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スーパーのイワナを生で食らってみる。

イワナを見つけたので買ってみた。

5月に入り夏が近づくとスーパーにニジマス、アユ、イワナが数匹セットでパックで売られるようになる。
基本、養殖物で初夏はこれらを塩焼きにして旬を楽しむのだが今回は別の目論見があり1パック買ってきた。(というか1パックしか売っていなかった)

イワナを刺身で食べてみよう。

青白橡と霞色が何とも着物様で良い。

さて。ここで読者諸氏は「淡水魚の生食なんて危険じゃないのかよ」と思う方がいるだろう。
結論から言うと「まぁリスクあるからやめとけよ」ではある。
この記事自体もどちらかと言えば真似するんじゃないよといった立場だ。
じゃあ何で実施するのかというとリスクが大分低いであろうという見込みがあったからだ。
というのも今回買ったイワナは「養殖モノ」で「水揚げ後直ぐに内臓を抜き」「店頭に並ぶまでにカッチカチに冷凍されたもの」だからだ。
勿論、これで絶対に食中毒や寄生虫症に100%罹患しないというわけではないのだがここまで処理が成されているのであれば天然のものを使うよりよっぽど安全である。
それに観光地や養殖場では似たような処理をして生食用のイワナを提供しているところもあるようだ。
というわけでイワナ刺しレッツゴー。

解凍モノでもあるのでよく研いだ柳刃で丁寧に卸す。

身が非常にやわく、出刃包丁を使おうものなら歯の重みで潰れてしまうのでサク取りするのに難儀した。

重ねて丁寧に皮を剥ぐ。

幾分見割れしてしまったがサケ科の特徴的な銀皮に透明感のある白身で静岡ブランドの「ホワイト富士山サーモン」を彷彿とさせる。
次いでアオメエソやニギスにも似ているだろうか。
水っぽくはあるが養殖物らしく脂のノリは良いようだ。香りも薄くはあるが爽やかな淡水香もある。

骨や皮は別の用途に…。

イワナの刺身。

じゃん。

ということでいただきます。
…食感としては捌いたときから感じていた水っぽさはやはりといった通りで頼りなさが前面に押し出されている。
だがただベショっとしているだけでなく水気の奥の奥にサーモンらしいシャクシャクとした食感も感じられる。
風味は…。
良いんじゃないかな?身の色もそうだがやはり一番近いのはホワイト富士山サーモンだ。
ただあそこまで濃厚ではっきりした味は無く脂もあるにはあるがトロッととろける程でもない。またサクラマスのような淡水香も薄い。
多くの人はホワイト富士山サーモンを食べたことがないと思うのでもっと身近な魚に例えると刺身用アトランティックサーモンに養殖アユの香りをのせて20分の1に薄めたような感じだ。
それが「案外うまく思ったよりまとまったね」で不快にならないくらいに収まっている。
こう書くと「なんだよ美味しくねぇのかよ!」と思われるやもしれないが美味しいことには美味しいのだ。
それが非常に淡く魚を食べ慣れてない人には何が何だか分からないまま飲み込んでしまうと思う。
個人的には好きだが客観的に見ればリスクも低いが食べる価値も低いだろう。
まぁ新潟ならもっと旨い佐渡の養殖サクラマスがあるからそっち食べろってこった!

さっきの骨は骨酒に。
出汁が聞いてて美味しいね。

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