オフィスの移転」のMTGを組んだ際、参加者に「社員の満足度UPを目的に、オフィスの改装案を出してください」というとMTGの質が落ちる。なぜなら、そもそも目的がズレてるからだ。

上記の問いに対し、出てくるアイデアはこんな感じ。

[出てくるアイデア例]
・緑を多くする
・オフィスにカフェスペースをつくる
・会社のブランドカラーの赤を基調にしたデザインにする
・ハンモックを置く
etc.

目的が本質からズレると、出てくるアイデアもいまいち。会議のリーダーも判断軸が曖昧になるから、アイデアの良し悪しをその場で明確に判断できない。結果、ムダに時間がかかるし、MTG回数も増える。

良い例はこうだ。

「新オフィスの移転」の第一目的を「社員の成果UP」とする。MTG参加者に対しても、こう問いかける。

「社員の成果UPを第一優先にオフィスを移転・改装します。集中力UP、ムダな時間の削減などの観点で、成果UPにつながりそうなオフィスの案を出してください」

[出てくるアイデア例]
・イスを良いものにする
・アクセスしやすい渋谷に移転。渋谷近辺に住む人には家賃手当を出す
・デュアルディスプレイは全員必須に
・MTGルームはあえて、立ちスタイルにする(座るとだれて長くなるから)
等。

目的が本質からずれず明確であれば、アイデアの質が上がる。指針が明確だから、判断もカンタン。だから、MTG時間も減る。


補足:「マインドが合わない」人材の代謝

人事の目的の3つ目「勤続年数UP」についての補足。「勤続年数UP」とは「能力・マインドが合う」人材に、できるだけ長く働いてもらうこと。

そして、それ以上に重要なのが「能力・マインドが合わない」人材を、できるだけ短く代謝すること。「能力」という言葉もいれているが、基本的に「マインドが合わない」ケースが問題になるケースが多い。

採用の見極めマップ

なぜなら採用で言えば、上記図の「1(能力高い・マインド合う)」の人は採用でOK。「2(能力低い・マインド合う)」の人は、求人を出しているポジションの能力要件を満たすなら採用すればいい。「3(能力低い・マインド合わない)」の人は、そもそも採用しない

問題になるのは、ほぼ「4(能力高い・マインド合わない)」の人だから。なぜ「4」が大きな問題を引き起こすのかイメージが沸かない人は、以下のNoteの例えが秀逸なので、チェックしてみてほしい。

https://note.com/kentarodoi/n/nae89c6cbf898

つまり「4」は「たまにハンドルが効かないフェラーリ」を採用するのと同じだということ。その車に乗るのがどれだけ危険かは想像すればわかると思う。

で、「マインド」が合う・合わないというのは「価値観」や「中長期で目指す方向」が合うかどうか。これは「正しい、正しくない」というより「合う、合わない」か。ベストは、採用時点で見極めること。ただし、どうしても、採用してから「マインドが違う」と双方で気づくときがある。

この際に、何となく気づいていたけど、伝えずに放置するのが一番よくない。その結果「1〜2年働いてもらったのに、やっぱり合わなかった…結局、退職」というのがお互いに一番、不幸だと思う。

問題だと思うなら、それをはっきりさせてどう解決すべきか、お互いにとってベストな道を模索するべき。そして、そのベストな道に対して、全力でサポートするほうがよっぽど良い。放置して様子を見ても、問題が勝手に解決することはない。むしろ、時間をかけるにつれて、問題が大きくなるケースのほうが多い。

もちろん、採用時に「合う、合わない」を見極められるのが双方にベスト。なので「採用時のテストの仕組み」そして「採用者にも自社を深く知ってもらう仕組み」を作らないといけない(例:数日、副業で入ってもらい最終テスト)。

また、採用プロセスの中で採用候補に対し、違和感をほんの少しでも感じたら「絶対に採用しない強い意志」を持たないといけない。だいたい、その違和感は解決せず、あとで問題になるケースが多い。

各目的のセンターピン

各目的のセンターピンはどこか。

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センターピン = それさえ攻略したら、ほぼ目的を達成できるもの
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人事の仕事は多岐に渡るため、経営陣はセンターピンを意識して、そこに投資していかないといけない。

ベンチャー経営者が把握すべき人事構造

【センターピン整理】

「採用」のセンターピン
=S級人材の「将来、入りたい会社候補」に入る

「成果UP」のセンターピン
=「実行」を100%任せきれる幹部が、必要な数いる

「勤続年数UP」のセンターピン
=「MVV(ミッションビジョンバリュー)」と「OKR、評価制度、報酬設計、昇進設計、各種アウトプット(会社にいる人・やってる事業)」の一貫性がある

つまり

「将来、うちの会社に入りたい」と思ってくれてる超優秀なS級人材が、十分な数、常にいれば、採用の問題はほぼ解決。

「困難な課題でも、何とか成功例を出してくれる」実行に強い幹部が十分な数いれば、成果UPの問題もほぼ解決。

「会社が目指してる最終ゴール」と「目標や、評価設計等」が常に一貫してれば、勤続年数UPの問題もほぼ解決。

ということです。

それ以外のポイントでもやるべきことは、たくさんあります。が、センターピン以外の要素は、「人事担当」がある程度、優秀なら任せてしまっても、成り立つケースが多いと思います。また、センターピン以外の要素は、仮に問題になったとしても、経営陣がフォローすれば短期で解決できると思います。

ただし、上記にあげたセンターピンは「経営陣全員」が真剣にコミットし考えないと、問題解決できません。また「問題解決に1年は時間がかかる」し「問題が顕在化すると、より解決の時間が長引く」ケースが多いため、経営者が中長期目線で前倒しで対策をしていかないとダメ。問題になってから対策するのでは、遅すぎるんです。

採用のセンターピン=S級人材の「将来、入りたい会社候補」に入る

採用のセンターピンの補足。採用のセンターピンは、S級人材の「将来、入りたい会社候補」に入ること。つまり、S級人材が転職したい!と思う前の種まきがキーになります。

前提として「S級人材は、転職市場にいない」ケースが多いです。なぜなら、引く手あまたの人材なので、転職サービスを介さなくても、転職先が見つかってしまうから。そのため、S級人材を採用するには「転職意向のないS級人材」にもリーチし、1〜2年かけて啓もうし転職してもらう攻めの対策が必要です。

つまり、S級人材が転職活動を始める前に「将来、入りたい会社候補」の中に入ってない時点で、他社との採用競争に負けているのです。経営層が、以下フローを認識し1~2年スパンで口説き採用する中長期戦略を立てないといけないんです。

S級人材の採用フロー

S級人材が「転職意向のない」段階から何とかリーチし、興味をもってもらい、連絡先を交換する。そして、定期的に会い、会社の啓もうをし将来、入りたい会社の候補に入る。もしくは「将来、この人と働いてみたい」と思ってもらう。そして、S級人材が「転職を考えだした」タイミングに気づき、アプローチして口説き落とす。このフローを理解して、戦略的に実行しないといけない。

S級人材が「転職を考えだした」タイミングでアプローチをしても遅すぎるんです。

「このセンターピン」をやり切ってる会社の例

例として「S級人材の[将来、入りたい会社候補]に入る」という行為をやり切ってるなーと思う会社の例をあげます。

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▼本気でやり切ってる会社の例:メルカリ

※メルカリのリファラル施策の一部:
・Drink Meetup/勉強会の開催(【毎日】実施)
・採用会食のサポート(事後報告でOK。金額は無制限負担。)
・良い人いないか、と毎週の全体MTGで社長が必ず聞く
・Github/Linkedinのスカウト
・マネージャーの評価基準に「採用」が入る

参考元:https://shuyuy.com/mercari-koizumi-hr.html

▼本気でやり切ってる会社の例:ウィルゲート
https://www.facebook.com/willgate

共同創業者の方が、毎日、Facebookで「勉強会へのお誘い」「自社ブランディング」の投稿

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特に「採用難易度が高い職種のS級人材」(例:事業責任者エンジニア)を獲得したいなら、上記のような施策はマストだと思います。

成果UPのセンターピン=「実行」を100%任せきれる幹部が、必要な数いるか

「成果UP」を目的にしたセンターピンは「実行」を100%任せきれる幹部が、必要な数いるか。ここさえ守れていれば、他の要素はどうとでもなることは多い。

「実行」に強い幹部の数が、十分足りていて「困難な課題であっても、成功例をつくれる状態」にあることが大事。そうすれば社内に「成功例」「失敗例」が数多くあり、他のメンバーも成果を出しやすい状況になります。また、社内マニュアルの質も高くなります。

「実行に強い幹部がいるケース」と「そうじゃないケース」の違いは、こんな感じのイメージ。

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良い組織(実行に強い幹部がいる)
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意思決定者「戦略は、これでいくぞ!」
(幹部も何かあれば、決定前に戦略に意見を言う)

幹部「よし!決まった戦略を、やり切るぞ!」

最短で「正解例」をつくる

メンバー「なるほど!こうやればうまくいくんだ!ついてくぞ!」

徹底的にやりきって出て来た『真の数値結果』がたまる

PDCAが適切に回る

事業が前に進む

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悪い組織(実行に強い幹部がいない)
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意思決定者「戦略は、これでいくぞ!」

幹部(…決定後、つべこべ言いだす)
 ┗ 大手狙ってやったほうが効率よくないですか?
 ┗ 満足度を考えたら、こっちのほうがよくないですか?
 ┗ そもそも、これって、なんの意味があるんですか?

社内で正解例がなかなか出ない

メンバー「頑張ってるのに、なんでうまくいかないんだろう」「この戦略、あってるのかな」

中途半端に行動した『偽の数値結果』(間違ったデータ)がたまる

間違ったデータでPDCAを回すので、誤認する

事業が進まない
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良い組織、悪い組織

「意思決定後に、つべこべ」言いだすと、中途半端に行動し、中途半端に考える組織になってしまう。中途半端に行動した上で出た数値結果は、逆に邪魔なデータになる。例えば、本来CPAが合うはずだった広告媒体が「効果が合わない」と間違えて判断してしまったり…。

「実行力」の強い幹部がいれば「この施策は正しい」「この施策はダメ」という正しい真のデータがどんどん蓄積されていくので、事業がどんどん前に進む。


勤続年数UPのセンターピン=「MVV」と「OKR、評価・昇進設計、各種アウトプット(会社にいる人・やってる事業)」の一貫性がある

勤続年数UPのセンターピンは、以下の図における一貫性だ。

MVV

MVV(ミッションビジョンバリュー)を決める目的も、この図に一貫性を持たせるためにある。ここに一貫性がないと、幹部・メンバーから徐々に不満が募る(2年以内の離職率が増えていく

そもそも、MVVを決めてなかったり、MVVを決めていても評価制度や日々のアウトプットに一貫性がないと、以下のような問題が起きる。

  • 既存事業で利益を出してる幹部が、赤字を出し続ける新規事業に文句を言う

  • 理念に惹かれて入社したが、ふたをあけたら「ただの営業会社」だし「高い売上目標だけ」求められるだけで、それを変える姿勢もないので、すぐ辞めた。

  • 新規事業をいくら提案しても、毎回、社長のNG理由がブレてるから、どう提案したらいいかわからない。徐々に「ユーザーニーズ」よりも「社長に提案を通すこと」が優先事項になってくる

  • 「社のルールを破る社員がいても、売上を達成していれば評価されている」ので、会社が何を目指してるのかわからなくなる。自分が時間をかけてルールを守っていたのが、アホらしくなってくる。

  • 経営陣が示す目標、指示に納得がいかず不満がつのる(能力が高い人ほど、これが起きる)

  • 幹部が、飲み会でメンバーに悪気なく不満を言い、組織の空気を悪くする。

  • 5年働いてくれた可能性があるのに、数か月~3年程度で辞めてしまう。

そもそも、MVVを決める目的は?

前提としてMVVを決める目的は、以下2つだと思う。(メインの目的は「目的1」。)

MVVを決める目的

目的1.「判断」「アウトプット」に一貫性をもたせるため
(社全体で、売上・利益以外の明確な判断指針ができること。社長・経営陣の判断がぶれないこと。)

目的2.「役員・幹部クラス」の採用力UPのため

MVVを決めたことで起きる具体的なメリット

● 判断・評価への不満がなくなり、勤続年数UP
社全体で「判断」「アウトプット」に一貫性が出るから不満がなくなり勤続年数があがりやすい。やってることの意味がわかるから、モチベーションもUPする。

● マインドが合わない社員比率が減り、社全体の勤続年数UP
MVVを決めることで社員に求めるマインドが言語化できる。結果として、採用時に「マインドが合う合わない」の判断ができ「マインドが合う」社員の勤続年数がUPしやすい。

● "マインドが合う"役員・幹部クラスの採用率UP
優秀な役員・幹部クラスほど、会社の長期の方向性や価値観が「自分に合うか合わないか」を入社前に気にする。そこが明確に言語化できてないと役員・幹部クラスの採用をロスすることがある。(本来、採用できていたのに採用できないケースが発生する)

MVVの決め方の手順

まず、前提としてMVVに関して僕は「理念」「価値観」「行動原則」の項目だけ決めれば、目的を満たすと思っています。それぞれの言葉の定義は以下。

  • 理念=最終ゴール

  • 価値観=「例え、最終ゴールが達成できても、ダメな状態は?」⇒この反対。

  • 行動原則=判断に迷った時のチェックリスト(理念、価値観で補足できない点をカバーするもの)

そして、経営陣が以下の質問に答えていけば「理念」「価値観」「行動原則」が整理されると思います。

[MVV作成テンプレ]
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1lPQLyLVTJbXyOkUMt5Bz04CecUvSE0egmKAgjdd-5qI/edit#gid=498479965

上記シートを経営陣で埋めて、整理して、経営陣がしっくりくる簡潔な言葉にするのが良いと思います。「わかりづらいMVV」は決めてないのと一緒です。しっくりくるし、わかりやすいMVVにするのが重要です。

なお、行動原則に関しては、一旦仮のものを定め、数か月運用後に確定させるのがオススメです。「(理念、価値観だけでは補足できない)判断に迷った時のチェックリスト」が「行動原則」なので、何か判断に迷った際に「こう考えて判断すべきだ」と思った考え方をメモし、数か月運用してから、FIXさせるのがいいです。

※理念、価値観の弊社事例:https://pine-global.co/goal

※行動原則の弊社事例(一部):

  • 「短期目線」より「中長期目線」での判断になっているか※感情的になったときこそ、注意

  • 「妥協」ではなく「理想」で考えているか( 実現可能性は、常に「あるべき理想の方向」の決定後に考えること。「実現可能性の検討=妥協のプロセス」なので、絶対にダメ)

  • 「1円の価値」も「1億の価値」も一緒。必要であれば、大胆に投資し、必要がなければ、1円でも節約する

  • 「目線の高い人」&「性善説」&「性弱説」に合わせたマネジメント・制度作りができているか。「目線の低い人」&「性悪説」&「性強説」に合わせたマネジメント・制度作りは組織を不幸にする。  

なお、「MVV」と「OKR、評価制度、報酬設計、昇進設計、各種アウトプット(会社にいる人・やってる事業)」の一貫性をどう持たせるかの仕組みに関しては、長くなりすぎるので、別記事で書く。

結局は、8割が採用で決まる

ここまで「採用」「成果UP」「勤続年数UP」のセンターピンを紹介しました。が、結局のところ、「成果UP」「勤続年数UP」においても「採用」が8割影響する。

━━━改めてセンターピンの整理━━━
「採用」のセンターピン
=S級人材の「将来、入りたい会社候補」に入る

「成果UP」のセンターピン
=「実行」を100%任せきれる幹部が、必要な数いる

「勤続年数UP」のセンターピン
=「MVV」と「OKR、評価制度、報酬設計、昇進設計、各種アウトプット(会社にいる人・やってる事業)」の一貫性がある
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【「実行」を100%任せきれる幹部】を育てるには、本人の「その時点での能力」に加え「絶対、幹部になる!というコミット」がないと、難しい。こちらがいくら教育にコミットしても、成果が出づらい。

勤続年数UPにおいても、そう。採用の時に「マインドが合わない」人を省けるかどうかで、8割決まる。「マインドが合う」人を採用できれば、必然的に長く働いてもらいやすい。

つまり、ベースとなる「採用」がうまくいってないと「成果UP」「勤続年数UP」に対する対策をいくらしても、ワークしづらいのが現実だ。

まとめ

ベンチャー経営者が把握すべき人事構造

〇 前提:会社の目的
1.利益UP
2.世の中が良くなるスピードを早めること

〇 会社の目的から逆算して考える人事の3つの目的
1.採用
2.成果UP
3.勤続年数UP

〇 各目的のセンターピン
1.採用:S級人材の「将来、入りたい会社候補」に入る
2.成果UP:「実行」を100%任せきれる幹部が、必要な数いる
3.勤続年数UP:「MVV」と「OKR、評価制度、報酬設計、昇進設計、各種アウトプット(会社にいる人・やってる事業)」の一貫性がある

⇒「2」「3」においても「1」が8割の影響度を与える

〇 注意すべきこと
1.人事の施策を考える時に「3大目的の中の、何を目的」として行うのか意識すること
(目的により、最適な施策が変わるため)
2.「 1~2年後に問題が起きないように、中長期戦略」を組んで実行

[MVV作成テンプレ]
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1lPQLyLVTJbXyOkUMt5Bz04CecUvSE0egmKAgjdd-5qI/edit#gid=498479965

最後に…人事をもっと進化させたい

人事は、経営インパクトが大きい。でも、世の中に体系的なセオリーは存在しない。だから、我流でやるしかないし、本や、ネットを調べても「良いフレームワーク」や「使える戦略・戦術」も、中々見つからない。

だから、エンジニア採用の攻略に、4~5年かかったり、評価の仕組みをゼロから作って、ちゃんとワークするようになるまで結局、1年かかったり。

人事、非効率すぎ…!

人事のセオリーが体系的にまとめられてたら…もっと効率よくできたのに。そんな悩み、絶対ありますよね?

何かよい解決策ないかなーとずっと考えてました。

で、こんなのどうかなと。

人事に本気で向き合う経営者5~100名規模のベンチャー限定)が集まって
人事を経営&マーケティング視点で体系的に学べる会みたいなのを創りたいなーと思ってます。

ベンチャー経営者って部分部分での「人事の成功ノウハウ」は持ってると思うので、同じ壁にぶつかった人に相談できるだけでも、一気に問題解決スピードがあがるのかなと。

つまり、自分で我流でやっていたら、半年かかった採用・組織の問題が、5分で解決することをメリットにした会。

もし、そういったことに興味ある方いれば、ぜひFacebookにメッセージください。一緒に効率的に人事の問題解決しましょう。

https://www.facebook.com/yuuki.kurokawa.50/

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